日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
大人は判ってくれない: 野火ノビタ批評集成

センス・オブ・ジェンダー賞

大人は判ってくれない: 野火ノビタ批評集成

野火ノビタ

漫画家であり批評家でもある野火ノビタが、オタク文化、エヴァンゲリオン、冨樫義博、やおい論などを内部から論じた批評集。サブカルチャーを当事者の身体感覚から読み解く。

オタク文化漫画批評エヴァンゲリオンやおい論サブカルチャー

作品情報

オタク文化の内側から、欲望と表現のしくみを批評する。

日本評論社から刊行された批評集。アニメ、漫画、やおい、オタク論を横断し、表現を消費する側と作る側の境界を揺さぶる文章を集めている。

レビュー要約

  • 作品論と当事者性が結びついた批評として読める。対象への距離が近いからこそ、同時代の熱気と違和感を併せて伝える一冊である。

書籍情報

出版社
日本評論社
発売日
2003-10-01
ページ数
321ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784535583672
ISBN-10
4535583676
価格
1804 JPY
カテゴリ
本/社会・政治/社会学/社会学概論

Amazonで野火 ノビタの大人は判ってくれない: 野火ノビタ批評集成。アマゾンならポイント還元本が多数。野火 ノビタ作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また大人は判ってくれない: 野火ノビタ批評集成もアマゾン配送商品なら通常配送無料。

レビュー

  • やおい論をやるなら読むべき

    批評というにはたしかに稚拙なところはあるけど、感想としては十二分に面白い。著者の2023年時点のハンター論が読みたい。やおい論は、学者の論文のような専門用語と文献の裏打ちはないけど、本質はきちんと突いている。創作者でこのくらい文章が書けると読み応えがある。

  • オタク視点のリアルな本だと思いました

    まず「新世紀エヴァンゲリオン」での精神分析があり、冨樫義博著作の「HUNTER×HUNTER」、「幽☆遊☆白書」について書かれているのですが、「エヴァンゲリオン」、「幽☆遊☆白書」についてはあまり詳しくないので割愛させて頂きます。 「HUNTER×HUNTER」について、私が1番印象に残ったのはゴンとヒソカについての『生』についての問題でした。 コミックス(集英社)3、4巻にあたる「ハンター試験」での「第4次試験」。ゴンはヒソカのプレートを奪い、自分のプレートを他の受験者に奪われ、最終的にヒソカに「生かされる」ことになったゴン。ここでのゴンの『生』について書かれています。 ヒソカに「生かされる」という事は、ゴンは生きていてもいつも死が付き纏う事。ヒソカの行動次第でいつでも死ぬという事。 更にゴンがヒソカから『生』を自分の手に取り戻す時などについて書かれています。 他にも「レベルE」、「幽☆遊☆白書」の2つの作品を挙げての作品の背景についての考察がしてあります。 とても読み応えがあり、自分も考えつつ読む事ができました。 「やおい」については、野火のびた(榎本ナリコ)さん自身の経験や周りの方の経験も少し含みつつ書かれているので、とても真実味があり判り易いし、納得もし易いです。 私もいちオタクとして、やおい愛好家として納得する事が出来ました。 とても内容が濃い作品だと思います。一度読まれると良いと思いますよ。お薦めです。

  • 感想であって、批評というレベルではないです。

    最低です! 一応、批評集と思い買ったのですが、最低でした! センスも鈍い感じですが、そもそもあまり勉強してない人らしく、せいぜい印象批評レベルです。 「『エヴァンゲリオン』とは、このような物語だったと私は思う。」(100)など、 「思う」や、「ではないだろうか?」などを平気で使うのにもちょっと神経を疑いますが、 章の結びを、「これ以上の解説は無用だろう。」(100)としたのはもう完全に理解の外でした。 仮にも「批評」と銘打つならもう少し勉強してから書いてください。

  • やおい論は良かった

    野火ノビタ名義のマンガ家榎本ナリコ作の評論集。 書いてあるのはアニメのエヴァ、幽遊白書などの富樫義博、やおいについて。 タイトル自体がアダルトチルドレンっぽい。 またはそれをあつかった自己憐憫の旺盛な著作とか。 タイトルだけだから、まぁいいけど・・・ エヴァは精神分析をモチーフの一つにした(それを意図したか否か不明)傑作ですが、 逆にそれをネタに精神分析を語るのは本末転倒な気がするのです。 またそれ自体非常に宗教的なものになりがちで批評も不毛なものになりがちです(これがそうなってるとは言えないが・・・) わたしはエヴァをリアルタイムに見てないので当時の熱狂の中にいなかったのは残念だけどね。 富樫については、わたしはあんまり富樫ファンじゃないので著者の彼への没入にタジタジになる。 また、少女マンガから切り離せない「やおい」 やおいとは、女性向けに描かれた男と男の恋愛もの、多分に男女の恋愛ものに相似するもの。 男性向けポルノは理解しやすい。 女性のヌードがあればいいから。 でも、やおいはよくわかりません。(^_^;) 小説家の栗本薫も面白いから原因不明でもいいと言ってなかったかな。 女性も子供のころから好む人もいるそうなので人間とは本質的にそうかも。(^_^;) 著者の「やおい」論は参考になりました。(^_^;)

  • オタク作家による精神分析論♪読み応えあります!

    野火ノビタ=榎本ナリコ氏による批評集成本。(同人誌で発表済みのものと書き下ろしもあり)エヴァ、幽白、やおいについて真面目に語る内容は読み応えがあります。特にやおい論については同じくやおい愛好家としては非常にフムフムと納得でき、わかりやすい分析に感動することしきり。女性ならではの視線=「関係性への同一化」には目の覚める思いがしました。何よりご本人がオタクであることを自認されておられる姿はすがすがしいです。おススメです!

  • 柔らかな感覚

    当時幽遊白書に熱中していた身としては、大変面白かったです。やおいとBLは2020年現在では名称がほぼ一本化されているようですが、当時は区別されていて、どう異なるのかよく分かりましたね。なぜ女性はやおいが好きなのか、この複雑怪奇な心情を分かりやすく説明してくれています。また著者の言葉の端々から、哲学的バックグラウンドが伺えて、そこに知的魅力を感じました。野火ノビタさんの漫画を20年前から読んでいますが、柔和に終焉を予感させ、少しの救いがある手法が特徴的です。文章ももっと読みたい。

  • まずタイトルからして最高!

    「幽白をはじめとした富樫義博作品」「エヴァ」が少しでも好きな人は絶対に読むべきです!エヴァの登場人物や監督自体統合失調症であるといった見解は一見奇異ではありますが、読み進めていくうちにとても納得します。そして、富樫義博の(ある意味での)崩壊から復活、再生までの事象が評者流に分析され、とても読み応えがあります。やはり作品に対しての思い入れがないと、ここまで書けないと思います。放送から年数のたった今だからこそ再び自分の好きな作品に想いをはせる意味でも必見です。

関連する文学賞