作品情報
樋口毅宏の『民宿雪国』は、受賞記録に残る作品として作品単位で整理した。
『民宿雪国』について、NDL Search の書籍レコードで ISBN とページ数を確認した。採用した識別子は単行本・文庫など書籍形態のレコードに限定し、雑誌号や記事、音源などの識別子は使用していない。
書籍情報
- 出版社
- 祥伝社
- 発売日
- 2010-12-01
- ページ数
- 232ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784396633523
- ISBN-10
- 4396633521
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
梁石日氏絶賛!「なみなみならぬ筆力に感服した。人間の底知れぬ業を描き切る」 2012年8月、国民的画家・丹生雄武郎氏が亡くなった。享年97歳。 80年代のバブル時に突如衆目を集め、華やかな時代を背景に一躍美術界の新星として脚光を浴びる。しかし、各方面からの称賛の声をよそに、けして表舞台には出ようとせず、新潟県T町にて日本海を見下ろす寂れた「民宿雪国」を経営、亡くなるまで創作に没頭した。「芸術はなんというなれの果てまで私を連れてきたのだろう……」 大正4年生まれ、使用人との間に生まれ、病弱で不遇な少年時代を過ごし、第二次大戦ではニューギニアに応召、敗戦後はシベリアに抑留される。復員すると愛妻は疎開先で亡くなっており、彼は終生「遺された者の不幸」と「戦争で死ねなかった負い目」に苛まれたと推測される。 しかし一方で、丹生氏の過去にはいささか不明瞭な部分もあった。 かつて「民宿雪国」に宿泊、丹生氏によって人生を左右されたと明言するジャーナリスト・矢島博美氏がその死後に丹生氏の過去を掘り下げたところ、以外な事実が明るみに出たのだった。 彼はなぜその経歴を詐称したのか。 やがて彼の破天荒な生涯が、かくされた昭和史を炙り出したのだった――。 あらゆるジャンルを越境する文芸界の最終兵器・樋口毅宏が贈る、本年度最高のエンタテインメント・ピカレスク・ロマン!
1971年、東京都豊島区雑司ヶ谷生まれ。出版社勤務を経 て、2009年『さらば雑司ヶ谷』(新潮社)で小説家デビ ュー、その衝撃的な描写と作品世界が出版界の話題に。 2010年上梓された『日本のセックス』(双葉社)では「官 能から始まり、法廷サスペンスへ」と展開するまったく新 しい物語を作り上げた。本書は第三作目となる。
レビュー
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視点をどんどん換えて
樋口さんの作品のなかではちょっとトピックが薄い感じ。 面白いし、オススメするが、疾走感とかはない。
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奇抜なストーリではある
不思議なくらい内容をよく覚えていないのは俺があまり真面目に読んでいない所為なのだろうが、だからといってもう一回読みたい気もあまりしない。 まあまあ読みやすく最後まで一気読みしたのだが、奇抜な筋立てだから強く印象に残るとは限らないという例なのだろうか。
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少々期待はずれ
思ったよりも短くてがっかり、もう少し長くても良いと思いました。
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大満足です。
擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。
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なんだよこの作品!荒唐無稽なストーリーに見せかけて緻密に計算されており、よくまあ最後はストーリーに破綻なく終わっているのはお見事です。
