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四百字のデッサン (河出文庫)

日本エッセイスト・クラブ賞

四百字のデッサン (河出文庫)

野見山暁治

少年期の福岡、戦後の画壇、パリで出会った人々を、画家の眼で四百字ほどの短い文章に刻んだ随筆集。藤田嗣治や田中小実昌らの記憶を通して、人との出会いが一枚のデッサンのように立ち上がる。

画家の記憶戦後文化人物随筆

作品情報

画家の眼が、出会った人々の輪郭と時代の空気を短い文章に定着させる。

少年期の福岡、戦後の画壇、パリで出会った人々を、画家の眼で四百字ほどの短い文章に刻んだ随筆集。藤田嗣治や田中小実昌らの記憶を通して、人との出会いが一枚のデッサンのように立ち上がる。 受賞時代の文脈を保ちながら、現在の読者にも作品の核が伝わる一冊である。

レビュー要約

  • 作品の題材や筆致を評価する声がある一方、時代背景や文体に距離を感じる読者もいる。受賞作としての個性は、主題の明確さと語り口の持続力にある。

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2012-09-05
ページ数
231ページ
言語
日本語
サイズ
10.7 x 1 x 14.9 cm
ISBN-13
9784309411767
ISBN-10
4309411762
価格
825 JPY
カテゴリ
本/アート・建築・デザイン/絵画/デッサン

少年期の福岡での人々、藤田嗣治、戦後混沌期の画家や詩人たち、パリで会った椎名其二、義弟田中小実昌、同期生駒井哲郎。めぐり会った人々の姿と影を鮮明に捉える第二六回エッセイスト・クラブ賞受賞作。

1921年福岡県生まれ。東京美術学校油画科卒業。55年サロン・ドートンヌ会員。58年安井賞。78年エッセイスト・クラブ賞。元芸術大学教授。

レビュー

  • 読み応えがある

    無言館を提唱した彼は絵画も文章もお上手です

  • 欲しかった一冊

    どうしても欲しかったので購入。 何かの折にもちあるいて、何度もよんでいます。 野見山さんの文書はすばらしい。

  • 藤田嗣治のエピソードが入ってます。

    2023年に102歳で没した画家、野見山暁治さんによる1976年に出版されたエッセイ。幼少期の思い出をはじめ、東京美術学校の話や藤田嗣治の話、坂本繁二郎、和田英作、駒井哲郎、義弟田中小実昌など、もはや伝説上の人物との交流などが生き生きと描かれている。 戦時中に東京美術学校に入学し、卒業後、徴兵されるもの病で帰国、なんとなく生き抜いてきてしまった、というような感情を踏まえた回顧もあり、淡々としているが時たま、ある種の燻りを感じさせる瞬間もあり、文章は非常に上手い。 たくさんの死に向き合ってきたこともあり、人間観察が鋭く、妥協やウソのない文章になっている。 先日、『東京美術学校物語』を読んだばかりだったので、和田英作や自由美術の話も大変興味深かった。『東京美術学校物語』では単に記録されているだけだった人物が、生きた人間として回顧されていて、立体的な人間として立ち上がってきて、読書のセレンディピティを感じた。 淡々とした中に味わい深いギャグとかも入っていて、クセのある面白い方だったのであろうな、と感じた。エッセイはたくさん出ているようなので、もう少し読んでみたい。 戦地で没した画学生の作品を展示する長野にある無言館の設立にも尽力した野見山さんだが、無言館の設立は1993年なので、その前段階の戦没した画学生の遺族へのヒアリングを開始したあたりのことも書かれており、それはそれで歴史の証明となるテキストと思った。 無言館、一度は行ってみないとな。

  • やっぱり凄いなぁ

    野見山さんの慧眼を再認識する本でした。洋画家としての顔にはこんなに丁寧にモノを見る眼と、柔らかな感受性の裏打ちに基づいてるのだと感心しました。

  • 昭和初期の画壇のようすがわかる

    野見山さん自身を含めて、身辺を取り巻く画家たちの個性豊かな様子が面白い。文字が小さいのにはまいった。

  • 文字を使った視覚化

    大学時代に愛読した本書を、60歳代で再読するために、キンドルで購入。昔の黄ばんだ文庫本も所有していますが、2025年に再読すると、大学時代の読了イメージと比べて著者の視点は現在でも新鮮で、今の老年の時間空間軸との差を楽しんでいます。見たものをこれほど詳細にビビッドに描写しているのには今更ながら驚きです。野見山暁治さんに合掌。

  • 味わいのあるエッセイ集

    エッセイ集と思って読み始めて、その叙情的な雰囲気にしばし酔いしれた。第一章の「ひとびと」は主に野見山氏の交友録で、画家やパリ時代の幅広い親交の中に、近しい関わりが静謐に語られている。エッセイといえども一編の私小説を読んでいるかのような文学性を感じた。詩人たちも含まれていて、その交流の広さにも驚かされた。 また「画家の髭」についてでは、その考察は私も知りたいと思っていただけに興味深かった。 第2章「うわの空」では様々な事柄について一章よりも短めの文章で、これは気楽に読めるコラムといった感じ。 思い出や事物に対する解釈など、ときにペーソス溢れる語り口で、けっして器用な文章ではないと思うけれど、そこには氏の人柄が感じられた。 画家が書いたエッセイということに興味を惹かれて読み始めたが、とても素朴で味わいのある一冊だった。

  • 四百字のデッサン(河出文庫)について

    非常にいい状態で買うことが出来ました。入手しにくい文庫で、読み応えがありました。

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