逆転世界 (創元SF文庫)
『Inverted World』は、クリストファー・プリーストによるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。
作品情報
で評価された、クリストファー・プリーストの『Inverted World』。
『Inverted World』は、クリストファー・プリーストの活動のなかでに結びついた作品です。国立国会図書館サーチでは「逆転世界」として確認でき、東京創元社から1996.5に刊行されたものです。受賞歴は、作品の主題や表現が同時代の選考で一定の評価を得たことを示しています。
レビュー要約
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受賞歴からは、作品の題材への向き合い方と表現の確かさが評価されたことがうかがえる。読者には、作者の関心が凝縮された一作として受け止められる。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 1996-05-18
- ページ数
- 426ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.9 x 10.5 x 1.8 cm
- ISBN-13
- 9784488655037
- ISBN-10
- 4488655033
- 価格
- 1650 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/評論・文学研究/外国文学研究/英米文学
【英国SF協会賞受賞】 〈地球市〉と呼ばれるその世界は、全長1500フィート、 七層から成る要塞のごとき都市だった。しかも年に36.5マイルずつレール上を進む、可動式都市である。そんな閉鎖空間に生まれ育った主人公ヘルワードは、成人を迎えた日に初めて都市の外へ出ることを許された。だがそこで彼が見たのは……月も太陽もいびつに歪んだ異常な光景だった! 英国SF協会賞に輝く、鬼才の最高傑作。訳者あとがき=安田均
クリストファー・プリースト 1943年、イギリスのチェシャー州生まれ。語り/騙りの技法を駆使した文芸性豊かなSF、幻想小説を執筆し、好評を博す。66年、SF雑誌〈インパルス〉に短篇「逃走」を発表しデビュー。74年、『逆転世界』で英国SF協会賞、96年、『奇術師』で世界幻想文学大賞、2003年『双生児』で英国SF協会賞およびアーサー・C・クラーク賞、11年に発表した『夢幻諸島から』では英国SF協会賞、ジョン・W・キャンベル記念賞をそれぞれ受賞する。『奇術師』はクリストファー・ノーラン監督によって、『プレステージ』として映画化された。24年没。
レビュー
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とても名作だと思います。
とても名作だと思います。こんなに奇想天外なSF小説高校のころから読んでいますが初めてです。 ストーリィですが読んでのお楽しみです。初めは退屈でしたがこんなに突然引き込まれたのは初めてです。 そして僕はあやみ堂様から良い古本として購入したのですが誰も読んでいないのでは?驚きの驚きです。 あと古書の提案として大切に読んだあとですがアマゾン様の配達でまとめてほかの本と合わせて回収ルートができればと思います。できればポイント回収で少しはバックがあればとふと思いました。独り言です。
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終盤の紙幅配分が足りないような気がします
惑星地球からの移住者によって作られたとおぼしき都市世界<地球市>が舞台。この都市は軌道上を北へと移動し続ける要塞のような構造を持っています。 施設で育った主人公ヘルワードは成人の日を迎え、はれて都市の外へ出ることを許されます。しかしそこには彼が聞かされていた世界は広がっていません。太陽も月も完全な球形ではなく、歪みを帯びています。 都市で生まれ育った男女間には女児が生まれることがなく、その事態を補うために都市は定期的に外から「原住民」の女性を「転送」してきて、女児を産ませてきました。出産を終えた原住民女性たちを都市の南へと帰還させる任務を与えられたヘルワードをさらに想像を絶する世界が待ち受けています。果たしてこの<地球市>はいかなる事情のもとに宇宙のどこに作られた世界なのか…。 判じ物としての面白さが急速に増すのは物語も300頁を越え、第四部が始まる辺りからです。そこに至るまでに興味の糸が切れかかったことが幾度かありました。息もつかせぬ急展開の連続という物語ではありませんし、またよく言えば斬新な、言葉を換えれば突飛な舞台設定なので、読者の好みの分かれるところではないでしょうか。 謎の解明からエンディングまでは意外と短く、もう少しヘルワードのその後を描いてほしかったなという気持ちが残りました。 翻訳には不満がいくつかありました。ヘルワードが南への旅に連れて歩く原住民女性3人の名をルチア、カテリーナ、ロザリオと表記していますが、彼女たちの母語はスペイン語という設定ですから、名前はルシア、カテリーナ、ロサリオとすべきでしょう。 尋ねてきたヴィクトリアにヘルワードが「何が欲しいんだ」と訊ねる場面がありますが(89頁)、原文がWhat do you want?ならば「何の用だい?」と訳すところでしょう。 こんな具合にいくつか妙な和訳が散見されました。
