日本の文学賞

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中国共産党、その百年 (筑摩選書)

司馬遼太郎賞

中国共産党、その百年 (筑摩選書)

石川禎浩

中国共産党の成立から百年にわたる変遷を、党の組織原理と権力形成の過程からたどる通史。革命政党から統治政党へ変わる過程を、史料に基づいて多角的に整理している。

中国共産党中国近現代史党史権力構造革命

作品情報

中国共産党の百年史を、党の仕組みと権力の形成から読み解く。

筑摩選書として刊行された石川禎浩の通史。創立百周年を迎えた中国共産党の起源、組織化、政権獲得、統治の変容を、史料に基づく実証的な叙述でまとめている。電子版の購入導線も用意されている。

レビュー要約

  • 一般向けの通史として読みやすく、建国後の党と国家の動きが具体的に追える点が高く受け止められている。中国共産党の統治のあり方を理解する入口として有用だとまとめられている。

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2021-06-17
ページ数
376ページ
言語
日本語
サイズ
13.1 x 2.5 x 18.8 cm
ISBN-13
9784480017338
ISBN-10
448001733X
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/歴史・地理/世界史/アジア史/中国史

◎第25回司馬遼太郎賞受賞 ◎第33回アジア・太平洋賞 特別賞受賞 創立百周年を迎える中国共産党。いかにして超巨大政権党となったのか、この組織の中核的属性はどのように形作られたのか、多角的に浮き彫りにした最良の通史!

1963年生まれ。京都大学大学院文学研究科史学科修士課程修了後、京都大学人文科学研究所助手、神戸大学文学部助教授を経て、現在、京都大学人文科学研究所教授。京都大学博士(文学)。中国近現代史を専攻。著書に『中国共産党成立史』(岩波書店)、『革命とナショナリズム:1925-1945(シリーズ中国近現代史 3)』(岩波新書)、『赤い星は如何にして昇ったか』(臨川書店)、編著に『中国社会主義文化の研究』(京都大学人文科学研究所)、共訳書に『梁啓超文集』(岩波文庫)などがある。

