日本の文学賞

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薔薇忌

柴田錬三郎賞

薔薇忌

皆川博子

『薔薇忌』は、皆川博子による受賞作。実業之日本社から1990.6に刊行された作品として確認できる。

受賞作文学

作品情報

皆川博子の受賞作『薔薇忌』。

『薔薇忌』は、皆川博子の作品として受賞歴とともに参照される一作。Amazon JP の書籍検索、NDL/Open Library の同名書籍から単行本または収録書籍として確認できた。

書籍情報

出版社
実業之日本社
発売日
1990-05-01
ページ数
240ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784408531281
ISBN-10
4408531286
価格
2363 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 花も実もある絵空事

    読み進めている内容が真実なのか、真実だと思いたいだけの空想なのか、それは結局は全て登場人物たちの頭のなかにある。 現実はどうであってもいいのではないか。 すべて読み終えた時、そう思いました。 そしてそれは小説の中だけとも限りません。 私の生きている現実もまた然りなのであります。

  • 皆川作品は薔薇のイメージそのもの

    1990年、第三回柴田錬三郎賞受賞作品 「薔薇忌」 小劇団の公演終了後、誰もいなくなった舞台にひとり残る女性とバイト学生との会話から甦る女性の学生時代の思い出 「禱鬼」 歌舞伎役者への取材に手こずっている女性記者と劇場の裏方の男との会話から浮かび上がってくる男の過去 「紅地獄」 歌舞伎の小道具職人の娘と、彼女の父のもとで働いていた女性との不穏なやりとり 「桔梗合戦」 実父が誰かを知らない娘が三人のパトロンがいた踊り手でもあった亡き母をめぐる壮絶な愛憎劇に踏み込んでいく 「化粧板」 ミュージカルの演奏を担当するピアニストに、千秋楽の最中封印していた子供時代の罪深い思い出が蘇ってくる 「化鳥」 かつての人気歌手を俳優として復活させようとしている男と、楽屋を訪れた見知らぬ老人の会話から見えてくる男の歌手に対する同性愛めいた献身 「翡翠忌」 老女優のとりとめもない語りに翻弄された果て最後につきつけられる衝撃的な真実 皆川さんが偏愛すると仰る「舞台」と「幻想小説」 舞台にかかわるものを小道具に非日常の物語を集めた短篇集は耽美的な妖しいイメージが散りばめられ、知らぬ間に現実から異界へと引き摺りこまれていくようです

  • 凄い。

    素晴らしい、としかいいようがない。何という幻想…果たして、ここまでの物語を描ける人材がどれほと今の日本にいるのか?

  • まだ読んでいない

    好きな作家のひとりで、読んで後悔しない作家のひとりなので、安心で、購入しました。読む本がなくなったら、読みます。お安い時、キンドルに入れておくと安心。

  • 表看板は歌舞伎、裏のテーマは能という巧緻な技巧が光る幻想的短篇集

    歌舞伎を中心とした"舞台"(及び舞台装置)を舞台として、"死者との対話"という「能」のエッセンスをテーマとして強く打ち出した幻想的短篇集。表題作の他、「褥鬼」、「紅地獄」、「桔梗合戦」、「化粧坂」、「化鳥」、「翡翠忌」の全7つの作品から構成される。 時制は現代で、主人公は浮世の情念に苦しむ、あるいは倦んでいるのだが、上述した"死者との対話"によって、それらの懊悩が倍化されて浮き上がる点が本作の見せ所。題材からして、日本的情念を扱っているのだが、「桔梗合戦」などはバリのバロンダンスをも想起させ、普遍的な人間の情念を扱う作者の手腕を味わえる。 個人的には、この「桔梗合戦」と、全体構成の巧みさで倒錯感を覚えた「化鳥」が特に印象に残った。表看板は歌舞伎、裏のテーマは能という如何にも作者らしい巧緻な技巧が光る短篇集だと思った。

  • 幻視への導き

    かつて『死の泉』や『妖櫻記』に魅了されはしたものの、著者の原酒のような幻想世界にどこまでも従(つ)いてゆくことはできなかった。 大メジャーな著者とはいえ、なかなか近寄り難い世界でもあるのだ。 しかし、本書巻頭の表題作は、絶品であることは無論、私のような根性のない者にも、幽明境をたしかに感じさせてくれる。 ひとつには、常に狂気を主題とする著者の作品群のなかでも、どこか不思議な明るさが漂うことがあると思う。 もうひとつには、演劇という、自己の外部に存在するものへのオマージュだからでもあろうか。 と、分析してみたが、いかがだろう。 柳川貴代氏の装丁も、いつもながら冴えざえとしている。 実業之日本社、なかなかやるな。

  • 舞台の裏側に潜む人の闇。

    きっと薦められなければ絶対に買わなかったと思われる本。 でもタイトルが素敵に淫靡で手にとって見て「これはいい。」と思いました。 ちょっと前に読んだこともあって記憶が曖昧なのですが、 舞台芸術に纏わる短編が7つ収集されています。 表題作も印象深いのですが、僕は特に「化粧坂」のお話が好きでした。 なんていうか、 小学校中学年から高学年までの少年って、少女とは違う謎めいた色気を持っていると思うのです。 こんなことを書くと幼児趣味とか言われそうだけど本当にそう思う。 彼らはきっと無自覚なんだろうけど。 でもそのほうがいいと思うんだ。 もしも奴らが自分たちの魅力に気がついて、それを利用しようとしたら。 きっと化粧坂のようなことになるんでしょうね。 なんていうか。 綺麗な言葉遣いをする方だなあと思いました。

  • 不穏な気配と、気怠い陶酔

    「めざめても、しばらくは、残り火が身内をめぐり、わたしは陶酔からぬけ出して日常に戻るのが懶い」……まさに、そんな濃密な睡りのなかにある夢のような、短編集。世界から目を背けたくなったとき、Kindleに落とした本書を、絵画を鑑賞するかのように読んでいます。

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