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冤罪をほどく: “供述弱者”とは誰か

毎日出版文化賞

冤罪をほどく: “供述弱者”とは誰か

岡崎乾二郎

新聞記者たちの調査報道が、冤罪に苦しむ“供述弱者”の存在を明るみに出し、再審無罪へとつながっていく過程を追ったノンフィクション。

冤罪調査報道再審司法

作品情報

冤罪をほどく調査報道の現場を、当事者の視点からたどる。

中日新聞編集局の取材を中心に、冤罪事件の真相究明と再審無罪までの道のりを記録した、司法と報道の接点を描くノンフィクション。

書籍情報

出版社
風媒社
発売日
2021-12-09
ページ数
312ページ
言語
日本語
サイズ
12.8 x 2 x 18.8 cm
ISBN-13
9784833111447
ISBN-10
4833111446
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/社会・政治

「私は殺ろして いません」─。獄中で無実を訴え、十二年間書き続けた三百五十余通の手紙…。冤罪の罠にとらわれる〈供述弱者〉の存在を明るみに出し再審無罪へと導いた画期的な調査報道は、いかにして可能となったか。石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞受賞。2022年、講談社本田靖春ノンフィクション賞受賞。

滋賀・呼吸器事件取材班デスク

レビュー

  • この再審無罪が勝ち取ったものは大きい

    湖東記念病院人工呼吸器事件の調査報道を行った中日新聞の記者の著書。 再審請求から弁護団といっしょに取組んでいただけあって、この冤罪の経緯や問題点が詳しく書かれている。 とくに、障害に関して。 障害者が供述弱者であるといのはなんとなくイメージできても、障害のグレーゾーンにある人が、取り調べにどんな反応を示してしまうのかはなかなか想像できない。それを裁判の場で実証し、先例とした意味において、この再審無罪が勝ち取ったものは非常に大きいと思います。 ただ救いのないのが滋賀県警。結果論だけで県警を謗ろうとは思わないけど、懲罰房を交渉の条件とする、作文する、組織に隠れる、組織としては一般論でしか反省しない、別件では、強いられてもいない土下座もする、なんてことに弁解の余地があるはずもなく、正義感のかけらも感じない。 もちろん、口を割らない極悪人に対峙している苦労は認めるけど、滋賀県警といわず、これだけ冤罪が起きているんだから、解決策を探ろうって気にならないのが不思議なくらい。多分、第三者じゃないとできないとは思うけど。

  • 2003に起きた、滋賀県東近江市の湖東記念病院での、みゅういんん患者の死因はなにか

    こんな警察官がいるのかと、衝撃を受けた。事件の真相よりも、いかに事件を早期解決に持ち込むか。そこには真実など顧みない警察の姿が。 72歳の入院患者が死亡した。人工呼吸器が外れた過失致死と警察は当初考えていた。ところが警察官を好きになった看護助手が、「人工呼吸器のチューブを外した」と自白したことにより、殺人事件となり、12年の実刑判決が下された。 ところが、獄中から350通もの「私は殺していません」という手紙が、家族あてに届く。それを知った新聞記者が、この事件を追い始める。そして看護助手には軽度知的障害があるのではないかとの疑いから、この事件を、今までの角度と全く視点で検証していく。 冤罪の証明は、再審請求者側から証拠を提出しなければならず、再審請求の難しさを思い知らされる。 被疑者の好意を利用し、事実とか関係なく、殺人事件として解決させようとした、滋賀県警のやり方に憤りを感じる。

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