作品情報
墜落から生還した青年の夢が、シェパトンの町を熱帯の楽園と終末の舞台へ変えていく。
空港から盗んだセスナで郊外の町シェパトンに墜落したブレイクは、住民に救助されたあとも町から出られなくなる。やがて周囲には奇妙な出来事が相次ぎ、町は鳥の群れと熱帯植物に覆われた異界へ変貌していく。現実の郊外風景を、飛翔、肉体、神話的な再生のイメージで押し流していく、J・G・バラードの異様な力を持つ長編である。
レビュー要約
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読者の反応は、濃密な幻視と強い性的イメージを圧倒的な想像力として評価する声と、その過剰さに読みづらさを感じる声に分かれる。聖書的な死と再生の構図や、夢と現実が混ざり合う終盤のイメージを強く印象に残す読者が多い。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 1993-07-01
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488629106
- ISBN-10
- 4488629105
- 価格
- 3000 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
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レビュー
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鉱物が見る夢
サンリオSF文庫から1981年に出された作品を、同じ翻訳者が部分的に直して、創元社から1991年に出版された版。サンリオ版と最初や最後など、ちょっと比べてみた限りでは、現代的な用語に書き換えるなど、ごく部分的な変更にとどまるようだ。 で、現在ではたぶん手に入りにくいサンリオ版のことを書かせていただくと、カバー絵はまさに内容そのもの。巻末には翻訳者によるバラードへの架空インタビューが載っていて、主人公の名前がウィリアム・ブレイクを連想させることとか、随所にキリスト教のアレゴリーが見られることが書かれている。その最後に「以前、松岡正剛氏との対談の席上で、鉱物が見る夢といった観点から描かれた作品を書くことを約束しておられましたが、この作品でみごとに約束を果されましたね。」と書かれていたのが興味深かった。厳密には鉱物とは言えないようにも思うし、本当に夢なのかどうかも明確ではなさそうだが。
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ロックンロール2部作
ハローアメリカ では USAアイテムが次々と放出され 王への道を進む この作品は 同様の清々しいテンポで 涅槃に至る この2作は何度読んでもおもしろい
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作者の姿をした、
ツァラトゥストラが文明を犯すと、後の「病理社会の心理学」すら示唆した文学人生のメドレー(濃縮小説)となる。
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ネオ救世主伝説
奪った飛行機で飛び立った男はある閉ざされた閑静な街にで墜落するが、奇跡的に一命を取り留める。彼はやがて夢に導かれるがままに奇跡を起こすようになり、住民を宗教的恍惚に導き、彼らの姿を鳥や魚に変え、街をジャングルに変えてゆく。そこに熱帯の楽園が出現する。 この物語そのものを新約聖書のメタファーと読むか、あるいは少なくとも、ある種の救世主伝説を祖型に持った物語と読むことは可能だろう。だがそんな軽々な解釈が鼻で笑われそうなほど、バラードの文章は恐るべきイメージの奔流に満たされている。 主人公が街の至る所に精液を撒き散らすことで街中が次々に熱帯植物で埋め尽くされていくというイメージは、聖書というよりもインカの創造神話(ビラコチャ神)を連想させる(作者もそんな主人公の姿を「異教の神」と表現する。)。ガソリンスタンドで燃料ポンプや並んだ車に向けて主人公が射精すると、車もスタンドも猛スピードで伸びる蔓草や多肉質の植物に覆われていく…という描写は圧巻。
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爽快感MAX
歩みを止めない主人公は全ての壁を越えて高く飛んでいきます。学校やテレビに退屈している小中学生にオススメ
関連する文学賞
- 英国SF協会賞 第11回(1979年) ・受賞