日本の文学賞

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頬に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS)

マカヴィティ賞

頬に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS)

S・A・コスビー

殺された息子たちの墓を差別主義者に壊された黒人のアイクが、息子たちのもう一人の父親であるバディ・リーと犯人捜しに乗り出す、怒りと喪失のクライムノベル。

クライム復讐家族差別

作品情報

二人の父親が、息子たちのために犯人を追う。

ハーパーBOOKSから刊行されたS・A・コスビーの代表作。暴力と差別の現実を背負った父親たちが、喪失の痛みを抱えたまま事件の核心へ向かう。

書籍情報

出版社
ハーパーコリンズ・ジャパン
発売日
2023-02-16
ページ数
496ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784596766557
ISBN-10
459676655X
価格
1320 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

『このミステリーがすごい! 2024年版』(宝島社)海外編第1位! 「ミステリが読みたい! 2024年版」(早川書房)海外篇第3位! アンソニー賞、マカヴィティ賞、バリー賞3冠! MWA賞長篇賞最終候補作! 黒人の父親、白人の父親、惨殺された息子たち―― 血の弔いが幕を開ける。 「懺悔と贖罪に彩られた哀しき父親たちの挽歌」 宇田川拓也 ときわ書房本店 (本書解説より) デニス・ルヘインの『ミスティック・リバー』を訳したときと同じくらい、感情を揺さぶられた。 ――加賀山卓朗(翻訳家) 読者の鈍った心身を痛めつけ、頭蓋と魂を揺さぶる! S・A・コスビーの才能は、もはや疑いようがない! ――小島秀夫(ゲームクリエイター) 僕らの生きるこの世の悲痛を描く、コスビーは詩人である。 ――霜月 蒼(ミステリー評論家) 疾走する文章によって読む者の心をたまらなく震わせる物語である。 ――杉江松恋(書評家) 現代クライムサスペンスの最前線をゆく傑作だ。 ――吉野 仁(ミステリー評論家) 殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――。解説:宇田川拓也

レビュー

  • 新世代のOld Dominion小説

    舞台はヴァージニア州、通称Old Dominion。建国13州であり、ワシントン出生の地。そして南北戦争の敗者。当初から黒人の多いアメリカの歴史的土地だ。 物語は当然「人種問題」を核に「LGBT問題」と合わさって展開する。冒頭読者は登場人物とその関係に混乱することだろう。 主人公は「白黒コンビ」。二人ともに前科もちの務所帰り。白の方はとにかく一言多い上にスーパー「口が悪い」。ドラマ化はもとより映画化も難しいだろう。しかし、それこそが本書の小説ならではの醍醐味だ。 描かれている当地の風俗は、ごく近年のものなので、リアリティーを感じる。 新世代のOld Dominion小説だ。 ぜひ一読あれ

  • 現代アメリカ版「昭和残侠伝」

    この作者は高倉健の映画を観ている気がしてしかたがありません。人の罪をかぶって刑務所暮らしをしたのにその間に約束を反故されてさらに出所後の仕打ちはあまりにも過酷で、それでも耐えるのですが身内への攻撃が容赦ないものでついに爆発して単身殴り込みをかけるのですが、相棒の池部良がなぜか途中の柳の木で待っていて傘をさしかけます。そこからふたりでドスと日本刀で大暴れ、という筋立てのシリーズです。 さすがに現代のアメリカですのですべては銃と圧倒的な暴力で解決を図ろうとするのですが、前科者、黒人、LGBTなど差別は重層的に繋がり、復讐は連鎖を繰り返します。どうしたら終息できるのか?それがある意味テーマだと思います。

  • まさにアメリカ小説

    日本人には少し違和感のある舞台と設定。このミス1位だけあって面白いことは面白いが。

  • 二人の荒くれ親父による復讐劇だがどこかブレた印象でノリ切れず(ネタバレなし)

