作品情報
本を読む人の幸福を、詩のことばで静かに照らす一冊。
『幸いなるかな本を読む人』は毎日新聞社から刊行された長田弘の詩集。プラトン、ニーチェ、荘子、漱石などを含む二十五冊の本を詩の起点にし、本と言葉の影をすくい取る。
レビュー要約
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本をめぐる詩という構成が支持され、読書経験そのものを振り返らせる作品として読まれている。静かな語り口と余白のある表現を好む声がある。
書籍情報
- 出版社
- 毎日新聞社
- 発売日
- 2008-07-25
- ページ数
- 112ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784620318936
- ISBN-10
- 4620318930
- 価格
- 880 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
プラトン、ニーチェ、荘子、漱石、果ては作者不詳の「アラビアンナイト」や「パンソリ」まで・・・ 古今東西の書物をモチーフに綴られた詩集。
レビュー
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古今東西の珠玉の書物を自由に味わう贅沢
私にとって、この長田弘さんの詩集は、リカーのよく効いた大人向けのチョコレートケーキのようなものです。 あとがきから少々抜粋させていただきます。 「読書は正解をもとめることとはちがうと思う。わたしはこう読んだというよりほかないのが、読書という自由だ」 「胸底に映る一冊一冊の本の影、ことば一つ一つの影を、水底の月影を汲むように、一篇一篇の詩に書き取りながら、いつも抱いていたのは、わたしが本について、ではなく、わたしが本によって語られているという、どこまでも透きとおってゆくような感覚だった」 そう、この詩集は、作者の愛する25冊の本のそれぞれについて一篇の詩をあてるという形になっているのです。 更に、表紙には読書をする少女の天使の絵、25の詩の扉には、一文字ずつ古いアルファベットのレタリング付きというお洒落さ! で、その25冊の本というのもまた。。 ・梶井基次郎「檸檬」 ・プラトン「ソクラテスの弁明」 ・「荘子 内篇」 ・尾崎一雄「美しい墓地からの眺め」 ・プーシキン「大尉の娘」 ・「エッダ」 ・カント「永遠平和のために」 ・深沢七郎「笛吹川」 ・「アラビアンナイト」 ・アウグスティヌス「告白」 ・アンデルセン「雪の女王」 ・ベンヤミン「ベルリンの少年時代」 ・中島敦「悟浄出世」 ・ホーソーン「人面の大岩」 ・モンテーニュ「エセー」 ・オヴィディウス「変身物語」 ・ニーチェ「暁光」 ・夏目漱石「草枕」 ・「春香伝」 ・カフカ「日記」 ・フォークナー「エミリーへの薔薇」 ・ゴーゴリ「書簡」 ・スピノザ「エティカ」 ・鴨長明「方丈記」 ・ポエティウス「哲学の慰め」 とまあこんなふうに、古今東西の叡智を散りばめた珠玉の作品ばかり。 少なくとも私には、何の文句もありません。 ひたすら味読させていただくのみです・・・。