レビュー

  • なるほど!今の中国が良く判る

    中国に住んだことのない方でも、現政権の考え方が良く判ると思います。 中国国民がどのような気持ちで生活しているかも。

  • 良かった

    興味があったので購入しました。

  • 前期の28年間に重点を置いた中国共産党史

    中国共産党100年史である。中国史研究者による百周年本としては、トップバッターかな。 本書は、中華人民共和国史本ではなく、中国近現代史本でもない。 中華人民共和国は成立後まだ72年であって、中国共産党はそれより28年長い。また戦後の中国政治史はほとんどが中国共産党史と重なるが、戦前戦中の中国政治史では中国共産党が主役だったわけではない。 一、本書の方針と構成 〇方針 ①中国共産党史をまんべんなく描く教科書とはしない。 ②今日の共産党にも引き継がれることになる党のさまざまな属性ー共産党に特有の性質を取り上げ、具体的なモノやコトに託して見てみる。 ③政権を取るまでの中国共産党史に重点を置く。 ④その理由は、今日の共産党の「属性」は、党の前半期にさかのぼることが非常に多いためである。 ⑤コラム「中国流行歌」 〇本書の構成は、第一章と第二章が、政権を取るまでの中国共産党史。約148頁。 第三章が毛沢東史とその同志史。約60頁。第四章と第五章が、政権を取ってからの中国共産党史。(第四章が林彪事件まで)。約122頁。 コラムは各章末に付いていて、計13個。 二、目次 第一章 革命の党の出発 1「中国共産党」の起源 2コミンテルンー中共DNAの来源 3党の結成ー国際共産主義の時代 4国共合作ー似たもの同士 5共産党の政治文化ー「新しい生き方」の衝撃 第二章 権力への道 1農村革命と中華ソヴィエト共和国 2長征ー党自立への転機 3統一戦線と西安事変ー党の内外 4抗日戦争と遊撃戦ー誰が誰と戦うのか 5毛沢東の党の確立ー整風運動の功罪 6政権党へー内戦の勝利と人民共和国建国 第三章 毛沢東とかれの同志たち 第四章 人民共和国の舵取り 1巨大政権党の今昔 2戦争の中の船出ー新生国家の原体験 3改造される人々ーイデオロギーと運動に満ちた社会 4姿をあらわした社会主義ー中国型計画経済と反右派闘争 5大飢餓と大動乱ー大躍進と文化大革命の発生 第五章 革命を遠く離れて 三、私的感想 〇文化大革命史本はいろいろ読んだが、戦前中国共産党史の本、特に長征より前の中国共産党についての本はあまり読んだことはない。たいへん興味深く、勉強になった。 〇党の前半期に出現し、今日の共産党にも引き継がれることになる党のさまざまな属性ー共産党に特有の性質がやはり一番面白い。 いくつかあげると ☆今日まで繋がる中国共産党の「鉄の規律」「絶対服従(中央集権)」という組織原理(DNA)はコミンテルンに由来する。 ☆共産党と国民党は似たもの同士である。その一つは会議重視、文書重視だが、共産党の会議重視は著しく、会議は上部へ下部へ文書によって伝えられ、膨大な文書が作成蓄積される。重要な路線転換はすべて会議でなされている。 ☆初期の共産党には10%の女性党員がいて、男女平等が期待されていたが、女性の役割は協力者、パートナー、婦女部長に留められ、女性解放は革命が成就するまでの永遠のおあづけとなった。また初期の共産党には文化人や芸術家が多かったが、彼らに求められたのは政治に奉仕する芸術であった。 ☆共産党の軍が国民党の大軍に勝った最大原因の一つが、組織力、上意下達のツリー構造だった。共産党の組織力は、戦中の整風運動によって、更に強くなった。また、中国社会における「組織」の効用と恐ろしさを知っている共産党は法輪功のような堅固な組織あるものは徹底的に弾圧する。 ☆1931年に作られ、3年で潰れた中華ソヴィエト共和国のシステムのいくつかは現在の中国に引き継がれている。その一つは党代表が、軍司令官と共に軍を指導することである。 ☆共産党、毛沢東について、当てにならない「機密資料本」「真相本」が世を騒がす一つの原因は、共産党が情報を公開しないことにある。 〇こうやって並べると、中国共産党に対する批判ばかり並んでいる本のようだが、そうではない。今や中国史上最大の王朝となり、最盛期を迎えた中華人民共和国を支配する中国共産党の青年時代を探究することによって、その興隆と発展の理由を探る本でもある。 〇冒頭に、劉少奇も、毛沢東も、周恩来も、鄧小平も、睡眠薬を手放せなかった話が出てくる。彼らは勤勉であり、夜の会議が重なって不眠であり、少数の幹部が国を支配する体制を作り上げてしまったため、指導者として、逃れられないプレッシャーにさらされていた。 〇第三章は毛沢東の話。中国共産党のDNAはコミンテルンと毛沢東であり、共産党の政治・政党文化のかなりの部分が毛時代のものを継承している。 〇第四章は人民共和国建国時の理念(初心)がどのようなものであったか、その後どう変わっていったかを検討する。 〇第五章はやはり天安門事件がハイライト。「社会主義の中華人民共和国」を守らねばならない理由は、その体制実現のために多くの血が流されたから、という共産党の論理を厳しく批判する。 〇コラムに出てくる流行歌、国歌には、一般日本人には知られていないものも多いが、歌の話なので楽しく読める。

  • 現在の中国を理解するための必読書!

