日本の文学賞

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こっちへお入り (祥伝社文庫)

エキナカ書店大賞

こっちへお入り (祥伝社文庫)

平安寿子

平安寿子『こっちへお入り』は、受賞・候補対象となった作品。人物の選択や時代・生活の手触りを通じて、読後に余韻を残す構成を持つ。

落語日常出会い

作品情報

『こっちへお入り』は、題材の輪郭を丁寧に追いながら読者を作品世界へ導く。

書誌情報と受賞一覧を照合し、平安寿子の『こっちへお入り』を対象作品として確認した。単行本・文庫として確認できる場合は書籍識別子を補完し、雑誌掲載または未刊行原稿のみと判断した場合は識別子を空欄にした。

書籍情報

出版社
祥伝社
発売日
2010-12-09
ページ数
304ページ
言語
日本語
サイズ
10.5 x 1.1 x 14.8 cm
ISBN-13
9784396336271
ISBN-10
4396336276
価格
681 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

〜33歳独身OL、鋭意修行中!おもしろい!やめられない!/落語は不器用なオトナのための指南書だ!〜 吉田江利、三十三歳独身OL。ちょっと荒んだアラサー女の心を癒してくれたのは往年の噺家たちだった。ひょんなことから始めた素人落語にどんどんのめり込んでいく江利。忘れかけていた他者への優しさや、何かに夢中になる情熱を徐々に取り戻していく。落語は人間の本質を描くゆえに奥深い。まさに人生の指南書だ! 涙と笑いで贈る、遅れてやってきた青春の落語成長物語。

一九五三年広島市生まれ。フリーライターを経て、一九九九年『素晴らしい一日』にて第七十九回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。二〇〇五年『本の雑誌』が選ぶおすすめ文庫ベスト10にて『グットラックららばい』が第一位に。書著に『神様のすること』『おじさんとおばさん』など多数。

レビュー

  • 2008年発行。主人公が30代独身OLなのにおばさんぽい。

    2008年発行。 当時33歳の主人公なので、2024年の今、49歳くらいですが、 こんな言葉づかいするのかな?と疑問が沸いて、小説の世界に浸ることができませんでした。 「わたしゃ」「こちとら」などという30代独身OLに会ったこと、ないです。 (落語を習う前から) 作家のプロフィールを見たら、発行当時55歳くらいだったので、 世代によるのかなとも思いましたが。 主人公が落語教室で次々と挑戦する演目を考えていく中盤あたりから 細かな落語批評が加わってくるので、落語好きにはおもしろいかもしれません。 志ん朝と小三治の違いや、柳家権太楼の佃祭などなど。 落語の演目と独身OLの人生をからめたとりとめのない話でした。

  • 落語を聴きたくなる

    昔落語の本は何冊か読んだが、そんなに落語フアンということでもない私が、文中に出ている落語を聴いてみたいと思うほど、ひきつけるものがあった。仮に落語をあまり知らない人でもそう感じるのではないだろうか。

  • 落語は人生の処方箋

    齢三十三になる江利という女性が落語を通して成長していく物語である。 江利は会社では上司と若手との板挟みに苦悩しながらも、仕事はそつなくこなす。少々刺々しいのが玉に瑕だが―。そんな江利が素人落語に出会うところから始まる。 物語は思った通りに進んでいくので、予定調和が苦手な方には不向きかも知れません。 作者の落語感で物語は進んで行きます。当たり前ですね。 しかし、余りにも落語に精通している方には、作者の考えと合わない方も多いと思います。あとがきを先に読めば、作者の好みが分かると思いますので参考にしてください。 よってこの本の読者としては、ただの落語好き、ちょっと知ってるってくらいがちょうどイイのかも知れません。 筆致は軽快で大変読みやすく笑い処はもちろん、涙誘う場面もあり。江利の人生の葛藤に、落語を処方箋代わりに使う師匠の生き方も善し。結びも大変イイですよ。

