日本の文学賞

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小さい“つ”が消えた日

新風舎出版賞

小さい“つ”が消えた日

五十音村に住む小さい「つ」が、音がないとからかわれて姿を消してしまう物語です。促音がなくなった日本語の混乱を通じて、言葉の仕組みと一人ひとりの存在の大切さをやさしく伝える児童文学です。

日本語文字自己肯定児童文学

作品情報

小さい「つ」がいなくなった日、日本語の世界は大混乱になります。

文字たちが暮らす五十音村を舞台に、目立たない存在だと思われていた小さい「つ」が、実は言葉を支える大切な役割を担っていたことを描きます。言語学習の楽しさと、誰も不要ではないというメッセージが重なる作品です。

書籍情報

出版社
三修社
発売日
2008-10-30
ページ数
128ページ
言語
日本語
サイズ
12 x 1 x 17.8 cm
ISBN-13
9784384055146
ISBN-10
4384055145
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/ドイツ文学

大人と子どものための、言葉の妖精たちのかわいい物語。 “あ”さんはいばりんぼ、“か”さんは優柔不断…舞台はいろいろな文字たちがすむ五十音村。そんな五十音村の住人たちが楽しみにしているのは、夜のおしゃべり。その日も、みんなであつまって自慢話に花を咲かせていました。ところが、小さい“つ”には音がありません。「音がないなんて、文字じゃない」とからかわれた小さい“つ”は次の朝、姿を消してしまいます。すると、どうしたことでしょう。いらないと思っていた小さい“つ” がいなくなっただけで、「うったえますよ」が「うたえますよ」になってしまうなど日本語は大混乱に…。 ドイツから届いた、日本語の五十音をめぐるファンタジー。

ステファノ・フォン・ ロー 1967年、ドイツ・クローンベルク生まれ。 1987年に来日し、上智大学比較文化学部比較文化学科を首席で卒業。 その後、ケンブリッジ大学、ハーバード大学、東京大学で経済学、哲学、社会学などを修める。 日本語・ドイツ語・英語・フランス語・イタリア語が堪能。 現在は、フランクフルトの日系証券会社に勤務。 趣味は、映画製作と観賞、スキューバダイビング、チェス、囲碁、料理、旅行など。 ドイツ・ケーニヒシュタイン在住。 好きな日本語は「~でしょう?」。

レビュー

  • 一気に読みました

    日本語の五十音のひとつひとつの特徴をよく掴んでいて、とても興味深い本でした。 1時間ほどであっという間に読めてしまいました。 日頃気にも留めない小さいつの存在。外国の方だからこそそこに気がつけたのかもしれません。 素晴らしい。

  • ✨️音のない「っ」の物語。失ってから気づく本当の痛みをその前に感じることはできないの✨️

    明かりを消してくれたけど、あまりの悲しさに眠ることができなかった。嫌なことを忘れようと少しでも遠ざかりたいと必死に走ったけど。音のない「っ」の物語。失ってから気づく本当の痛みをその前に感じることはできないの。悲しみを包み込む優しい温もりはそんなに転がってはいないのに。大切なかけらを探して。たった一つの表現が消えてしまたことで、みんなイライラしている。「っ」は誰もいなくなった片隅で夜空を見上げて気づく。音のない奏でがここにはある。色や薫りがなくても美しさを保つものも。信頼はかたちのないものから伝わっていく。

  • 休符の味わいと存在感の魅力を、小さい「つ」にも感じる。

    ドイツ人である著者が、独特な視点で、日本語の魅力を、とてもメルヘンチックに、その特徴を見極めながら表現されている。 小さな「つ」の促音(そくおん)から、日本語の言葉の面白さ、物語から心の温かさが伝わってきます。 通販「ジャパネット」の高田明(たかたあきら1948年生まれ)社長が、社員の方々に推薦されている本ということを知って、ビジネス書のような感覚を求めて読んだのですが、心温まる内容に、SMAPの歌「世界にひとつだけの花」が脳裏で聴こえてくるようでした。 この物語の、小さい「つ」がいなくなって、五十音村が大混乱。 その大切な小さな「つ」を探すために、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌と、あらゆる手段を使って「小さい『つ』へのメッセージ」に、高田社長の思いを伝える気持ちに重なるものを感じました。 外国人から観た、日本語の魅力を紹介された本が、僕は大好きです。 促音の、小さな「つ」に焦点を当てた物語の本書は、とても独創的で魅力的な1冊です。

  • ネットで買うってこと

    見た目、ページの一枚一枚の状態は良。 ただ、配送中にそうなってしまったのか、ごそっと背表紙から剥がれてしまっていました。 返品をお願いしたら、即返金対応してくれたのでホッとしました。

  • 考えさせられる話

    小学生の息子に紹介されました。 大人でも考えさせられます。 話をすると皆さん読みたがり、貸すと欲しがるので、何冊もプレゼントしてます。

  • 日本語の言葉にうっかり見逃している大切な「小さな【つ】」を気づかせてくれた新鮮で面白い本

    この本は「note」で紹介されていたので、すぐAmazonに飛びました。 私自身も大いに興味があったし孫にもぜひ読んでもらいたい本でしたのですぐ購入しました。難しくなく大きさも手ごろなのに、日本語で気づかなかった「小さな【つ】」に気づいた作者が外国の方!ということは、外国語には「小さな【つ】」なるものがないということに二つ目の驚きがありました。これは比較文学をしていないと気づかなかっただろうし、比較文学をやっていたとしても気づかなかった?と思うと、作者は日本語におけるノーベル賞ものだと 感心しました。ぜひ、日本語を使っている方々に読んでいただきたい「本」だと思いました。

  • 促音「っ」は外国人が苦手とする発音なんです

    またのタイトルは「Die Geschichte vom kleinen Tsu」、著者は日本語を学んだドイツ人です。日本人が英語の"r"と"l"の発音に苦労するように、外国人も日本語を学ぶとき促音「っ」の発音習得に非常に苦労するそうです。千野栄一著「外国語上達法」の「発音」の章に、促音が分からないと『あっさり』と『あさり』、『すっぱい』と『スパイ』の区別がつかなくて困るのだ、と書かれていました。本書の著者もこの促音に苦労されたそうです。(この「促音の言い間違い」は「大好きな間違いの一つ」だそうです。この外国語(日本語)を楽しむ姿勢は「ダーリンは外国人」のトニーさんに通じる処がありますね) 本書は、この点に注目して書かれた小作品です。我々日本人に日本語の言葉遣いの面白さに改めて気付かせてくれるとともに、「誰一人として重要でない人はいない」という人間賛歌のメッセージが心に染み渡ります。イラストもかわいいですし、フリガナも適宜振られていて、小学校高学年から読める作品になっています。 本書の観点から、日本人も外国語の発音と文字の関係について何か書けそうな気もしますね。(フランス語の"h+母音"の"発音されないh"とか、単語語尾の"読まれない子音の塊"とか(→リエゾンがなくなるとしたら?)) 外国語の発音が理不尽だと嘆くのでなく、本書のような楽しみ方で外国語に親しんでみようと思わせる作品でもありますね。

  • 小さくても大切

    大きいとか小さいとかではなく、今いる誰もが大切なんですね。 遠回りに見えても、不要なものは何もないんだって思います。 なんだかんだと、ちょっとだけ、元気をもらいました。

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