レネット: 金色の林檎
兄の死を抱える少女の家族に、チェルノブイリ原発事故の被災者である少年が訪れる。初恋と喪失を通じて、生きる希望を描く物語。
作品情報
少女の夏に訪れた少年が、家族の痛みに光を差し込む。
『レネット 金色の林檎』は、名木田恵子による児童文学。兄の死を抱える少女の家族に、チェルノブイリ原発事故の被災者である少年が訪れる。初恋と喪失を通じて、生きる希望を描く物語。 受賞作としての焦点は、人物の感情や時代背景を通じて、読者に余韻のある問いを残す点にある。
レビュー要約
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設定や語り口の独自性を評価する声がある一方、題材の重さや余白の多さをじっくり受け止める読者向けの作品と見られている。
書籍情報
- 出版社
- 金の星社
- 発売日
- 2006-12-01
- ページ数
- 175ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784323063232
- ISBN-10
- 4323063237
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/読み物/童話・文学
帯あり。受け取られる方が不快に思われるような、傷みのひどい本、見苦しい本などは扱っておりません。本品はカバーによく見ると細かい線が入っている程度で、あとは目立つような傷・汚れもありません。本文は使用感もなくよい状態です。気持ちよく鑑賞していただけるのではないかと思います。専用書庫にて保管しております。ご注文確定後、速やかに送付いたします。
レビュー
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泣けるが何故か哀愁が漂う。
チェルノブイリから30年が経つ。 あの悲劇と登場人物の思いが重なり、物語が進む。 号泣しました。
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原発被災者
兄を失った少女の家に原発被災者の少年がやってくる。 それぞれの哀しみが伝わってきた…。 時の流れがいろいろが哀しみを癒やしてくれるといいね。
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さりげなく子どもに読ませておきたい物語だった。
福島の事故後に、あらためて読んでみた。 著者があとがきに書いているように、この作品は チェルノブイリの話を日本の子供たちに紹介する意図をもっている。 しかし、今となっては繊細すぎる物語で、 逆に今後は、日本とフクシマがこのように世界から扱われるのだと考えたら、 なんだかやりきれない内容。 もともとこの作品、いろいろなテーマがさらりさらりと投入されていて、 読む子どもの感度によって、だいぶ読後感が変わるだろうなぁと思う。 兄の死にからんだ家族の物語としても読めるし、 少女が「海外」と出会う話としても読める。 タイトルになっているレネットというアイテムは、 どう考えても少女の初恋物語として読むためのもので、 そうなると物語の重点は「告げられなかった想い」のようにも感じる。 そしてもちろん、チェルノブイリの悲劇が物語の中でうまく使われている。 だから、今までは、 さりげなく子どもに読ませておきたい物語という位置づけだったのだが、 さて今から読ませたいかというと、ちょっと悩んでしまう。
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意外な結末
チェルノブイリ原発事故の悲劇を、セリョージャという一人の少年を通して描いている。 里親である日本人家族との心の交流がクローズアップされ、一つの物語を形成している。 しかし、本書が最も描きたかった事象は、原発事故の恐ろしさ、 さらには、戦略的核廃絶に向けての、著者の強い願いだと思う。 物語の結末は意外だ。 物語は、当初から読者が抱く結末に向かって、突き進んでいる様な感がある。 「レネット」とは金色の実を付ける林檎の木らしい。この木の種を巡って、海歌の心は揺れる。 途中まで読んだ時点で、ははぁ、セリョージャは死んで、 金色の林檎の実に、象徴的な意味を持たせるのかな?という風にも予想した。 しかし、思惑は違った。 違っていて、良かったと思う。 物語の終末は、希望に満ちていて、大きな爽快感を後遺しながら幕を閉じる。 著者の悲劇の伝え方は、後味の悪さを伴わない。 この意外性は、本書では、特筆すべき点だ。 海歌の態度は、逆説的だ。 海歌が思ってもみなかった事を言ってしまったりするのは、兄の死とも、大きく関係している。 しかし、セリョージャの登場以来、その態度が明確に変化してゆくところが、面白い。 感傷的な感想であるが、セリョージャの日本滞在は、たった1ヶ月だとは、短か過ぎる。 数ヶ月、出来れば数年の滞在が出来ないものか? その点でも、大変希望を持てる結末を迎える。 こんな悲劇は、繰り返されてはならない。
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さらりと心に残る物語
12歳の兄海飛(かいと)を亡くして以来、父親は責任に苛まれ、母親は悲嘆にくれ、妹海歌(みか)はそんな両親に反発を感じながらも、傷つき苦しんだ。 そして、そんな海歌のもとへベラルーシから里子として12歳の少年セリョージャがやってくる。彼は、チェルノブイリの原発事故で両親を失い、自らも被爆していた。失った兄と重ねるかのようにセリョージャを愛する両親を前に、素直になれない海歌だったが… 物語は、母と家を出てから10年近くたち、20歳となった海歌のもとへ届いた父からの一本の電話から始まります。愛する人を亡くす喪失感、被爆者の苦悩などがさりげなく、織り込まれていて、さらりと読めるのに、深く心に残る物語でした。 (第53回 青少年読書感想文全国コンクール 中学生の部課題図書)
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折り紙の中の種
そうすべきじゃないのがわかっているのに、それを誰かにわかってほしくて意地を張って、とりかえしのつかないことをしてしまったことをして後悔したことって、誰にもあるんじゃないでしょうか。そんな心の片隅にあるものをぎゅっとされたような物語でした。 チェルノブイリ事故の後の人への影響を考えると途方もないほど無力な感じがしてましたが、この物語のようにちょっとずつでも何かの行動が繋がっていくんだと思うと、つらいけどなんだか救われるな、なんて思いました。