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電子書籍化してください。お願いします。
かつて入院している時に読みました。すごく面白くて今でもちゃんと紙製書籍は手元にあります。で、お願いです、電子書籍版も出してください。
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SFではなく、単なる冒険譚
本書の文章自体は訳もこなれており、なんとか読み通せたが、内容は酷すぎ。 この本をSFとして読むとなると、期待はずれなること請け合いです。 主人公の住む世界の異様さや、都市構造の奇想天外さは面白い。 しかし、その背後にあるべき物理法則も全く説明されておらず、SF小説としては失格。 時間や空間の異常さも、思わせぶりに記述しているが、最後まで説明もない。 「異世界の構造」も不明のまま。 南へ北へ旅立つ主人公。その都度新しい知見を持つが、それらを総合する 物理的な説明がないのは致命的。「アインシュタイン」だの適当に高名な 物理学者の名前を出しながら、これで一つの「異世界」を構築したつもりで いるならお笑いぐさ。 しかも、「世界が二分された法則に従っている」らしいが、その原因も 最後まで説明していない。 物理法則と人間、物理法則と意識。この3つが融合してるらしいが… 最後のページで、「うっっそー」と投げ出しました。 おそらくは著者がもうこれ以上書けなくなったのでは? 短編ならこれでよかったのに、水増しして長編にしたのでしょう。 この小説が「英国SF協会賞」を受賞するとは、仰天です。 図書館で借りて読んで下さい。購入は全くお薦めしません。
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オールタイムベスト
作者のベストどころか、オールタイムベストSF級の出来でしょう。絶版になっていなくて良かったです。 近年、円安とインフレが進行し、日本から見ると世界の物価が上昇していますが、世界から見ると日本は安いです。物の価値の見え方は通貨によって異なるからです。本書と酷似しているので唖然としました。そしてもしかしたら、プリーストは「イギリスから見た世界」を本書に投影したのかもしれない、と思いました。つまり、イギリスも通貨安、覇権の衰退等で、国内と国外で世界の見え方が違うと感じていたのかもしれません。 ※ちなみに本書の価格も「双曲線」的に上昇していますw
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この世界を疑似体験するだけでも読む価値あり
この小説の舞台となる<地球市>と呼ばれる閉鎖された要塞都市は、レール上を進み続ける可動式都市。 主人公ヘルワードはギルド員となって初めて<地球市>の外の世界を見ることになり、その異常な世界の実態と、<地球市>がなぜ移動しなければならないのかを徐々に知ることになる。 その異常な世界を生み出した著者のアイデアにはとにかく脱帽であり、またその不思議な世界を疑似体験するだけでも本書を読む価値は十分にあると思う。 本書を最後まで読めば全ての謎が明らかになるが、その真相に納得するかどうかは読んで判断して下さい。 読了後、自分のいる世界も本当に自分が認識している通りの世界なんだろうかと、ちょっと感じたりした。
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比類なきアイデアではあるが
作者の最高傑作かというと疑問です。 私はプリーストの作品はこれから入りました(タイトルとアートワークだけで)。 なんだこのアイデア!と熱読しましたが最後のネタばらしでハァ?となったクチです。 その時点での評価なら2点3点でしょう。 しかしその後、魔法、奇術師、双生児と読み進め、またこれに帰ってくるとしっくり来るし評価も上がる、そんな作品です。 SFにしっかりした科学考証を求める方、プリースト未読の方が最初の一冊にこれを選ぶことはオススメできないかな。
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マニアな唯一無比の作品
おもしろい。閉じられた世界で、太陽は丸いと教えられ、それが現実(の知覚)と異なることを経験し、それを自己で昇華していく。その過程で、自分の、地球市の価値観を体現し、その実践者となる。ところがである。最後に、それがまっさかさまに崩れ散ってしまう。 文中にSFらしい記述が散りばめられているけれど、それを楽しむのもよし。 だけど、現実の我々の世界でも、このような価値観の逆転はいっぱいあるのではないだろうか。SF的にはラストがちょっとしょぼいけど、人生観の逆転を認識する瞬間の文章に感動しました。 唯一無比の作品だと思います。
関連する文学賞
- 英国SF協会賞 第6回(1974年) ・受賞