    著者は日本における中国共産党史の第一人者(数少ないという点でも貴重な研究者)である。中国共産党百周年に合わせてこうした一般書が出版されたことは非常に喜ばしい。 著者は現在の共産党にも受け継がれる「DNA」をその建党初期に求める。党に対する絶対服従とそれを守る鉄の規律、会議と文書による党運営、そして「個人トウ案」に代表される徹底した情報管理である。後述するようにその存在意義は大きく変化してはいるが、そもそも中国共産党は「マルクス=レーニン主義」に基づいて組織されている政党である。学生運動盛んなりし昭和の時代はすでに遠く、社会主義の本家ソ連も解体して30年、評者を含めた現代人はこのことををうっかり忘れがちであるが、中国の政治を論じる上では改めて認識をしておかなければならない。 さて、こうした組織の頂点にかつてなら党主席、現在なら党総書記という個人が乗っかっているのが毛沢東以後引き継がれてきた中国の政治体制(アメリカがいうところの専制国家)である。さらに、著者はかつての国民党とも比較しているが、この共産党による支配は都市から農村、職場から学校などありとあらゆる場所まで行きわたっている。評者はかつて政治学の本を読んだときに、現在ではイデオロギーの右左にかかわらず非民主的な政治体制を「権威主義」で一括りするのに驚いたが、支配政党の社会への浸透度という点では、中国と例えばミャンマーの軍事独裁はやはり区別するべきだろう。 著者によれば、現在の中国共産党は社会主義の前衛政党としてではなく(そもそも党員自体が社会主義の実現を信じていないという調査が示される)、中国を解放前の「半植民地」状態から近代国家にまで引き上げた「ナショナリズム」の担い手としてその支配を正当化している。ここからは評者の考えであるが、近代国家の担い手であるというのは単なるプロパガンダとも思えない。評者を含めこの本の読者は香港の民主家弾圧に憤り、ウイグル民族への圧迫に心を痛めているであろうが、では単純に現在の中国共産党による支配が無くなれば良いのであろうか?これも歴史を顧みる必要があろう。すなわち1990年代に社会主義体制が相次いで崩壊したソ連や東欧諸国では経済・社会が崩壊・混乱し、ユーゴスラビアやチェチェンのような長期にわたる民族紛争も起こった。かつて台湾や韓国では経済発展とともに成長した中産階級によって民主化が成し遂げられたが、沿岸部と内陸部・都市と農村・そして多様な民族と、大国中国がかかえる複雑さは台湾・韓国の比ではない。共産党支配が崩壊すれば中国そのものが崩壊するであろうーといったある種の強迫観念のようなものが、かつては天安門事件を引き起こした鄧小平、現在ならば独裁化を強める一方の習近平のに取り憑いている気がしてならない。 本書の内容に戻ると、中国ではグーグルやフェイスブックのような世界的なインターネットサービスは利用できず、百度(バイドゥ)や微信(ウィチャット)といった代替サービスの使用を強いられている。これによって中国が極度のネット監視社会であるとよく言われるが、著者によればインターネットツールによって信用を供与されたり、犯罪も取り締まれる利点から意外にも中国人に広く受け入れられているのだという。 欧米型の民主主義を寄せ付けないと公言して憚らない習近平の「中国モデル」は今後どうなるのであろうか?一党独裁の終焉とまではいかなくとも1980年代の胡耀邦や趙紫陽、あるいは2000年代の胡錦濤時代のような体制内変革ぐらいはできないものであろうかー本書は現代・将来の中国を考えるうえで不可欠な良書である。

