作品情報
山中の城めいた共同体で、論理の糸が事件の核心へ伸びていく。
有栖川有栖の代表的長編の一つ。新興宗教団体の施設を訪れた学生たちが事件に巻き込まれ、現場の構造と証言の細部から真相へ迫る。
レビュー要約
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緻密な謎解きとシリーズの到達点としての重みが高く評価されている。長さを感じる読者もいるが、論理の積み上げを楽しむ声が多い。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2007-09-01
- ページ数
- 507ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488012274
- ISBN-10
- 4488012272
- 価格
- 600 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
舞台は、急成長の途上にある宗教団体“人類協会”の聖地、神倉。大学に顔を見せない部長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内には神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、そして就職活動中の望月、織田も同調、四人はレンタカーを駆って木曾路をひた走る。“城”と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し…。江神シリーズ待望の書き下ろし第四長編。
レビュー
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さすがの続編
故あって発売からしばらく未読でしたが、やっと読むことができました。 警察力の介入を拒むクローズドサークルを成立させた理由や、学生アリスシリーズに共通した『パズルのピースが組み合わさる爽快さ』には楽しませてもらいました。 アリスとは偶然同い年なのですが、無茶や馬鹿ばかりやっていた学生時代が懐かしく思い出され、青春小説としても一級品でした。 ただ、銃器に関する初歩的なミスが散見されましたので、その辺りは文庫化の際にでも直していただきたいですね。
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待ったね〜
「月光ゲーム」、「孤島パズル」、そして「双頭の悪魔」に続く江上シリーズ長編である。なんと前作から15年ぶりとのこと。 UFOを信じる新興宗教団体の本部が舞台ということで、読み始める前はちょっと嫌な感じもしていた。宗教団体が反社会的な陰謀を企てていて、なんていう、ありがちなストーリじゃないだろうなっていう。 しかし、それは杞憂だった。 11年前に同じ村で発生した拳銃自殺事件と‘現在’の新興宗教の本部で連続殺人、事件を警察に連絡せず、あまつさえ江上たちを軟禁する教団の意図は…? クライマックスでは本格推理小説の顰にならった読者への挑戦の後、数々の謎が名探偵江上二郎の推理によって合理的に解明されていく。著者らしい精緻なロジックの組み立てにより生み出される「カオス」が「秩序」へと収束していくカタルシス…。そういうものを十分に感じることが出来た。 全ての謎が明らかになると、宗教団体の本部が舞台ということさえも作者の周到な計算であったことが納得できる。 後書きによると、江上シリーズは後1本長編を発表する予定との事。楽しみだが、また15年待つのは勘弁して欲しい、いや、ホントに。
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宗教物+宇宙物=中身皆無
同シリーズ過去3作品と同作者?!って思ってしまうほどの出来で、ただひたすら無駄に長いだけの文字の羅列。シリーズものの限界か、「双頭の悪魔」からこの長編4作目のリリースが空き過ぎたのが原因か如何かは分からないが、プロットもトリックも時代遅れな感じが否めない。個人的にはシリーズ唯一の駄作。
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トリックに感動なし
なーるほど!そうだったのか!やられた〜!という場面なし。 散々引っ張った女王様に会えない理由って・・・え?そんな理由?と思ったし。 11年前の迷宮入り?した事件の真相も、そりゃ無茶だろっていう内容。 有栖川さんの本はこれが初めてだったけど、ちょっと期待はずれに終わりました。 量が多かったから読むのに時間がかかったが、報われなかった。残念。
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待った時間の分だけ、楽しめる作品!
