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平安文学の人物と史的世界 ─随筆・私家集・物語─ 並製版

関根賞

平安文学の人物と史的世界 ─随筆・私家集・物語─ 並製版

高橋由記

平安文学に描かれた人物の実像と史的背景を、随筆、私家集、物語の読解から探る研究書。

古典文学評論

作品情報

後宮と物語の人物像を、史料から立体的に読み直す。

武蔵野書院刊。漢文日記や家集類を手がかりに、平安文学の人物造形と歴史的世界を再検討する。

書籍情報

出版社
武蔵野書院
発売日
2021-03-31
ページ数
438ページ
言語
日本語
サイズ
21.1 x 15 x 2.9 cm
ISBN-13
9784838607471
ISBN-10
4838607474
価格
1320 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/評論・文学研究/日本文学研究

平安文学に描かれた人物の実像や史的世界の丹念な分析と可視化の試み 平安文学に描かれた貴紳・後宮・女房の実像を、漢文記録類・諸家集の読み解きから探る粘り強い試み。 『枕草子』や『栄花物語』が何を描き、何を描かなかったか、文学作品の特異な手法が見えて来る。 漢文日記や名家秘蔵の家集類が一斉に公開、刊行、施注されてきた近年の学界状況に柔軟、貪欲に挑み、これまで空白だった後宮空間の歴史が豊かに再現される。 『枕草子』の一時代前に存在した円融朝の媓子後宮の可視化は中古文学会賞に輝いた試み。 作り物語の人物造形と史実との付き離れを問う「源氏」「寝覚め」「狭衣」論も意欲的である。 《日本女子大学名誉教授 後藤祥子》 【目次】 凡例 序にかえて 第一編 『枕草子』の人物・描写・執筆意識 第一章 『枕草子』の上達部 はじめに 一 『枕草子』にみえる上達部 二 記された官職と本官 三 のちに上達部になった人物 四 上達部の描かれ方 五 『枕草子』に名の見えない上達部 おわりに 第二章 清少納言と会話する男性貴族 はじめに 一 清少納言との会話が記される人たち 二 会話の実体 三 会話のある人物の分類 おわりに 第三章 『枕草子』八〇段「里にまかでたるに」に関する疑問 ――書かれなかった済政、書かれた斉信―― はじめに 一 源経房、橘則光 二 書かれなかった源済政 三 書かれなかった理由 四 書かれた斉信 おわりに 第二編 後宮・文化圏 第一章 和歌からみた村上朝の後宮 はじめに 一 村上朝の後宮 ――『一代要記』『栄花物語』―― 二 『村上天皇御集』にみるキサキ 三 和歌からみた村上朝のキサキ 四 『御集』にみえないキサキ おわりに 第二章 堀河中宮?子の文化圏 はじめに 一 『栄花物語』、『大鏡』にみる媓子 二 家集にみる媓子の文化圏 その一 ――男性の家集―― 三 家集にみる媓子の文化圏 その二 ――女性の家集―― 四 媓子の女房 おわりに 第三章 脩子内親王の文化 はじめに 一 生涯 二 三条朝と後一条朝 三 後朱雀朝 四 延子の入内 五 脩子内親王の女房 おわりに 第四章 後朱雀天皇およびキサキの文化的営為と文化圏 ――女御延子を中心に―― はじめに 一 後朱雀天皇 ――『栄花物語』にみる人となり、治世、文学的嗜好―― 二 キサキへの贈歌 三 キサキたちの文化的、文学的営為 四 女御延子 ――実父頼宗と養母脩子内親王―― 五 延子女房 おわりに 第五章 妻后並立の実態 ――後冷泉朝後宮の特徴―― はじめに 一 一条朝の妻后並立 ――皇后定子と中宮彰子―― 二 三条朝の妻后並立 ――皇后娍子と中宮姸子―― 三 後朱雀朝の妻后並立 ――皇后禎子内親王と中宮嫄子―― 四 後冷泉朝の妻后並立 ――中宮章子内親王と皇后寛子―― 五 三人の妻后 おわりに 第六章 後冷泉朝後宮と妻后同殿におけるキサキの文化圏 はじめに 一 キサキと皇子女 二 後宮の特徴 ――妻后同殿―― 三 後冷泉朝の文学 四 章子内親王の文化圏 ――後朱雀朝―― 五 中宮章子内親王の文化圏と『出羽弁集』 六 女御歓子 七 皇后寛子の文化圏 おわりに 第七章 『四条宮下野集』と皇后寛子の文化圏 はじめに 一 『下野集』の描く寛子の文化圏と、『枕草子』 二 「~におはします」という書き出し 三 『下野集』にみる寛子 四 他資料にみる寛子 おわりに 第三編 作り物語の人物と史実 第一章 『源氏物語』「蜻蛉」巻の宮の君 はじめに 一 式部卿宮の意味するもの ――史実と『源氏物語』―― 二 蜻蛉式部卿宮の宮の君 三 貴顕の女の出仕 四 史実に見る宮の君 五 『夜の寝覚』『狭衣物語』の式部卿宮女 おわりに 第二章 摂関家嫡子の結婚と『夜の寝覚』の男君 はじめに 一 男君の家系 二 摂関の母 三 藤氏長者 四 藤氏長者の男の妻室 五 受領層の女との結婚 六 『夜の寝覚』男君の結婚観 おわりに 第三章 『夜の寝覚』の宮の中将 ――親王男の登場と役割―― はじめに 一 史実としての親王男 ――源頼定の存在―― 二 宮の中将と男君 三 宮の中将と帝 四 宮の中将と老関白二女 五 式部卿宮女(承香殿女御) おわりに 第四章 『夜の寝覚』の女一宮 ――降嫁した内親王(一)―― はじめに 一 内親王の降嫁 二 「やむごとな」い女一宮と、「劣りざま」の女君 三 女一宮の病と男君の愛情 四 隔意を持たない男君 五 一品内親王 おわりに 第五章 『夜の寝覚』の朱雀院 ――降嫁した内親王の父院―― はじめに 一 史実における皇女の結婚 ――父の不在―― 二 物語の内親王降嫁 三 『夜の寝覚』の女一宮降嫁 四 朱雀院の描写箇所 五 朱雀院の存在感 六 降嫁した内親王の父院 おわりに 第六章 『狭衣物語』の一品宮 ――降嫁した内親王(二)―― はじめに 一 嵯峨帝三内親王 二 一条院一品宮 三 無実の噂から降嫁へ 四 狭衣の隔意 ――同居しない降嫁―― 五 「見ま憂」き世の中 六 一品宮の社会的立場 おわりに 付一 師輔女について ――三女(源俊賢母)、四女(源盛明室)、五女愛宮、六女?子―― はじめに 一 師輔三女 ――源高明室(=俊賢母)―― 二 師輔四女 ――『盛明親王集』を手がかりに―― 三 師輔五女(愛宮) 四 師輔六女(怤子)――五女愛宮、六女怤子の生年―― おわりに 付二 愛宮のこと 初出(原題)一覧 あとがき 索引(人名・書名/枕草子章段/和歌初句)

高橋 由記(たかはし・ゆき) 埼玉県生まれ 日本女子大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期単位取得満期退学 現在 流通経済大学 准教授 博士(文学) 共著 『中古歌仙集(一)(和歌文学大系54)』(明治書院、2004年) 主要論文 「堀川中宮?子の文化圏―歴史に消えた文化圏のひとつとして―」(『国語と国文学』86巻10号、2009年10月号)、「後冷泉朝の後宮と文化圏―妻后同殿とその文化圏について―」(『中古文学』91号、2013年5月)、「頼通時代の後宮文化―『四条宮下野集』と皇后寛子―」(日記文学研究誌』19号、2017年7月)など

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