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寒気氾濫 (現代短歌クラシックス08)

現代歌人協会賞

寒気氾濫 (現代短歌クラシックス08)

渡辺松男

渡辺松男の第一歌集。雲、樹、野菜、卵、赤ん坊といった身近な事物を見つめ、素朴さと形而上学的な感覚を往還する。自然の細部に宿る時間や生の手触りを、天真爛漫で虔ましい言葉として掬い上げる。

自然生命時間日常形而上学

作品情報

自然の細部にある時間と生の手触りを、素朴に、そして深く詠む歌集。

『寒気氾濫』は渡辺松男が1997年に本阿弥書店から刊行した第一歌集で、1998年の現代歌人協会賞を受賞した。2021年には現代短歌クラシックスとして書肆侃侃房から再刊され、初期の代表作を読むことができる。

レビュー要約

  • 樹海、樹木、竹の子などの自然を詠み、素朴で虔ましく、天真爛漫な歌集として紹介されている。生命感のある自然描写が作品世界の核になっている。

書籍情報

出版社
書肆侃侃房
発売日
2021-09-24
ページ数
168ページ
言語
日本語
サイズ
18.8 x 12.8 x 2.5 cm
ISBN-13
9784863854826
ISBN-10
486385482X
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/詩歌/歌集

【収録歌より】 橋として身をなげだしているものへ秋分の日の雲の影過ぐ つくづくとメタフィジカルな寒卵閻浮提(えんぶだい)容れ卓上に澄む キャベツのなかはどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする 背を丸め茂吉いずこを行くならん乳房(にゅうぼう)雲(うん)はくろぐろとくる 赤ん坊花びらのような声を呑みはじめての重き月を見にけり 樹は内に一千年後の樹を感じくすぐったくてならない春ぞ

渡辺松男(わたなべ・まつお) 一九五五年五月、群馬県伊勢崎市生まれ。前橋高校を経て東京大学文学部卒。 歌集に『寒気氾濫』『泡宇宙の蛙』『歩く仏像』『けやき少年』『〈空き部屋〉』『自転車の籠の豚』『蝶』『きなげつの魚』『雨る』。句集に『隕石』。 現代歌人協会賞、ながらみ現代短歌賞、寺山修司短歌賞、迢空賞を受賞。「歌林の会」会員。

レビュー

  • 歌集一覧

    ※ 永田和宏『 現代秀歌 』、渡辺の歌集を評していわく、「ある種の酩酊状態に読者を落とし込む作品が並ぶ。[…]一部を抄出してもそのおもしろさはわからない」(72-73頁)。 第1歌集『 寒気氾濫 』※現代歌人協会賞 第2歌集『 泡宇宙の蛙 』※ながらみ現代短歌賞 第3歌集『 歩く仏像 』※寺山修司短歌賞 第4歌集『 けやき少年 』 第5歌集『 空き部屋 』 第6歌集『 自転車の籠の豚 』 第7歌集『 蝶 』 第8歌集『 きなげつの魚 』 第9歌集『 雨る 』 第10歌集『 牧野植物園 』 第11歌集『 時間の神の蝸牛 』

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