作品情報
鷗外文庫へ帰るという結びが、記憶を守る場所への静かな帰還を印象づける。
2023年に『短歌研究』へ発表された二十首連作。坂井修一の第十三歌集『鷗外の甍』に収録され、鷗外文庫を見つめる視線を軸に、学問、文学、そして現代を生きる身体の感覚をたどる。
書籍情報
- 出版社
- 短歌研究社
- 発売日
- 2025-04-10
- ページ数
- 204ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 2 x 13.1 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784862728005
- ISBN-10
- 4862728006
- 価格
- 3300 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌/詩集
吾もきみも河原乞食とながらへて閻浮は歌の花ざかりなれ 2024年「鷗外守」20首にて第60回短歌研究賞を受賞した著者の第十三歌集。 歌集冒頭の頃、著者は大学の附属図書館長となった。 定年を迎えた今もその鷗外ゆかりの図書館の仕事を続け、自らを「鷗外守」と任じている。 あとがきには、「森鷗外。石原純。北原白秋。木下杢太郎。釈迢空。南原繁。馬場あき子はじめ現代歌人たち。歌集題『鷗外の甍』は、明治から連なる皆さんへのオマージュです。」と記し、科学者であると同時に歌人であることに思いを巡らせている。 2021年春から2025年新春までの507首を収録。 【収録作品より】 妻も吾も梅雨のあらくさ戦争のすきまに生きて六十余年 ──「梅雨のあらくさ」 「出征」は出づるにあらず征くならずサイバーの野に矢を放つこと ──「出征」 ちりあくた舞ふうつしよの昼の鐘帰りなむいざ鷗外文庫 ──「鷗外守」 わたくしは世界とおなじ壊れものペットボトルを双手でつぶす ──「世界とおなじ壊れもの Ⅰ朝刊」 AIもおもしろけれど薔薇咲けばブリコラージュの歌を歌はな ──「擁腫」 装幀=岡 孝治(Oka Design Office)
1978年、「かりん」入会と同時に作歌開始。 歌集『塗中騒騒』、『望楼の春』(迢空賞)等12冊。 現在、「かりん」編集人。現代歌人協会副理事長。 東京大学副学長・附属図書館長・未来ビジョン研究センター特任教授。 2024年、第60回短歌研究賞受賞。
関連する文学賞
- 短歌研究賞 第60回(2024年) ・受賞