初っ端から、読む者の想像を見事に裏切り、唖然とする展開に尻もちをつきそうになりながら、「吉良が来た後」「ハート・オブ・ダークネス」を続けさまに読むだけで、殺し、LGBTQ等々、この作者はタブーなくめちゃくちゃじゃないかと思わせる超ド級の作品です。 そして三、四に至って、このハチャメチャな物語の整合性、辻褄合わせが始まり、さすがに作者もちゃんとまとめようとしているのだと、作者を見直しかけたところで、また見事に「おいおい」と裏切られて、いったい最後はどうなるの?と思いながら一気に読み終えました。 それほど長い長編ではないのに、この作品の倍ほどの量のある作品を読んだときのようにどっと疲れました。 それだけパワーがある作品です。 「良い、悪い」という感想すら拒絶するような圧倒t歴なパワーがあります。 いったいこの作者は何を考えているのだと、作品よりもそっちが気になりますが、その点については、文庫巻末の作者と梁 石日さんの対談を読むことで、実はこの作者は思うがままに作品を書くタイプではなく、実は緻密に緻密に考えて計算し尽くした上に書いていることがよくわかります。 それにしても、この作者は只者ではありません。 知人にこの作品を薦められ、初めてこの作者の作品を読みましたが、「薦めてくれてありがとう」という感謝を捧げます。
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連日の事件やニュースも、こういうものなのかなと思いました。
物語は、ジャーナリストの矢島博美が、 日本を代表する画家である丹生雄武郎の死をキッカケに、 彼の生涯を克明に取材したという報告から始まります。 丹生雄武郎は、メディアに登場することが少なく、 逸話や都市伝説が多く存在する世界的な画家。 そんな伝説の画家は、生前から多くの謎と疑惑に包まれていました。 矢島博美は丹生雄武郎との対話・精力的な取材により、 あいまいなベールによって隠され続けてきた真実へたどり着きます。 おもしろかった、というよりも。 ひきつけられました。 特に、前半部分。 タイトルにもある“民宿雪国”で繰り広げられる騒動は、 まるで部屋のドアを開けたら崖だった、というような、 驚きの連続でした。 やや強引であまりにも続く苦境の展開にうさんくささを感じないのは、 物語の設定や背景に注意が払われているからなのかもしれません。 本当にひきつけられました。 後半は、フィクションである物語が史実と混ざり合い、 物語を複雑な展開へと推し進めていきます。 戦時戦後の歴史に明るい人は、そのあたりのアリ・ナシを、 自分なりに楽しめるのなとも思いました。 グロテスクな表現が生々しく描かれているので、 過激な描写に弱い方は、冒頭を立ち読みされることをオススメします。 抵抗を感じなければ、きっと続きが読みたくなると思います。 面白いというより、ひきつけられる本です。 秋の夜長にはうってつけと思いますが、 万人にはオススメしないのと、 友達にも勧めないかもしれません。 まずはこれ読んでみて!というよりも、 読書習慣のある人や、色々読んでいる人にはオススメです。 作品の満足度は4つ、友達に勧めにくいので−1。 ということで、私は★3つです。
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『映画化不可能』
年末に北陸へ向かう『しらさぎ』の車中で、 この本を手にとった。 北へ向かう特急列車ですら、 小説の極北へと向かう、 この物語のスピードに追いつかない。 『民宿雪国』の血塗られた凄惨な逸話が、 車窓に広がる白銀の雪景色の静寂(しじま)に溶けこむ。 絵画をモチーフにしながら、 小説家の筆捌きに脳内に絢爛たる名画が生まれゆく。 樋口 毅宏の書く物語が 過酷すぎる人生を反映し、 劇的なピカレスクであればあるほど、 より鮮やかに読者の「人生の平穏」を際立たせ、 そして「読書の悦楽」を煽る。 「人生は短い、一日は長い」――。 故に人は本を読むのだ。 ベストセラーは瞬く間に「映画化決定」と銘打つが、 しかし、あえてこの本に一言を添えるなら 「映画化不可能」――。 樋口作品の全てに、この称号こそ相応しいのかもしれない。 著者は無類のシネマディクトではあるが、 映画を発想、引用のベースにしながら、 映画を超えていく絶対小説世界を屹立している。
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何度驚かせれば気がすむの
ポール・ハギス監督の映画「クラッシュ」を見た時の感想に近い読後感。花村満月や隆慶一郎が初めて我々の目の前に現れたときのような衝撃。もちろん感動に打ち震えています。読み終えたあとタイトルの「雪」の文字が紅いタイポグラフィーであることに気付き、さらに想うことしばし。
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