作品情報
偶然の待ち合わせが、迷宮みたいな夜へ変わる。
書肆侃侃房のことばと新人賞受賞作。見知らぬ人との待ち合わせから始まり、街の夜をさまよう感覚で読ませる、静かな不穏さをはらんだ長編小説。
書籍情報
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2023-05-26
- ページ数
- 224ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 1.8 x 13.5 x 19.6 cm
- ISBN-13
- 9784863855779
- ISBN-10
- 486385577X
- 価格
- 1600 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第4回ことばと新人賞受賞作 【あらすじ】 知り合いから頼まれて顔も知らない人と待ち合わせをする羽目になった俺(水上)。この人と思ったキザキさんは別の男と去ってゆき、代わりに現れたサカナさんに誘われるままに不思議な居酒屋で飲み明かし、まさに迷宮にはまり込んでゆく、心理的ロードムービーのような作品。ほかに書き下ろし「Maxとき」も収録。 【帯文より】 読む/書くを通して、人は自由にどこにでも行かれる。 言葉にはこんなことができるのだし、言葉にしかこんなことはできない。 見事な文章体力の、風通しのいいチャーミングな小説。 ーー江國香織(小説家) 呆れ返ること必至! 笑っちゃうこと不可避!! なのにグッときちゃうこの不思議!!! 新人はヘンテコなくらいがちょうどいい。 人間は少しダメなくらいがちょうどいい。 生き方はゆるいくらいがちょうどいい。 だから福田節郎の小説は、すごくいい。 ーー豊﨑由美(書評家)
福田節郎(ふくだ・せつろう) 1981年神奈川県生まれ。「銭湯」で第4回ことばと新人賞受賞。
レビュー
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かなり愉快な小説だ。
かなり笑える。作者の才能を感じる。
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文体強めの小説が好きな人におすすめです
読み手を飲み込んでくるような文体強めの小説だった。言葉の力でぐいぐい腕を引っ張られて別世界に連れていかれる。別世界というのは、もう一つの現実があってそこに自分が住むみたいなかんじ。ストーリーは現実だけど、なぜかSFっぽくも感じる。マジックリアリズムぽい先行作品はいろいろありますが、こちらはまったく新しい形態でそれをやっている感じというか、他とは全然違った。とにかく面白く、日本語で書かれたいわゆる純文学小説を読んだときにしか味わえないような感覚を久々に味わえた。受賞作もいいが併録の「Maxとき」もかなり良かった。併録の作品でこんなにいいと思うことはあまりないような気がする。陰惨な、深くて濃い、でもそこぬけに明るいムードのある恋愛小説で、わけがわからないくらい面白かった。笑ったし泣いた。みんな真剣に生きていて、真剣に世界を大事にしようとしている。読んでいて映像が浮かぶというか、映像というよりメタバースみたい。現実のなかに入っていって、そこで自分も生きているみたいな気分を味わえて、小説ってこうだったよなと思う。読後は映画館を出たあとみたいに清々しい気持ちになった。夢をみてる感じになるのかも。文体強めの小説が好きな人におすすめです。
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好き嫌いがはっきりわかれそうだけど、多くの人に読んで欲しい
個人的にはものすごく好きでした。作者には申し訳ないけど、好きな人とそうでない人がはっきり分かれてしまうと思います。ちょっと読んだだけで投げてしまう人のほうが多いかもしれません。文章は冗長だし、筋らしい筋や展開はなく、出てくる人もみんなデタラメで、なんだこれは!と怒ってしまう人もいるかも。でも私はのめり込んでしまいました。ずっと楽しく読み通せたのは、小説の趣味というよりは性格かもしれません。こういうダラダラした、得るものが全然ない(ごめんなさい)、バカバカしい、でもすごく誠実に、ダラダラとバカバカしいことをしている時間が描かれた小説はあまりない気がします。青春といったら少し違うかもしれませんが、私自身にとってのかけがえのないものを思い出させてくれました。小説の内容で笑って、自分の思い出に泣いてしまうみたいな。そういうことを抜きにしても、細かいエピソード(最後のイタコのくだりは特に)や文章もすごく面白かったので、多くの人に読んで欲しいけど、やっぱり人は選ぶと思います。でも私は併載されている作品も含めてすごく楽しい読書体験にはなりました。
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酒飲みのための文学
好みはわかれるかもしれません。 私は非常に強く引き込まれました。 酒飲みのダメな友人と飲んでいた頃を思い出します。
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- ことばと新人賞 第4回(2022年) ・受賞