  • 現代中国と共産党の包括的理解への基本書

    毎日新聞のアジア関係図書の賞をとったと知り、購入。60年代生まれの著者が、右と左の不毛な対立以前に知るべき「現代中国を生んだ共産党」の歴史をコンパクトに過不足なくまとめている。日本と違う異質な国という当たり前のこと以外にも、数々の偶然や出来事によって、今の中国が形作られたことがよくわかる。共産党トップ=皇帝の周りで衝突したり、忖度しまくる側近たちの浮沈の悲喜こもごもも、いずこも同じ様を示して興味深い。 読後感としては、毛沢東は清朝滅亡後の混乱期を抜け出した中国共産党王朝の独裁的創立者、鄧小平は名君っぽく見える文人皇帝、習近平は3代目で王朝を固める英雄か身上をつぶす愚帝か。史記や三国志と並べて考えれば感情的にならずに理解できる。三国志が世界に拡大するのか、自らの重さに耐えかねて国内で分裂する歴史を繰り返すのか。著者はそこまで書いていないが、中華思想に屈辱を与えた西側諸国とのあつれきが避けられぬ原因や、過剰な被害妄想的な反応の背景も理解できた。 我々が若い頃はロシア革命興亡史が必読書だったが、今の若い人には「共産党王朝史」が必読書なのだろう。世の中で語られる「恐ろしい中国」像とは異なるドラマとしても、十分楽しめるのではないか。 同時期に出た、中公新書「米中対立」と一緒に読めば、日々のニュースに右往左往せず、冷静に世界情勢を見つめる助けとなるだろう。

  • ほとんど我が国では知られていない中国共産党の歴史を丹念に書かれた書として評価

    珍しい書籍だと思いました。中国共産党成立直後のコミンテルン承認を得た1920年から書かれています。中国近代史ではなく、まさしく共産党の歴史でした。歴史の専門家ですので、記述は論理的で実証的ですの。読み進めるのは時間がかかりましたが、知られていない共産党の史実を読んでいく好奇心はそれを上回りました。 50pのコミンテルン第4回大会の写真中央には片山潜の姿が写し出されています。貴重な写真でした。その意味でも、最近読んだ本の中では一番興味深く読みました。そしてがっかりもしました。 日中戦争時の記述や、3年半続いた国共合作、特に長征(112p)への言及は当方もほとんど知っていなかったことが多く参考になりました。地図で長征の動きやルートが理解できました。エドガー・スノーが写した1936年当時の毛沢東の姿(169p)も貴重でしょう。 国民党に勝利した記述や毛沢東時代の紅衛兵や下放への記述はまだしも、天安門事件前後の言及は少なく、まして現在の指導者習近平への言及はほとんど見られません。中国近現代史の研究者としての立ち位置の限界なのでしょうか。共産党への忖度が見え隠れしていました。正当な批判でも今後の研究に支障が出るのでしょうか。 日本の一読者として、本書を現在の中国で出版できるのなら、まだ中国共産党にも見込みがありますが、事実を列挙しているにも拘らず、中国政府批判ととらえられるケースも多々ありそうです。わが国での言論の自由の大切さをあらためて感じた本でもありました。 これまでの過去の共産党の行いについて、しっかりと記述している点は評価できます。 文革での下放(都市部の青年を強制的に農村部などに移住)の話(276p)は胸が痛みます。文革そのものについての中国の立ち位置が見えてきました。毛沢東の礼賛をしている今日の中国ですので、いつの日にか文革(ポスターは191pにあり)が復活するのではという危惧があります。 当然、現在の中国では、天安門事件の批判はおろか、事実も全く葬られています。 現政権では無理でしょうが、せめてこの本を発禁扱いしないで出版するくらいの度量があればいいのですが。 本書では、326pにほんの少ししか触れられていませんが、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)やチベット自治区のように、民族問題を抱えているところは、近年訪れることできません。それだけ多様性を抱えながら突き進んでいる国だということをしっかりと認識しておく必要があるでしょう。当然のことながら、中国政府の少数民族への弾圧はしっかりと見ておかないといけません。 学問の個別分散化が叫ばれて久しいわけですが、このような大きな流れで中国共産党の歴史をとらえるという試みは大事にしたいと思っています。相対的に立派な著作だと思っています。

  • 共産党礼賛本としか思えない

    これまで、中国共産党の指導者たちによって、どれだけの人々が命を奪われたことか。そのことをしっかりと書かずに、本書は、中国共産党礼賛本にしか見えない。

  • ちょっと前半が、長いかな

    現在の中国共産党の言動、行為のベースになっていることが、よく理解できます。この先、どうなって行くか、かなり不安ですが。

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