日本の文学賞

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ミスター・クラリネット 上 (RHブックス・プラス)

マカヴィティ賞

ミスター・クラリネット 上 (RHブックス・プラス)

ニック・ストーン

マイアミの探偵がハイチの暗部に踏み込み、暴力と政治の傷を追う犯罪小説。

犯罪小説ハイチ探偵

作品情報

ミスター・クラリネットは、犯罪小説を軸に読者を作品世界へ引き込む。

マイアミの探偵がハイチの暗部に踏み込み、暴力と政治の傷を追う犯罪小説。 受賞歴により再注目され、現在も著者の代表的な仕事として参照される。

レビュー要約

  • 題材への切り込み方と読みやすさが評価されている。一方で、扱うテーマの重さや独特の語り口に好みが分かれる読者もいる。

書籍情報

出版社
武田ランダムハウスジャパン
発売日
2011-11-11
ページ数
400ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784270103982
ISBN-10
4270103981
価格
600 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

失踪した少年を見つければ1000万ドルの報酬――元私立探偵マックスは騒乱とヴードゥーのハイチへ! 英国推理作家協会賞受賞作 --------------------------------------- 生きて連れ帰れば1000万ドル、死体でも500万ドル。 それが、2年前に忽然と姿を消した3歳の少年チャーリーの発見にかけられた報償金だった。 依頼人は、ハイチの実業界を牛耳るグスタヴ・カーヴァーの息子で、チャーリーの父親アラン。 7年前、幼女を惨殺した少年少女3人を殺して服役、ようやく出所した 元私立探偵マックス・ミンガスにとっては喉から手が出るほど欲しい金だ。 だが、調査の舞台は警察組織などなきに等しく、いまだにヴードゥーの呪術や占いが力をふるうハイチ。 しかも、マックスの前に雇われた3人の探偵は1人が惨殺され、1人は行方不明、1人は精神錯乱となっていた。 さらに、マックスに深い恨みを持つ連続殺人者ブークマンが米国から強制送還され、首都ポルトープランスにいるという。 それだけの危険と報酬を秤にかけ、ためらっていたマックスだったが、 服役中に事故死した妻が夢まくらに立って依頼を受けるよう訴えてきたし、 また下調べで訪れたマイアミの教会の司祭から、 子どもをさらうハイチ版ハーメルンの笛吹き「ミスター・クラリネット」の伝説を教えられ、 やはり失踪したという司祭の姪の行方を捜すよう頼まれたこともあって、ポルトープランスへ向かうことを決意する。 だが、そこでマックスを待っていたのは、まさに悪夢としか言いようのない世界だった……! 「グレアム・グリーンの『喜劇役者』と並べて語られる作品になるだろう」(オブザーヴァー紙)、 「パルプフィクションとフィルム・ノワールへのオマージュ」(ガーディアン紙)と絶賛された、期待の大型新人デビュー。 英国推理作家協会賞とマカヴィティ賞、ダブル受賞作。

ニック・ストーン 1966年、ケンブリッジに生まれる。父親はスコットランド人の歴史学者、母親はハイチの名家の出。 幼い頃はハイチで暮らし、1971年に英国に戻る。 十代の頃はボクサーを目指していたが、ケンブリッジ大学入学後は歴史学に専念する。 デビュー作の本書で2006年度英国推理作家協会賞イアン・フレミング・スティールダガー賞、 2007年度マカヴィティ賞最優秀新人賞受賞。2007年には本書の前日談ともいえるKing of Swordsを 、2011年にはマックス・ミンガス・シリーズ第3弾 Voodoo Eyesを発表、いずれも好評を得ている。

レビュー

  • リアルさを無視すれば面白い!!

    <奇蹟を起こして、少年を生きて連れ帰れば、一千万ドル。 死体を連れ帰れば五百万ドル。少年を殺した連中も引き渡せば、さらに五百万ドル。 少年を殺めた連中であれば、生死はどちらでも構わない> この冒頭、最初の一文の面白さ、ワクワク感で、即買いました。 確かに話は面白いです。 なんたって舞台がハイチ。 作家はハイチ生まれ、ハイチ育ちの英国人作家です。 しかもミステリー、ハードボイルドであり、作家が一流のストーリーテラーだからこそ描けた作品です。 が、どうしても設定に矛盾を感じて、読後感、そのモヤモヤは最高潮に達します。 なぜ、ハイチ人の大富豪が、行方不明の孫の捜索を、一千万ドル(当時だったら15億円以上)の懸賞金かけて、たった一人のアメリカ人私立探偵に依頼するのか? なぜ、前任の依頼者達はことごとく悲惨な末路を迎えているのにそれでも外国人に、単独で頼むのか? 頼まれたアメリカ人はハイチに土地鑑もなし、過去のハイチ渡航経験なし。一番大事な現地語も話せない。会話は通訳を頼むしかない。 15億の懸賞金が払えるなら、もっと立派な組織を雇って捜査するだろう。 行方不明者の捜索なのに、現地語も話さない外国の私立探偵がなぜか単独行動で探す話。 この小説の主人公、超出来る男は、そのことに対する矛盾を一切感じず、依頼を受けている。 主人公はなぜそこを考えないのだろう。考えない人間が、普通、いるだろうか。 しかもこの主人公は最後、依頼者を逮捕してしまう。 それは、ないだろ。警察を退職しておいて。お金に惹かれて話を受けておいて 約束違反というか、それを正義として描いた作者もどうなんだろうか。 読んで損ではないけれど、リアルさにこだわる人には無理な作品かもしれません。

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