日本の文学賞

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獲得と臨床の音韻論 (ひつじ研究叢書(言語編) 195巻)

新村出賞

獲得と臨床の音韻論 (ひつじ研究叢書(言語編) 195巻)

上田功

幼児の音の獲得過程と機能性構音障害に見られる誤構音を、音韻理論の展開と結び付けて考察する研究書。日本語と英語の発話データを手掛かりに、誤構音を無秩序な逸脱ではなく規則性をもつ現象として読み解き、臨床的な事例と理論的分析の接点を示す。

音韻論言語獲得構音障害日本語と英語臨床音声学

作品情報

幼児の発話に現れる規則性を、音韻理論から読み解く。

上田功による音韻論の専門書。幼児期の発音の遅れや誤り、機能性構音障害に見られる体系的な誤構音を対象に、生成音韻論、自然音韻論、素性理論、最適性理論などの視点から検討する。理論の変遷をたどりながら、日本語と英語のデータを用いて音韻発達と臨床例の関係を考える一冊。

レビュー要約

  • 書評は、臨床データを中心に据え、誤構音の背後にある原理や規則性を解明しようとする姿勢を本書の特色としている。生成音韻論から最適性理論までをたどり、理論と臨床事例を架橋する研究として論じられている。

書籍情報

出版社
ひつじ書房
発売日
2023-02-22
ページ数
168ページ
言語
日本語
サイズ
15.5 x 1.8 x 21.7 cm
ISBN-13
9784823411779
ISBN-10
4823411773
価格
5500 JPY
カテゴリ
本/語学・辞事典・年鑑

