日本の文学賞

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信ぜざる者コブナント 第1部 破滅の種子 上

Astounding Award for Best New Writer

信ぜざる者コブナント 第1部 破滅の種子 上

ステファン・ドナルドソン

『破滅の種子』は、スティーヴン・R・ドナルドソンのファンタジー長編 Lord Foul's Bane の邦訳。ハンセン病を患い孤立して生きるトマス・コブナントが異世界へ呼び込まれ、自分が見ている世界を信じられないまま、破滅をもたらす邪悪な力と向き合う。

異世界ファンタジー信仰と不信孤立救済叙事詩

作品情報

信じることを拒む男が、異世界の危機の中心へ投げ込まれる。

『破滅の種子』は、「信ぜざる者コブナント」第1部として評論社から上下巻で刊行された邦訳ファンタジー。現実世界で病と社会的孤立を抱えるコブナントが、異世界ランドへ転移し、白金の指輪に宿る力と自らの不信のあいだで揺れながら旅を続ける。英雄譚の形式を取りつつ、信じることの危うさと必要を問う作品である。

レビュー要約

  • 重厚な異世界設定と、主人公の不信を軸にした暗い内面描写が印象に残る作品として読まれている。冒険譚としての面白さの一方で、寓意性や心理の重さを難しく感じる読者もいる。

書籍情報

出版社
評論社
発売日
1983-01-01
ページ数
314ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784566020764
ISBN-10
4566020762
価格
3781 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/英米文学

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レビュー

  • これだから絶版は嫌だ

    中学1年生の時に読んだコブナントシリーズ。 救世主として異世界へ召還された主人公は癩病患者という突飛な設定で、幼かった私をノックアウトした思い出深い作品。10年以上前読んだときには、使われている漢字のあまりの難しさに全く歯が立たず、なけなしの小遣いで漢和辞典まで購入して辞書を引きつつ必死に読んだものだが、今読んでみると別に難しくもなんともなかった。その間全く勉強してこなかったが、少しは成長していたのだと妙に自分に感心してしまった。 本書のような異世界ファンタジーは世の中に捨てるほどあるが、コブナントほど偏屈な主人公はそうはいないだろう。病気で全てを失った彼は常に何かを呪っている。運命だったり、人だったり、過去だったり。笑うこともなく優しい言葉を言うこともしない。いわゆる「とことん感じの悪い人」に他ならない。しかしそれは癩という病気と闘うための彼なりの防御なのだ。希望を持たないことで絶望からは逃れられる。絶望しなければ自ら死を選ぶこともないだろうというキルケゴール的な彼の覚悟の表れだ。 単純なストーリのみを見たら既存のファンタジー作品となんら変わらない本書だが、コブナントが発する自己嫌悪や世界に対する不信感が独特のスパイスになり今までにない読み物に昇華されている。 文体が少し古いので物語に入りづらいのが難点だ。世間にもあまり評価されなかったのだろう。悲しいかな、現在では絶版になっていて本書を手に入れるのは難しい。(私はどうしても手元に置いておきたくて6冊セットを購入。結構な大金だった…。)

  • ハイファンタジーの最高傑作、とまでは言わないが

    かなりの傑作です。図書館でしかお目にかかれないかもしれないし、あなたが図書館で手にしたらまだ新品同様かもしれないけど、でもハイファンタジーならゲドなんかに負けない手応えと美しさがあります。確かに1冊目は厳しいです。主人公に対する思い入れとか、かなり無理です。それでも根性で読み進むと、光が見えてくるかもです。わたしは読み終える時にさみしかったほどです。終わり方もすばらしい。これはやはり傑作です!

  • 読んでみてほしいが・・

    主人公はいきなり癩病です。異世界に召喚されたことが信じられなくて「信ぜざる者」を名乗ります。こんな主人公ですからまったく最初は自分で動こうとしません。ヒロイックファンタジーなにそれといった風情で、まあファンタジーを期待して読んでいると間違いなく放り出してしまうでしょう。しかしですよ、みなさん。この本はずっと読み進めてゆくと読み進めてゆくほどに面白くなってくるのです。そして特筆すべきは登場人物の素晴らしさ。ムホラム王なんか最高ですね。 外国のロールプレイングゲームでルーンクエストというものがあるのですが、確信はありませんが多分この本が下敷きになっていると思われます。ただ長いし最初つらいしで、星ひとつ削ってみました。 でもすごく面白いんだよう。読んでくれよう。最近ブームのチャイルドファンタジーとは一線を画す、すごい話なんだよう。

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