日本の文学賞

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無銭優雅

島清恋愛文学賞

無銭優雅

山田詠美

花屋を営む慈雨と、古い家に暮らす予備校講師の栄が、人生の後半に出会い、金をかけない時間を豊かな恋に変えていく。死を意識する年齢の恋を、軽やかで濃密な会話と日常の手触りで描く。

大人の恋死生観日常会話

作品情報

人生の後半に始まる恋は、質素な時間を二人だけの天国に変える。

山田詠美による恋愛長編。若さや消費に支えられない恋を、食事、住まい、言葉のやりとりから描き、死を思うことが生を濃くするという感覚へ導く。

レビュー要約

  • 成熟した恋愛を正面から描く姿勢が印象に残る。華やかな事件よりも、会話と暮らしの細部から二人の関係が育つところが支持されている。

書籍情報

出版社
幻冬舎
発売日
2007-01-31
ページ数
228ページ
言語
日本語
サイズ
19.5 x 13.6 x 2.1 cm
ISBN-13
9784344012844
ISBN-10
4344012844
価格
2604 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

大人になりそこねた男と女は、 名作に導かれて、世にも真摯な三文小説を織り上げる。 いつか死ぬのは知っていた。けれど、死ぬまでは生きているのだ。 ささやかな日々の積み重ねが、こすり合わされて灯をともし、その人の生涯を照らす。 そして、照り返しで死を確認した時、満ち足りた気持で、生に飽きることが出来る。 私は、死を思いながら、死ぬまで、生きて行く。今わの際に、御馳走さま、とひと言、呟くために――。

レビュー

  • 生きる本質

    78歳で、この本に出会いました。きっかけは2025年10月号の文芸春秋12月号の、山田詠美、江口香織、川上弘美の鼎談から。美しい40代のシンプルな恋愛の本質を感じた。スティーブジョブズの最後の言葉を思い出した。

  • この作者とは合わないんだよなぁ

    山田詠美、すごい小説家だと思う。この本も文章が巧みで面白かった。 でも、好きになれない。 「わたしって文章上手いでしょ?お洒落な話書けるでしょ?でしょでしょでしょ?」 という作者の自慢がにじみ出てくるように感じてしまう。 繰り返すが凄まじい才能だとは思う。 それでも好きになれるか否かは別だ。 私にはやっぱり合わない小説家だった。

  • 新品じゃなかった

    新品購入のはずですが新品ではないものが届きました

  • 良質のナルシスティックな恋愛小説、なのですが

    40代の二人の男女の恋愛。ドラマチックな出来事はほとんど起こらない日常的な 二人の生活が女性の一人称で語られていきます。ベテラン作家らしくとても読みや すい。そして、若者でない二人の物語だからこそ、ナルシズムがはっきりとしてい ます。良質のナルシスティックな恋愛小説であるのは間違いないと思います。 しかし、良質ではあってもナルシスティックである以上、とても狭い物語です。 世界観が狭いというより価値観が狭いと感じました。世界観が狭くても価値観が 広ければよかったのですが、そうではありませんでした。普通の小説家ならともかく 山田詠美という才能あるベテラン作家が、久し振りに書くべき長編小説とは到底 思えませんでした。読んでいても心になかなか響きませんでした。私にとっては 残念な作品となりました。

  • エッセイの様な

    まるで山田詠美さん自身のエッセイを読んで居る様な感じがします。 とても暖かくどこにでも吹くやさしい風に吹かれて居る様な感じがとても心地よく自然に心に届く作品です。 小説の中の人物設定が四十歳であり、私自身も同年齢である事から共感を越えた、もっと自然に届く暖かい内容でした。 内容自体はナンテ事のない、他愛のない日常の話しなのですが、自然とページを重ねて行き、あっという間に読み終わってしまう感じでした。 本の帯に書かれていた(心中する前の日の心持で、付き合っていかないか?)と言う言葉がとても重い感じに読む前は感じましたが、そんな重い感じは無くとても自然な内容でしたよ。 読む側の年齢でかなり受け止め方の違いが出る本ではないでしょうか、それはそれで楽しいのでは、あまり重く考えずサラリと読書を楽しみたい方にお薦めします。特に私の様な年齢層には受け入れられそうな物語です。ご賞味あれ。

  • 嬉しい♪

    図書館で借りて読んでから、待ちに待ったる文庫化。これでいつも一緒です。 私は43歳の主婦ですが、栄は理想です。褒め言葉を惜しまないところ。素直なところ。怒らないところ。 そんな栄が慈雨と一緒だからこそ作る空気。相手によって自分の魅力が増してく感じ。 相性がいいってこういうことなんですよねぇ。 慈雨の家庭での娘としての役割にも激しく共感しました。 生かし合う相手との出会いの本です。

  • 意外と泣ける

    淡々とした描写が、時に、山田氏の独り言?漫談?っぽくって、どんどんと「オトコイ」をグレードアップさせている。 40代男女のラブストーリー。 二人は、非常に羨ましい関係だ。やはり、男の女々しさは(その種類によるのであるが)「イロコイ」に必要なツールのひとつでしょう。 そして、移動範囲が限られているという山田氏のにくいテクニックで、二人の行動範囲が狭められ、どんどん深まっていく二人の密度。 なのに、全然嫌味でないのは、「独身貴族」と呼ぶに相応しい二人だから。 決して裕福ではない「小市民」を自認している人たちの恋。 理不尽や妥協とも添い寝できる年代の恋だから、今再びの情熱なのでしょう。 恥も外聞も関係なく自分をさらけ出せて、尚且つ心地よい「居場所」と感じ合えるって、そこまで辿り着けるのは、やはり「運命」ですか?! 「好き」という感情だけでは恋愛は成り立たないと、切ないことだけど、そう感じてました。 しかし、最後に残るのは「好き」の気持ちだけ。シンプル イズ ベスト!!! こんな恋愛が出来るのは、お互いが、シンプルだからなのですね。 相手への敬意しかり、少しの配慮しかり、ありったけの愛情表現しかり。 傷つくことを怖れ、駆け引きしていては、いけましぇ〜んですね。。。 後半、主人公の父の死や、彼の過去やらが、最後にどぅおーっと押し寄せ、悲しみ、苦しみと向き合い、「やっぱり私にはこの人が一番」とのエンドに酔わされました。

  • 自由な年齢が書けるようになったかな

    Amyはマス的な価値をずっと批判してきた。その外側の価値世界を彩るようなマスに対向した恋愛を描いてきた。 高度な美的価値観で、読者を驚かせる天才だったが、これは90年代までの特権。 多くの日常を生きる庶民(=読者)は、現実的にマスの外側の価値に出る勇気を持たない。 ナンバーワンよりオンリーワンもきれいごとだし、そのどちらもなれないことを解っているだろう。 旧来なら兄夫婦を批判して、奔放に恋愛に生きることが最高だ調で終わっただろうが、本作はそう単純ではない。 生きていく上で、たくさんの制約やしがらみが乗っかかりながらも、最後に残るとてもシンプルなものを描いている。 ここ十年くらい死はやってくることを前提とした生の輝きがテーマになっている。 だだ、夫婦なり家族といった価値は文化として元からあっても、恋愛という価値に創造性はあるのか、僕は懐疑的である。

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