これが「恋」だと言うのなら、誰か「好き」の定義を教えてくれ。 1 (オーバーラップ文庫)
大学生の寺田悠と、家へ通ってくる後輩・藤宮光莉の不器用で焦れったい恋愛劇。普通の恋ができない主人公の葛藤を、等身大の距離感で描いた作品。
作品情報
この「好き」は《偽物》――なんかじゃない。
第10回オーバーラップ文庫大賞金賞受賞作として刊行された第1巻。孤独を抱える大学生の寺田悠が、後輩の藤宮光莉との距離を縮めながら、『普通』の恋に踏み出せない理由と向き合っていく。
レビュー要約
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読者コメントでは、恋・好き・普通のズレが生むもどかしさと、二人の掛け合いの温度差が高く評価されている。
書籍情報
- 出版社
- オーバーラップ
- 発売日
- 2024-01-25
- ページ数
- 352ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.8 x 10.5 x 1.6 cm
- ISBN-13
- 9784824007063
- ISBN-10
- 4824007062
- 価格
- 814 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
この「好き」は《偽物》――なんかじゃない。 これは、令和(イマ)を生きる大学生たちの不器用で焦れったい等身大の恋物語。 拗らせぼっちの大学生・寺田悠には忘れられない過去がある。 孤独を抱えた冬の夜の帰り道、公園で寒さに震えるあざと可愛い人気者の後輩・藤宮光莉から助けを求められ、家に泊めることに。 その日から頻繁に家へやって来る光莉と重ねていく、温かな日常。 その不思議な関係は、穏やかに続いていく――はずだった。 「好きです、悠さん」二人の視線が絡み、距離がゼロへと近付く。頭のなかで誰かが言う。 《普通》ならここでキスをするのだと。 それができない恋は《偽物》だと。 それでも――「ごめん、藤宮。俺はきっと《普通》の恋ができないんだ」 オーバーラップ文庫大賞史上、最も不器用でもどかしい恋物語、ここに開幕。
レビュー
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テーマは難しいがとても良い
ちょっとした拗らせものかと思いましたが、しっかりしたテーマの中での物語でした。いろいろな方に読んでいただきたいですね。
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ストーリーの緩急が素晴らしい
やっぱり物語には緩急というかメリハリは必要だと思うんです。緩やかに話が進んでいくところ、ここぞというときにはビシッと決めるところ。 この作品はそれが非常にいいバランスで、読んでて全然ストレスがないし、あれよあれよという間に物語にどっぷり入り込んでしまいました。 次巻がどうなるか楽しみです。
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二人の会話のテンポと関係性が最高でした
出会いのシーンの会話でクスリとなってもう引き込まれ、二人の会話のテンポがめっちゃ好きです。 寒い、伝わるとも思わずに、伝わってしまった言葉でお互いに不思議と惹かれ合う中で関係を紡いでいく様がそれぞれの視点で描かれていてとてもいいです! そしてちょっとした言葉のセンスとか好き。 ガードレールに干されているとか笑 後内心の独白で、気づかせるところとか。伝わりづらい言葉でも、同じ波長で伝わってしまうところとか。 そして最後の終わり方。二人の関係がどう育っていくのか、二巻がとても楽しみです!
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繊細な感情を丁寧に拾い上げながら進む、大学生二人の等身大でひたむきな想いの物語
二人の関係に胸がいっぱいになる! 傷を抱えた青年とあざと可愛いヒロインが気の置けない仲になり、お互いの傍にいる日常が二人の幸せになっていく温かさが沁みる。楽しげな軽口や初々しく微笑ましい交流を重ねるほどに滲む、周囲には話せない傷と悩み。彼らが裡に抱えた痛切な想いは、「普通」の「恋」ではどうすることもできないのが痛々しくて切ない。だからこそ、迷いながらもお互いへの好意を確かにしていく二人の姿に胸がきゅーっと締め付けられました。繊細な感情を丁寧に拾い上げながら進む、大学生二人の等身大でひたむきな想いの物語。
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私たちは「普通」に汚染されている。
このラノベの題材は正直未知の領域だった。だから、この題材をベースにどのような展開になるのか興味があった。主人公やヒロインの会話劇や展開は、他の方がレビューするように面白い。ただ、最後の展開は、なんとなく「スッキリ」しない感じ。秒速5センチメートルを見た後のような。この結末がこの題材を扱う意味であり、主人公が決断した流れへの物足りなさが、「普通」に汚染されている証明かもしれない。2巻楽しみです。
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主人公をアセクシャル(他者に対して性的欲求・恋愛感情を抱かない)にする必然性が薄く結末も不完全燃焼が過ぎる
アセクシャルであるが故に過去に恋愛で手痛い失敗を犯した大学生の男と、両親から世間一般的な愛を受けられず同性からも疎まれやすい女子大生の恋愛作品。 大学生同士の恋愛ということで、ある程度社会慣れしある程度経済的にも自由が利く二人の恋愛模様は東京を舞台として様々な場所・状況で描かれ、現実的な肌触りとフィクションとしてのデフォルメされた面白さのバランスがいい。主役二人の掛け合いも軽妙で読んでいて飽きず、会話劇だけでも楽しめるだけの牽引力がある。リーダビリティは高く、自然とページが進む魅力がある。 一方でストーリー自体はやや単調で、イチャイチャ→すれ違→仲直りイチャイチャ→すれ違い が延々と続く。先に書いたように会話劇は面白いので退屈ではないが、核心的な部分は全然進まず、同じパターンばかり見せられる感じはある。 何より残念だったのは、主人公にアセクシャルというセクシャリティを設定しそのせいで失敗した過去の恋愛を人格と人生の中心に置いておきながら、このアセクシャルであるということをヒロインとの関係の中でどう扱うか、恐らく多数派のセクシャリティを持つであろうヒロインと関係を深めるうえでどう理解を求めるのか求めないのか、二人の間のセクシャリティの差異やその理解度の差をどう埋めるのか埋めないのか、そういうことが全然描かれていない点である。 基本このアセクシャルのせいで主人公はヒロインに意識して壁を作るしヒロインはそんな主人公に拒絶されていると思い込んでしまうのだが、そういうすれ違いを何度もやっておきながら毎回なあなあに仲直りするだけで全然アセクシャルという核心には触れない。驚いたことにラストですら主人公はこのアセクシャルを秘密にしたまま二人の距離が微妙に僅かに近づくのみである。 アセクシャルと言う現代的であり尚且つ繊細な要素を取り扱っておきながら実際には他の要素でもなんででも代替可能な「恋愛の障害」「ドラマ上必要とされる障害」としてしかアセクシャルという要素が使われていないように見えてしまう。マクガフィンにしかなっていないというべきか。最後までそれなので、ラストまで読んだ時間は一体何だったのかと呆然としてしまった。 取り扱いが難しいがそれ故に価値もあるセクシャリティにまつわる問題を取り上げておいて、実際には300ページ以上かけてヒロインとの間でこの問題への相互理解がほとんど無いまま終わり、というのはいかがなものかと思ってしまう。 人物はシンプルながら魅力的、会話劇には読ませる力がある、という長所のある作品だけに、一番大事な中心の骨組みがぶれているのは残念極まりない。1巻とあるので2巻以降も予定されているのかもしれず、もし続刊でそのあたり上手く語られるようならば評価も変わるかもしれないが……。