    「黒き荒野の果て」が面白かったので期待していたのですが、個人的には微妙な 評価でした。前作のシンプルでストレート、かつスピーディにキレ味よく物語が 進み、息つく間もなく読み終えてしまう、そんな内容とは違ったものだったので。 まず物語のスケール感のなさが気になりました。息子を惨殺された父親の復讐が テーマなのですが、基本的に暴走族との戦いなのが微妙です。黒幕もチープなキ ャラクターで、全体的に低予算映画を観ているような気分になってしまいました。 また前作でも黒人が主人公であり、差別や偏見が云々というくだりはありました が、今回はそこへLGBT要素も加わってきたことでシンプルなノワールではなく、 ゲイの息子を取り巻く世の中の風当たりや父親の葛藤といった場面も多いです。 それなのに(相変わらず)プロット自体には目新しさや意外性は皆無なので、前 作にあった疾走感やキレ味が失われているのです。結末の納得感も薄く、この手 の物語で最も重要な復讐劇によるカタルシスを充分に得られなかったと感じます。 作者の描きたかった世界観、方向性みたいなものがいまいち私には伝わりません でした。今の時代ならではの問題提起が含まれているのかもしれませんが、それ がエンターテインメント作品として上手く消化されていなかったという感想です。

  • 複雑さを複雑なまま、単純に愛すること

    (まず、性的少数者の方は安心してほしい。これはただのヘイトクライムではない。この作者があなたの名誉を軽んじることはない。) いや〜すごい、暴力をヒロイックにしていないまま、こんなにも暴力を振るう人物らを魅力的に描けるのか。暴力から身を守るために暴力をふるう、これを強さだとか守る力だとか言う。しかし、暴力は暴力なのだ。使い手を蝕む毒であり、使い手の周囲を滅茶苦茶にする。そこを直視した上で、それでも駆け抜けるしかなかった地獄が描かれる。犯人への憎しみ、何より、過去の自分への憎しみが迸っている。極上の犯罪小説という評価は正しい。 そして、"省略形の文字列で身を守る"人たちにこそ、読んで欲しい。理解されることなど諦めているのだが、家族にはそうも言っていられないのが辛いところだ。家族を切り捨てるか、自分を切り捨てるか。しばしば私たちは決して望んだわけではない二択を迫られる。現実的には、三択目が多い。グレーだ。家族に見えないところで、切り捨てた自分を拾い集めるのだ。そして、這いつくばったことなどないような顔をして家族の食卓につく。もしあなたがそんな経験をしたことがあって、なんてことない当たり前だと蓋をしていて、その蓋を力付くで押さえ込んでいるのなら、この本を勧めたい。 作中被害者のような一択目だけでなく、どんな体験とも一緒に泣いてくれる作品だ。泣いた後に先のことを考えてもいい気にさせてくれる作品でもある。素晴らしいというより、「ありがたい」と言いたい作品だった。

  • ”ラスト・ベルト”という社会背景を考えると、また興味深い点があった、

    クライムノベルにはそれなりの社会背景があると思って読んでいます。今回は以前”ヒルビリーエレジー”を読んで知った、ラスト・ベルト地帯での貧困層で育って犯罪に走って 社会から疎外された親たちから、貧困から”奇跡的”に脱出したその子供たちがゲイであることで また疎外されている状況が、どんより影をおとしている感じ。LGBTQといった 自分が分からない事に出合ったときには、何も見ないで顔をそむけた方が楽だという箇所には 感銘しました。

  • 面白かったです。

    特にひねったような話しではないけど、 海外のアクション映画を見ているような感じで、 とても楽しめました。

  • 面白い

    息子を殺害され、警察の捜査は進歩せず、二人の父親が自分の息子のため情報集めをして、犯人を割り出し仇を討つ。 途中孫娘もさらわれるけど二人で救出。 読みやすく、途中翻訳の文章が可笑しな部分あるけど読めなくはないです。 初著者さんでしたが、読みやすく、面白かったので次作も購入しました。

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