逃亡「油山事件」戦犯告白録
『逃亡「油山事件」戦犯告白録』は、長崎への原爆投下直後に起きた米兵捕虜斬首事件をめぐり、命令に従った元見習士官の逃亡と戦後の罪を追うノンフィクションです。戦争責任と個人の倫理を鋭く問います。
作品情報
逃亡の足跡から、戦争の罪と個人の責任を見つめる。
『逃亡「油山事件」戦犯告白録』は、長崎への原爆投下直後に起きた米兵捕虜斬首事件をめぐり、命令に従った元見習士官の逃亡と戦後の罪を追うノンフィクションです。戦争責任と個人の倫理を鋭く問います。
書籍情報
- 出版社
- 毎日新聞出版
- 発売日
- 2006-03-01
- ページ数
- 239ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784620317649
- ISBN-10
- 4620317640
- 価格
- 180 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 逃亡「油山事件」戦犯告白録 : 小林 弘忠: 本
レビュー
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逃亡「油山事件」戦犯告白録
油山事件をテーマした本では吉村昭の「遠い日の戦争」があるが、この本の方がはるかに迫力があり面白い。同じ戦犯もので、ハハキギ蓬生の書いた香港憲兵隊員の「逃亡」録も面白かった。当時の警察はこそ泥を捕まえるよりも戦犯を血眼になって全国津々浦々まで捜し回っていたのである。どちらの本も何も知らない本人の家族をいじめ抜いて、最後は捕まえると言うストーリである。 今の人間から見ると当時の警察は狂気の沙汰のように思える。BC級戦犯とはほとんどの者が国に裏切られた人間であった。如何に占領下にあったとは言え、アメリカ軍の命令など適当にあしらっておけば良かったものをと思われる。しかし結末はどちらもハッピーエンドではあった。
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自省と苦悩と勤勉
捕虜になった米兵の打ち首を命じられた人が 戦犯狩りから逃れて多治見の製陶工場に潜伏した手記があり それを元にして書かれた本である 実は中野学校の出身者なんだな 製陶工場では下働きから始めてあっというまに仕事を習得して 社長を補佐する立場になった。中野学校出すごいな 加えて捕虜殺害のことについて自省を続けている 見つかって捕まれば逮捕されて最悪死刑っていう状況で その限界に近い精神状況がとてもすごい 自殺するための拳銃を隠し持ち毒薬まで手に入れ 何回も自殺をしようとするまで苦悩をしていた 自殺を思い立ったきっかけというのも 職場でのちょっとした行き違いによる自己否定の感情からだったり 一方で家族は警察からの過酷な取り調べに疲弊し 周囲からは戦犯の家族とさげすまれて苦労をする 悲惨な無差別爆撃に対しての報復としての処刑だったが 戦犯への追及というのはその報復でもあった 報復の連鎖と加害者でかつ被害者という連鎖
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資料的価値はあるかも
前半は、読んでて退屈です。逃亡した先の仕事の内容が書かれています。 恐らく筆者が自分の足で調べたのでしょう。 単純に「油山事件」の事について知りたいつもりで購入したので 資料的価値は本の半分といったところでしょうか。
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復刊のような味わい
「今になって60年も前のことを・・・」と思われる読者もいるだろうが、新鮮味はないにしても読了後心に残る本の一つである事は確かである。 本人を直接知る親族には取材しているものの、故人となってしまった本人には取材できず、本人の逃亡記から掘り起こして書かれているのだが、逃亡者として故郷にも戻れず遠く離れた岐阜県で別人としていつ警察に見つかるかドキドキしながら生きる、その心理描写は小説より読者に迫るものがある。