  • 期待ハズレ

    確かにこの作家さんらしさはでているようですが、ここまで落語に依存しているとネェ、どうなんでしょう?残念でした。

  • 平易な落語論

    小説の形式を借りて、著者の落語論が展開されている。33歳の独身OLが、カルチャセンターの落語教室に参加し、次第に落語にどっぷりと浸かり込んでしまう物語。主人公の日常や環境よりも、落語そのものに対しての記述が目立つ。ただし、評論文のようには感じない。飽くまでも小説の体をなしている。 小説としては物足りなさを感じるが、落語論としては面白い。落語に興味関心がない方には退屈かも知れない。代表的な古典落語に関する知識、粗筋ぐらいは知らないと面白さが分からないかも知れない。落語論としては5点、小説としては3点。結句星4つ。 私は生で落語を聴き始めて丁度1年くらいなので、面白く興味深く読めた。読み終えた後、無性に落語を聴きたくなった。できれば、寄席で生で、或いはDVDで。

  • 落語とは人間の業の肯定なり

    立川談志の有名な言葉で 「落語とは人間の業の肯定である」 というのがある。 この小説の主人公はまさにそれによって人生の悩みから救われていくという内容だ。 恋愛や仕事、親の介護、人間関係など、主人公は色々と悩みにぶちあたり、自分の事が嫌になったりもする。 しかし、「それでもいいんだよ。それが人間なんだよ。」という事を落語から学び成長していく。 古典落語の世界をかなり深く考察していくのも個人的には面白かった。 ただ、僕は落語ファンだから面白いと感じたが、落語を知らない一般読者には伝わらないかなとも思った。 落語を題材とした小説は見つけたら読むようにしているが、本書はまあまあかな。 愛川晶の落語小説と比べたら物語自体の面白さに欠けると思う。 落語論を語るのは良かったが、物語そのものをもっと楽しめるようになればなお良い。 続編があれば期待している。

  • 落語はLIVEで

    なんとか読み切りました。 主人公の江利が、落語にのめっていく様子から始まりますが。 実際聞くとハマる気分は分かります。 笑えるってすごく気持ちがいい。 なので、落語を題材にした小説を読んで笑えたか、というとそうではない。 やっぱり落語は聞かなきゃ。 もしくは生で見て、聞いて笑い転げたいです。 落語はよく絵本にもなってますよね。 ただ、本当にちっさい子向けかと思えば…… 絵柄としてはストーリーをはっきり把握できる年頃からかと。

  • ラクゴマインド、高まる

    主人公は30代独身OLさん。 友人経由のカルチャーセミナーで落語に初めて触れ、どハマりしてしまう。 三十の手習いではないけれど、結婚生活に追い回されてもいなくて、 仕事も自分の思うようにハンドリング出来てしまうと、たっぷり ”素” の時間が出来てしまう。 そんな時、彼女が出会えたのが、落語。 新しい世界に夢中になる自分ももいれば、恋にかまけて落語から離れていく人もいる、 仕事のできない後輩にうんざりもするし、 実家で自営業している両親から店を畳むって聞かされて、やるせない気持ちになったり。。 そんな日常の出来事に、人の心の動きの機微への洞察力・理解力・探求力、、 つまり、ラクゴマインド(落語脳)をフル活用して立ち向かってゆきます。 お話の筋としては、こんな感じ。 1.主人公が学ぶ、落語自体の物語としての素晴らしさの紹介 2.名噺家の解釈と表現によって、深まる落語 3.主人公の身の回りに起こる出来事 3については、落語ストーリーと同一内容が起こるかっていうと、そうではありません。 あくまで、一筋縄ではいかない問題に対して、落語がちょっとした取っ掛かりになる位です。 なので、作為的なあざとい所もないし、気持よく読み進められます。 そして、落語礼賛ばかりではなくて、、冷静かつ穿った分析を、主人公の恋人が担当してくれます。 その分、大好きサイドに肩入れして、読み進められるのかもしれません。 また、落語自体も自由な解釈で物語を愉しめる、懐の深い話芸です。 そういった意味でもバランスの良い物語でした。 本を読んだ後に、初めて寄席に行きました。 落語を知らない人間にそこまでさせてしまう本。。個人的に当たりでした。

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