日本の文学賞

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覇権の標的(ターゲット)

城山三郎経済小説大賞

覇権の標的(ターゲット)

阿川大樹

シリコンバレーで起業した技術者が、新現象をめぐる特許と資本の争いに巻き込まれる経済小説。国際石油資本の圧力と投資中断の危機のなかで、起死回生の策を探る。

経済小説技術者特許国際資本

作品情報

技術、特許、資本の力学が、ひとつのベンチャーを追い詰める。

半導体技術者としての経験を持つ著者のデビュー作。ハードボイルドな筆致で、科学技術とビジネスの接点に生まれる危機を描く。

レビュー要約

  • 題材への踏み込みと構成の明快さが評価される一方、専門性の高さや作風の癖を読み手がどう受け止めるかで印象が分かれる。

書籍情報

出版社
ダイヤモンド社
発売日
2005-12-08
ページ数
410ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784478930748
ISBN-10
4478930740
価格
130 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

エンジニアの神田淳は、自らが発見した新現象をもってシリコンバレーで起業する。日本の投資会社がシードマネーを投じ、篠原翔子を送り込む。特許による覇権を狙う国際石油資本の圧力により投資は中断され、窮地に陥った神田たちは起死回生の作戦を立てる――技術者を主人公とし、経済小説に新しい世界を開く!

レビュー

  • リアルな技術小説

    「覇権の標的」というタイトル,ハードボイルドな表紙,経済小説の賞を受賞,ということからの予想を裏切る(?!)内容でした. 設計ミスから偶然発見された半導体の回路技術,しかも超低消費電力化の特許を巡って展開されます. この特許技術についてもそうですが,日本の半導体大企業の体質,シリコンバレーのベンチャ企業とそこで頑張っている人の生態,米国大企業の技術系トップの振る舞いが,きわめてリアルです.まるでノンフィクションのよう. 途中からサスペンス・アクション映画を見ているような息も切らせぬ展開となり,一気に読了. 最後の驚くべき結末.本当の半導体技術者が読むと,涙するか,怒るか,どちらかでしょう. 半導体技術者・組み込み技術者にも,ぜひ読んでほしいですね.

  • 完成度の高いエンターテイメント小説

    非常に良質な作品だったと思う。 主人公の人物像も行動の動機もとってもハッキリしていてキャラクターがしっかり立っていた。 ジョージ・ソロモンのキャラクターが若干安直であったこと以外は大満足であった。

  • 半導体技術をめぐるスリリングな覇権争いに引き込まれます

    自分にも関係のある半導体の話だったので、親近感を持って読めました。 話の展開にスピード感があって一気に読んでしまえる作品です。ハリケーンの来襲と闇組織の妨害を、冷静にギリギリのところでかわしながらホテル入りするシーンがあるのですが、非常にスリリングで良かったです。ところどころに、ネットのテクニックを駆使した攻防があるのも楽しめました。少し半導体のことを知ってる人なら、エンジニアの心境とか困難への立ち向かい方など共感を覚える面も多いのではないかと思います。 ただ、半導体の特許が石油利権やダイアモンド利権と同等に価値があり、その争いために「銃」が登場するというのは、現実感としては納得いなかったかな。また、FBIが調べ切れなかった事実を一般人が暴いてネットで暴露、というのは、フィクション過ぎると感じました。 エンターテイメントとしては十分楽しめました。

  • 画期的特許とは何かを問いかける

    画期的発明ピンホールトランジスタ特許を巡る壮絶な奪い合いをテーマにした作品。 大手電気会社に籍を置く電子技術者神田淳。開発を急ぐあまり、半導体試作時に膜厚さを薄くしたところ異常な現象が現れた。 この失敗作が後のピンホールトランジスタなる画期的な低消費電力素子になった。 しかし開発には莫大な予算が必要で、これに群がるファンドや米半導体特許会社や石油会社が現れる。 特許はライセンス生産を飛び越え争奪戦と成りはてた。 最後に取った策とは以外な解決法。 サスペンス風な作品でアメリカらしい展開で面白かった。 一般文学通算1453作品目の感想。2015/07/01 21:20

  • 面白かった!

    私は、この本、片道45分の通勤電車内だけで読むつもりだったのに、3日目にして「会長」が「倒れ」てから我慢できなくなり、その晩、最後まで読み切ってしまいました。日本技術者の現場がきちんと書かれているので、その後の世界を舞台にした展開に興奮できるのだと思います。主人公の技術者は、舞台の急展開で、よりスケールの大きな登場人物に遭遇して成長して行きます。そういうところが好きですね。アメリカの、良質な、テンポの良い映画を見ているようにも思いました。

  • すごく面白い!TRONを連想させた

    他の方も書いていますが、読み始めると止まらない面白さ。 シリコンバレーのベンチャーとベンチャーキャピタル、ハイテクと特許の関係、石油と原発…… 今日のビジネスの動きの背景が、テンポが速く魅力的なストーリーの中で、示されていく。 勉強にもなる。タイトルがよくない。 「将来、何になろうか」と考えている高校生に読んでもらいたい。 私の誤解かもしれないが、TRONの坂村健氏を連想した。

  • あなたのターゲットはどこ?

    21世紀最先端端を行く半導体メーカーであっても、製造ラインに、いかにスムーズに試作品を流すことが出来るか?40年前となんら変わらぬ日本的な仕事のやり方の中から一つの特異現象に気付く主人公。それを教えてくれたのは現場の女性スタッフ。まさに、”トンネル効果”が発見された時代感覚からのスタート。が、あっ!という間に、シリコンバレーの起業家へ。そして知財問題から、大きく世界を相手のビッグビジネスへの挑戦。軽快なフットワークと手に汗握るやりとり。ハリケーンあり、シンジケートあり。そして最後の結末やいかに??作者の心の優しさを感じさせる逸品!ビジネスマン全員にお薦めするごきげんな一冊です。

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