作品情報
ケベックの小村スリー・パインズで起きる事件を、ガマシュ警部が人間関係のほころびから解き明かすミステリ。
ケベックの小村スリー・パインズで起きる事件を、ガマシュ警部が人間関係のほころびから解き明かすミステリ。村の穏やかさと、内側に潜む恐れが対照的に描かれる。
書籍情報
- 出版社
- 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日
- 2009-06-10
- ページ数
- 552ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784270103012
- ISBN-10
- 4270103019
- 価格
- 796 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
「現代のクリスティー」と絶賛された著者、待望のシリーズ第2弾登場! アガサ賞受賞の本格ミステリ! 「ガマシュは頭が切れる人間味豊かな警部で、コロンボ刑事のケベック版、 あるいはポワロの現代版」――ブックリスト 地図にも載っていないくらいに小さいけれど、魅力あふれるケベック州の村、スリー・パインズ。 クリスマス直後、毎年恒例の村のお楽しみ、カーリング試合の最中に、凍った湖の上で 女性が突然倒れて死んだ。心臓発作を疑われたが、感電が死因の殺人事件だった。 ガマシュ警部は大勢の人が現場にいたのに目撃者がひとりもいないことを不審に思い捜査を始めた・・・・。 各紙誌で絶賛されたシリーズ待望の第2弾。アガサ賞長篇賞受賞作品。
ルイーズ・ペニー 1958年、カナダのトロント生まれ。 カナダ放送協会でラジオの報道記者、司会者として活躍。 結婚後、執筆に専念。 処女作である本シリーズ1作目『スリー・パインズ村の不思議な事件』で で英国推理作家協会最優秀処女長篇賞など数々の賞を得て、 本格推理の新しい旗手として注目を浴びる。 2作目の本書でアガサ賞最優秀長篇賞受賞。
レビュー
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早く次の作品が日本語訳されて出版されることを待ち望んでいます
寒い国が舞台で独特の雰囲気のミステリーに引き込まれます 探偵も魅力的に描かれています
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不思議な村
コージーミステリの魅力のひとつに出てくる生活感の違いを楽しむことだと思います。この本はクリスマスからお正月にかけてのモントリオール近くの不思議な村の話です。分厚いコートに耳宛付きの帽子に厚い手袋をつけて捜査をしてあげくに凍死寸前までいきます。日本では屋内が当たり前のカーリングが湖で行われるなんて、読んでいるだけで寒くなるようです。登場するほとんどの人がスリーパイン村がもっている不思議な魅力について語り、ガマシュ警部も退官後は住みそうです。前作よりカナダ、ケベック州の 冬の生活がよくわかります。こんなに寒くておもしろいとは。話が詩人と画家が中心なので、聖書の話や詩篇がいっぱい出てきて理解しにくいですがソレも魅力のひとつだと思います。
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おもしろかったです!
こちらの文章は全く違和感を感じない翻訳でしたよ!やったね♪ 地図に載らないほどの田舎村で、またもや事件が!警察のチームが前作とほぼ一緒なら、村人たちもほぼ一緒。おなじみの面々です。 捜査のリーダーたるガマシュ警部はとっても人格者。部下に熱烈に敬愛され、村民にも親しまれています。 ガマシュ警部の捜査方法がこれまたスゴイ。自分の奥さんに捜査内容をぺらぺらしゃべっちゃうし、村人の家でそこんちの人と被害者の持ち物のビデオ鑑賞したり。ごはんも遠慮なくごちそうになるし。 カナダでは問題ないのかなこういうの。とにかくそういう人の懐に入るタイプの警部さんです。 で。直面している事件とは別に、ガマシュ警部の事件とも言うべき事件がずーっと続いてるんですね。殺人事件はこの本で解決するけど、もう一つの事件はずっとガマシュ警部について回ります。えーと、続きものの刑事ドラマで、主人公の暗い過去みたいなのがずっとあって最終回で解決するみたいな。そういうのがあって、それがこのミステリの特徴だと思います。 前作で、ただの自意識過剰で空気読めない新人刑事だと思われたニコル刑事が、なんか、すっごくあやしいなぁ… なんだよ、次のやつも読みたくなるじゃん!
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フランスの田舎町の殺人事件、第二弾。
デビュー作に続いて、カナダの田舎、それもフランス語圏のケベックの小さな村を舞台に、住人たちの過去と人間関係が入り組んでいる中での捜査です。ガマシュ警部は信頼できる部下と、そうでない部下を伴って事件に挑みます。巧妙な仕掛けは無いのですが、それぞれの人物の考え方と行動を内面から描いています。 ただ、犯人と犯意や殺害方法には、ちょっと無理があるなぁと思いました。ただ、前回もそうであったので、このような部分を殺意として、このシリーズは続いていくのかなと感じました。
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トリックよりも人情味溢れる人間ドラマに心奪われるガマシュ警部シリーズ第2弾。
ミステリーの女王クリスティーの衣鉢を継ぐと絶賛されたカナダの新進女流作家ペニーの期待の第二作でアガサ賞長編賞受賞が深く頷ける感動の力作です。本書は前作に続いてケベック州警察殺人課の名探偵ガマシュ警部がスリー・パインズ村で起きた殺人事件を捜査する魅力的なミステリーです。前作で殺人の舞台となった旧ハドリー邸に引っ越して来たC・C・ド・ポワティエは、気弱な夫を無視して愛人と浮気し、我が娘をクリー(泣き声)と名づけ日頃から肥満をからかう悪意の持ち主で、「平穏に(ビー・カーム)」という宗教書を出版して儲けようと目論んでいた。クリスマス直後、村の毎年恒例行事のカーリング試合が開かれている最中にC・Cが凍った湖上で突然に倒れて死亡し、調査の結果奇妙にも死因が感電死と解って殺人の疑いが浮上する。再び懐かしい村へと駆けつけたガマシュ警部は目撃者の不在に不審を覚えながら捜査を開始する。本書の最初の方では前作で鋭い推理を発揮した村の女性クララが語り手になりますので同じパターンかなと一瞬思いますが、100頁頃からガマシュ警部が登場し、レギュラーの警部補ボーヴォワール、出世主義で和を乱す女刑事ニコルらの面々と共に物語をリードして行きます。ミステリーとしては、もう一つの謎のホームレス女性の殺人を中心にさまざまな小道具を積み重ねた推理がお見事で、著者が全ての手掛かりをフェアに提示していた事に気づかれるでしょう。本書には最後に大逆転のどんでん返しが用意されていますが、それは犯人の狡猾なトリックではなく人間の優しい善意が生んだ悲しい偶然であり、この部分に著者が本家クリスティー女史の作風と違うトリックよりも人情味溢れる人間ドラマを重視する姿勢を感じました。人の生命を大切に考える本当に人間的魅力に溢れるガマシュ警部に惚れ込むと同時に、とても感動的な本書を読んで現代ミステリーの進むべき道が見えた気がしました。
関連する文学賞
- アガサ賞 第20回(2007年) ・受賞