■定価5,000円+税■ 幼児の言語発達期に見られる発音の遅れや誤り、機能性構音障害と呼ばれる体系的な誤構音につき音韻理論からのアプローチを試みる書。伝統的古典的生成音韻論から、自然音韻論、素性階層理論、素性不完全指定理論、近年の最適性理論に至る理論の発展に伴い、幼児の誤構音にどのように光が当てられてきたかを、日本語と英語の誤構音のデータを分析の俎上に上げて議論を進める。臨床現場の活動と理論的な分析は車の両輪である。分野横断的で学際的な書である。 【目次】 はしがき 凡例 序章 副詞の歴史的研究における課題 1. はじめに 2. 副詞概観 2.1 副詞とは 2.2 副詞の下位分類 2.3 副詞の動的性質 3. 副詞の歴史的研究と日本語文法史研究 3.1 副詞の歴史的研究の方向性 3.2 副詞から文法変化の問題に迫る 3.3 副詞から日本語の時代的動向を見出す 3.4 副詞の語史と日本語文法史 4. 副詞を視点とした日本語文法史へのアプローチを目指して 4.1 本書の目的 4.2 扱う副詞群の特徴 4.2.1 擬声語の副詞 4.2.2 不定語と助詞によって構成される副詞 4.2.3 定型的前置き表現 4.3 本書の構成 5. 補説 近年の研究動向の概観 5.1 副詞の歴史的研究の活発化 5.2 方法論の面で注目される語史研究 5.3 まとまった語群を扱うもの 5.4 意味変化のあり方の提示や類型化を目指すもの 5.5 日本語の時代的動向に関連づけようとするもの 5.6 おわりに I 副詞の歴史と文法変化 第1章 「そろそろ」の史的変遷 1. はじめに 2. 動きの様態を表す「そろそろ」 3. 近世における「そろそろ」の変遷 3.1 「と」の脱落 3.2 変化の進展を表す用法 3.3 事態発生時が近づいていることを表す用法 4. 用法派生の過程 4.1 動きの様態から変化の進展へ 4.2 変化の進展から事態発生時の近づきへ 5. 近代以降の「そろそろ」 6. まとめ 第2章 叙法副詞「なにも」の成立 1. はじめに 2. 現代語における「なにも」の2 つの用法 3. 「なにも」の歴史概観 3.1 否定との結びつきの推移 3.2 叙法副詞「なにも」の出現 4. 叙法副詞「なにも」の成立過程 4.1 「なにも」の述語の偏り 4.2 非存在文における「なにも」 4.3 さまざまな形式との共起 5. まとめ 第3章 近世における「どうも」の展開 1. はじめに 2. 現代語における「どうも」 3. 近世における「どうも」 3.1 近世前期・後期上方語 3.2 近世後期江戸語における用法の拡張 4. 「どうも」の諸用法の関係 4.1 〈不可能〉の内実 4.2 「話し手の期待の非実現」から「話し手の期待通りでない事態の生起」へ 4.3 背後の事情を見出すことによる〈推定〉への移行 5. まとめ 第4章 「どうやら」の史的変遷 1. はじめに 2. 「どうやら」の歴史変化 2.1 近世前期 2.2 近世後期 2.3 近代以降 3. 「どうやら」の歴史変化の背景 3.1 〈推定〉の発生と変化の一般性 3.2 〈感覚的描写〉の衰退と類義語の影響 3.3 「どうか」の史的変遷との関係 4. まとめ II 副詞の歴史と日本語の時代的動向 第5章 「ひょっとすると」類の成立と呼応の分化 1. はじめに 2. 「ひょっと」の史的展開 2.1 「ひょっと」の音象徴的意味 2.2 「ひょっと」と仮定・可能性想定との結びつきの発生 2.3 「ひょっと」から「ひょっとすると」類へ 3. 仮定・可能性想定の呼応の分化 3.1 古代語と現代語での呼応のあり方の違い 3.2 「ひょっとすると」類と「もしかすると」類の歴史的関係 4. 副詞の呼応の分化と日本語の時代的動向 5. まとめ 第6章 「どうぞ」の史的変遷と行為指示表現の歴史 1. はじめに 2. 現代語における「どうぞ」 3. 「どうぞ」の歴史的変遷 3.1 中世末から近世前期 3.2 近世後期 3.3 近代以降 3.4 「どうか」との関係 4. 歴史変化の背景 4.1 配慮表現における前置き表現の発達 4.2 行為指示表現における運用基準の変化 5. まとめ 第7章 前置き表現から見た行為指示における配慮の歴史 1. はじめに 2. 本章の問題意識と方法 2.1 敬語史から配慮表現史へ 2.2 歴史語用論と日本語史 2.3 現代語の行為指示に見られる配慮表現 3. 〈恐縮・謝罪〉の前置き表現の歴史 4. 〈状況確認〉の前置き表現の歴史 4.1 近世までの文学作品における〈状況確認〉 4.2 定型的前置き表現「よかったら」類の成立と定着 4.3 書簡における〈状況確認〉 5. 前置き表現の歴史から見えてくること 5.1 前置き表現の定型化と標準語 5.2 「 よかったら」類の成立と定着から見えるストラテジーの変化 6. まとめ 第8章 感謝・謝罪に見られる配慮表現「どうも」の成立とその普及 1. はじめに 2. 問題の整理 3. 「どうも」の配慮表現への変化 3.1 「どうも」の対人的使用と「恐縮」 3.2 「恐縮」からの変化 4. 感謝・謝罪に見られる配慮表現「どうも」の確立と普及 4.1 総合雑誌『太陽』 4.2 明治・大正期SP 盤落語レコード 4.3 国定国語教科書 5. 配慮表現「どうも」の歴史と関連する問題 5.1 古代語と近代語の相違 5.2 日本語における配慮と「恐縮」 5.3 配慮表現の地域差 6. まとめ III 副詞の歴史的研究から日本語文法史研究へ 第9章 副詞から見た古代語と近代語 1. はじめに 2. 副詞の発達 2.1 認識的モダリティと関わる副詞 2.2 対人配慮を表す前置き表現・副詞 3. 呼応の分化 3.1 仮定と可能性想定 3.2 事態非実現の叙述と未実現事態の希求 4. 副詞の歴史と日本語文法史 4.1 形式の分析化と文法的意味の分化 4.2 個々の事情の異なり 5. おわりに 第10章 副詞の歴史から見えてくること まとめと今後の展望 1. はじめに 2. 本書全体の振り返り 2.1 個々の副詞の歴史から見えてくること―第Ⅰ部 2.2 個々の副詞の歴史から見えてくること―第Ⅱ部 2.3 複数の副詞の歴史を見渡して見えてくること 3. 副詞の形成に関する問題 3.1 前置き的・注釈的な従属節との連続 3.2 不定語と助詞によって構成される副詞の形成と歴史変化 4. 副詞の歴史的研究のこれからに向けて 調査資料・使用テキスト 参考文献 あとがき 索引

上田功(うえだ いさお) 名古屋外国語大学教授・大阪大学大学院連合小児発達学研究科招聘教授・大阪大学名誉教授

レビュー

  • 誤字・脱字と価格

    専門外の者が読んでも解りやすくためになる本だと思う。ただし、誤字・脱字が散見されるのは残念だ。特に、85,87,88頁の図表における誤字・脱字は、学術書としての信頼性を損なうものであろう。また、総頁154頁で5,500円は少し高い。

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