何年ぶりでしょうか。 有栖川有栖のEMCシリーズ。 第4弾。 待望の、というか、 もう続きは出ないものかと思ってました しかしながら、 待たされた時間の分だけ、 その価値があったように思います。 たくさんの“謎”をちりばめ、 最後の、最後まで、 その謎を徹底的に回答してくれました。 読みながら、 「あれはどうなった?」 って気になることが、 きちんと解消されていく。 動機に弱さを感じましたので、 星を一つ減らした感じ。 それと、 今回はドラマよりも、 “謎”に心血が注がれた感じ。 まさに本格ミステリーの王道。 連続殺人、 密室殺人、 陸の孤島、 などなど、ミステリーには欠かせない、 あらゆる要素を含んだ作品でした。 謎の失踪をした部長を追いかけて、 信州の山深い新興宗教が支配する村を訪れるEMC。 半ば閉鎖された村で、 思いがけない事態に遭遇。 独立した作品としても楽しめるし、 前3作を読んでいれば、 かなり楽しめます。
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学生アリスシリーズの4作目です。
本書は学生アリスシリーズの4作目です。 あらすじはamazonの商品説明を見て頂くとして。 序盤で語られる過去の密室殺人に、今発生している連続殺人、ネタバレ回避のため詳しくは書きませんが、どこか煮え切らない人たち… 終盤までモヤモヤしながら読み進める形となりますが、そこは有栖川有栖。 解決編で味わうカタルシスは格別です。 学生アリスシリーズの中でも随一のクオリティだと思います。
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これだけの大長編を飽きずに読ませるには、筆致、トリックとも、物足りない
世の中には、おびただしい数の長編ミステリが溢れており、読む時間が限られている身としては、凡作に時間を費やす気にはなれないので、「本格ミステリ大賞受賞」、「本格ミステリ・ベスト10第1位」という、この作品に対する専門家筋の極めて高い評価には、どうしても、気を引かれてしまう。 しかし、自宅に届いた上下2段組みで503ページにも及ぶ分厚い本を目にして、嫌な予感に襲われてしまった。というのも、私は、有栖川有栖の作品を読むのは初めてなのだが、私のこれまでの経験からすると、これだけのボリュームの長編ミステリは、作者によほどの筆力がないと、作品がどうしても途中でだれてしまい、読む方の集中力が削がれ、ラストまで読み進めるのに苦痛を感じてしまうからなのだ。 結論からいうと、残念ながら、その予感は当たってしまった。まず、最初の事件が起きるまでに何と166ページも掛けたり、本筋から外れた城からの脱出劇に50ページ以上掛けたりといった間延びした展開がいただけない。後から読み返してみると、そうした展開の中にも、幾つかの伏線が張ってあったことはわかるのだが、それにしても、全編を通した、緊迫感のない、だらだらとした凡庸な筆致は、何とかならないものだろうか。作中で、しばしば作者が披露している無用なうんちくの数々も、冗長さに、一層、輪を掛けている。 また、この作品を読んでいると、どうも、「最初にトリックありき」で、「人類協会」という特異な団体とその城や、11年前のある事件など、全てがこのトリックを成立せしめるために、作者が無理矢理あつらえた設定という不自然さ、わざとらしさを感じてならないのだ。肝心のトリック自体についても、これだけの高評価の本格派ミステリなら、読者としては、当然、アッと驚くレベルのものを期待してしまうのだが、11年前の事件の真相を含め、拍子抜けするようなレベルのものに終わってしまっている。
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閉鎖された空間
学生アリス・シリーズの長編第4作。 前作『双頭の悪魔』から15年7ヶ月ぶり。本当に久しぶりで、気合いも入っているらしく二段組で500頁超という厚さ。しかし、ストーリーはよく練り込まれ、緊迫感もあり、一晩で読み切ってしまった。ただ、寝ながら読んだので、かなり手が疲れた。 今回は新興宗教・洞窟・宇宙人もの。二階堂黎人の某作品を思い出してしまったが、やはり、現代の本格ミステリにとって新興宗教は便利なテーマなのだろう。 アリスをはじめとするお馴染みのメンバーがそれぞれに活躍の場を与えられており、昔からのファンには嬉しい一冊だと思う。 ミステリとしては平均的な出来。いくつか光るトリックが盛り込まれているが・・。厚さのわりに不満が残るのは否めない。 前三作と同様、アリスたちは閉鎖的な空間に閉じ込められる。これまでは火山、孤島、橋の流失が原因であったが、今回はひねりがきいている。この謎については思いもよらなかった。 ファンであれば必読。そうでない人はシリーズ第一作から取りかかるべき。
関連する文学賞
- 本格ミステリ大賞 第8回(2008年) ・受賞