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Re:RE-リ:アールイー- 1 転生者を殺す者 (オーバーラップ文庫)

オーバーラップ文庫大賞

Re:RE-リ:アールイー- 1 転生者を殺す者 (オーバーラップ文庫)

御鷹穂積

死者を乗っ取る転生者が支配する世界で、娘の遺体を取り戻したい戦士ディルと、彼に救われた少年シドが旅を続けるダークファンタジー。執念と憧れがまっすぐにつながる導入が強い。

ダークファンタジー復讐師弟関係不死の敵冒険

作品情報

憧れは、殺し尽くす戦いの先にある。

第7回オーバーラップ文庫大賞銀賞受賞作。死者を奪う転生者が支配する世界で、戦士ディルと少年シドが、不死の敵に抗う理由を深めていく。

レビュー要約

  • 不死の敵と家族の喪失を軸に、戦う理由を強く押し出した物語としてまとまっている。重い設定を、師弟のような二人の関係で最後まで引っ張る。

書籍情報

出版社
オーバーラップ
発売日
2021-01-25
ページ数
314ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.5 x 14.8 cm
ISBN-13
9784865548211
ISBN-10
4865548211
価格
715 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

不死身の敵を、殺し尽くせ! “転生者"――五年前、レッドガルドと呼ばれる大陸に突如現れ侵攻を始めた不死の者達。 人々の遺体を乗っ取り蘇る彼らによって、レッドガルドには今日も戦火の粉が舞う。 その地において、殺された娘の遺体を取り戻すため、転生者を狩り続ける男がいた。 彼の名はディル・スティールリンク。 ディルは旅の最中、一人の少年、シド・ファロンを転生者の手から救う。 旅に同行することとなったシドは、自らの命を燃やし、民衆の戦意をも焚きつけるディルの背中に憧れるようになり――。 これは運命に抗い続ける男達の、戦いの物語。 不撓不屈の超神話級バトルファンタジー、ここに開幕!

レビュー

  • 全体的に説明不足

    あらすじとタイトルに惹かれて購入。 別の世界から死体に取りつき科学技術とスキルを用いて侵攻する『転生者』と戦う物語。 私が個人的に合わなかっただけかもしれないが、まず文章が合わず、情報が頭に入らないため読むのに苦労した。 冒頭のシーンからして転生したばかりの転生者、主要人物となる少年シド、それを助ける主人公ディル、とここまではいいのだが転生者が使う異様な風体の生体兵器や、それにまたがっているほかの転生者まで登場している(わりに彼らはそのシーンにとくに何も寄与しない)ため、かなり情報としては多いのにテンポ重視なのか背景や仔細は省いて風景としてしか描かれていないため説明不足に感じるというか、提示するべき情報の取捨選択ができていないように思える。このシーンの主軸はシドとディルの出会いであり、ぶっちゃけ生体兵器とディルが退治する以外の転生者は要らないというか、いてもわざわざシーンの構成要素として描く必要はないのではないだろうか。 また以上の点も含めて、この冒頭のシーンから場面を描くための『視点』(ないしカメラ)をどこに置いて描いているのかが曖昧で、起きていることは文面として理解はできるのだが、想像としてはいまいち頭に浮かんでこない。例えばこの冒頭で言えばその視点は転生者なのか、シドなのか、ディルなのか、はたまた俯瞰する神視点なのか、いまいちどこから見ればいいのか分からず、絵面が浮かんでこないことから文面としてそれを理解するしかないため、わりと苦労する。 文章としては別におかしい部分はなく、実際、単純に文章として追えば何が起こっているのかは理解できる。ただそこから没入感や臨場感に繋がる『場面』『絵面』といったものが頭に浮かんでこない、といった文章に感じた。 この視点の不在感は終盤にかけて緩和しているように思うが、冒頭はそういう意味で引っかかりを覚える部分が多い。 例えば敵である転生者は高度に発展した科学技術を用いり、また『スキル』と称するサイコキネシスやパイロキネシスなどの超能力を使ってくる、いわゆるサイバーパンク的な存在だ。登場する生体兵器を始め、バイクや銃火器など、物語の舞台であるレッドガルドの住人が神話と神を信じ、演劇の英雄譚に興奮し、剣や槍や盾を用いて戦うのに比べればはるかに進んだ道具を使用するし、物語の中にそれは次々と登場する。 ただそれはいいとして、そのレッドガルドの住人から見ている(ように感じる)シーンでも当然のように『プラスチック』や『結束バンド』といった言葉が平然と地の文に登場するのは、かなり没入感がそがれる。物語を読み進めればレッドガルドの住人にも何らかの科学的知識があったり、あるいは転生者との戦いの中でそうした知識が伝わっていることは分かってはくるのだが、それにしてもその辺を説明しないままそういう言葉を唐突に使ってくるのでやはり説明不足の感が強い。 また台詞の中でもレッドガルドの平凡な少年であるシドが「ウザい」「ドヤ顔」といった現代風の言葉を使うことには違和感を覚える。 あとがきを読むとイリアス叙事詩を始め様々な作品の文体を参考にしたと作者さんは述べているが、そのせいなのかかどうなのか、全体的に、表現したいものに対しての調和や統一性が取れていない、ちぐはぐな印象を受ける文章である。 また、そのわりに冒頭でも触れた情報の取捨選択の甘さはその文章においてどこに注目すればいいのか、どこを強調したいのか、それを曖昧にしてしまい、文章そのものの起伏をも削いでいるように感じた。 さらに戦闘描写における状況の変化や転換においてディルの『名乗り』を挟む手法は独特で面白いとは感じたが、それも含めていわゆる『決め』や山の部分の描写の仕方や表現方法が少々ワンパターンすぎるように思う。ついでに視点の不在感が人物たちの時間や距離を曖昧にしている面もあり、戦闘シーンなどではしばしば単調さを感じてしまうことがあった。 テンポを重視しているのだろうとは思うが、それにしても説明不足、ひいては説明すべき部分の選定の甘さが、単なる脈絡のなさにも繋がり、またそれを多用していることで情報がイメージとして結実しにくい文章になっている……というのが私の感想だった。 もちろん最初でも述べた通り、これは単に表現の方法が私の感性に合っていないだけであり、文法的にはおかしい部分もないので合う人には巧みな文章だと感じられるという可能性がある、ということは再度言及しておきたい。 ただタイトルにも「1」とあるように続刊を想定した作りなのは分かるが、それを前提として登場しているのであろう人物「霧崎ぬえ」がその名前も含めて作中で浮いていることや、「続き」のためとはいえ終盤の展開は物語的にも消化不良で爽快感に欠けること、その根底には全体にある「説明不足」の感が要因として考えられることから、個人的には作者さんの独りよがりを強く感じてしまう作品だった。

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