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55 new books

雨、時々こんぺいとう (メディアワークス文庫)
KADOKAWA

雨、時々こんぺいとう (メディアワークス文庫)

柴野 日向

高校生の梓が図書館で出会った旭は、雨を操り動物と話すことができる不思議な力を持つ少年だった。いつも雨に孤独を隠す彼と静かに寄り添う図書館での時間は、梓の心を温めていく。しかし梓は「彼は殺人犯の息子だ」という噂を耳にする。周囲の冷たい視線と旭が抱える暗い過去。旭は梓を守るために自ら距離を置こうとするが、ふたご座流星群の夜に二人は一つの約束をし――旭は姿を消した。雨が呼ぶ奇跡と星空に誓う恋の物語。

砂上メイド戦艦喫茶あぽかりぷちゅへようこそ (電撃文庫)
KADOKAWA

砂上メイド戦艦喫茶あぽかりぷちゅへようこそ (電撃文庫)

倉田 和算, キャロル

原因不明の大量降砂によって砂に埋もれた近未来の日本。砂漠と化したトウキョウをさまよう少女・セグメの目の前に謎の建物が突然現れる。そこは「あぽかりぷちゅ」、さまよう人々を載せて砂漠を行く不思議な戦艦に開店したメイド喫茶だった。艦長兼メイド長のハゴロモや個性的なメイドたちに囲まれ、半強制的に見習いメイドにされたセグメは、厳しい研修でメイドの極意を叩き込まれていく。笑いありドンパチありちょっぴり涙あり、殺伐とした世界を「かわいい」で救うガールズファンタジー。

刑事の境界線 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
宝島社

刑事の境界線 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

宮島 明道

小金井警察署盗犯係の新米刑事・馬場みどりは、ゲームセンターで起きた盗難事件を捜査するかたわら、連続車上荒らしの犯人として未成年の女性二人を逮捕した。一方、組織対策係の悪徳刑事・亀井忠之は、違法風俗店に対するガサ入れ情報を漏らして運営者を逃がす。性被害にあった女性たちの尊厳を守ろうとするみどりの成長劇と、腐敗に染まった亀井の転落劇が交錯し、クライマックスで劇的に交差する警察捜査小説。

海を吸う/庭に接ぐ
河出書房新社

海を吸う/庭に接ぐ

才谷 景

体中に穴が開き、液体が溜まっていくひよりは、「穴の底を貫く」と言ういっくんと、「筒になりなさい」と言う母に囲まれて生きている。独特の重さと湿り気に満ちた世界に読者を引きずり込む、第60回文藝賞短篇部門優秀作。受賞後第一作「庭に接ぐ」を収録した単行本が2026年4月に刊行。

あなたが走ったことないような坂道
新潮社

あなたが走ったことないような坂道

有賀 未来

香港で生まれ、移民の養父母のもと日本で育った女子高生の星瑤(シンユ)は、あたしは香港人なのか、中国人なのか、日本人なのかという問いを抱えながら生きる。母国とは何か、母語とは何か、家族とは何か、親友への気持ちは愛なのか。アイデンティティの揺らぎを全身全霊で駆け抜ける18歳の鮮烈なデビュー作。

大阪ウェットランド (文芸書・小説)
光文社

大阪ウェットランド (文芸書・小説)

服部 倫

売れないドラマーの椿恭志郎は、喫茶店でチンピラに絡まれていた難聴の中学生・晴斗がSOSサインを出しているのに気づき、助けの手を差し伸べる。しかしその行動がきっかけで、ヤクザ・半グレ・怪しい刑事たちに目をつけられることになる。個性豊かな仲間たちと共に大阪中を駆け回りながら、主人公は大阪府北部に実在する湿地周辺の開発利権をめぐる闇に迫っていく。大阪弁の軽妙な語り口と正統派ハードボイルドの融合が評価された第29回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞のデビュー作。

ギアをあげて、風を鳴らして
集英社

ギアをあげて、風を鳴らして

平石 さなぎ

第38回小説すばる新人賞受賞作。小学四年生の吉沢癒知は、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で「降り子(=創父の生まれ変わり)」として信徒から崇拝されていた。幹部の母からは、神聖な身体を持つ者として食事や他者との触れ合いを厳しく制限されていたが、自分に寄せられる信徒の信仰心や日々の「儀式」に抵抗をおぼえはじめていた。そんな癒知の前に現れたのは、家庭の事情で何度も転校を繰り返している渡来クミ。ある日、学校のトイレで遭遇したことをきっかけに、ふたりは距離を縮めていく。母親同士も親交を深めるようになり、やがて二人を取り巻く状況は思わぬ方向へと展開していく。新興宗教の閉鎖的な世界で育った少女と、転校を繰り返し居場所を探し続ける少女が紡ぐ、シスターフッドの物語。

梅咲く頃にまた会おう
講談社

梅咲く頃にまた会おう

迂回 ひなた

ある夏の夜、大学生の若梅は仲間との肝試しの帰り道に声をかけられる。「ひさしぶり、梅ちゃん」——それは友人の身体に乗り移った、死んだはずの初恋の人、小梅だった。アルバイトに夏祭り、そしてデート。失った時間を取り戻すように、若梅は彼女とささやかな願いを一つひとつ叶えていく。いつかは身体を返さなくてはいけない、それでも——。「もう一度会いたい」という真っ直ぐな願いが起こす奇跡は、一つじゃない。純度100%のタイムリミット・ラブストーリー。

粉瘤息子都落ち択
集英社

粉瘤息子都落ち択

更地 郊

上司のパワハラで退職し、引きこもり気味に暮らす野中が、大学時代の友人・忍から持ちかけられた奇妙な対戦の依頼をきっかけに、居場所のなさと友情の距離感に向き合っていく物語です。格闘ゲーム、自販機のテープ、マウンテンデューといった卑近なモチーフを通して、だるさの中に切実さが滲む日常が描かれます。

アナヅラさま (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
宝島社

アナヅラさま (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

四島 祐之介

温泉で知られるとある地方都市で女性の失踪事件が相次ぎ、「顔にぽっかり穴のあいた怪物がひとを攫い、穴の中に吞み込む」という都市伝説が囁かれるようになる。私立探偵の小鳥遊穂香は依頼を受けて調査を開始し、この「アナヅラさま」と呼ばれる噂の背後に連続殺人鬼の存在を疑い始める。一方、実際の犯人は思わぬ事態に直面していた。ヤクザに犯行を知られ、死体処理に利用されることになってしまったのだ。ホラー的な都市伝説とミステリーが融合した、どんでん返しのある犯罪小説。

みずうみの満ちるまで
早川書房

みずうみの満ちるまで

土形 亜理

気候変動と戦争に荒れた未来、富裕層は精神を仮想空間に移し永遠の命を得たが、全財産を次世代に託し死を選ぶ者もいた。彼らの望む最期を約束する楽園〈ヘヴンズガーデン〉で、元難民のコーディネーター・エルムは、異なる死生観を持つ人々と向き合いながら、人類の過ちと生きる意味を問い続ける。第13回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作。

フェイスウォッシュ・ネクロマンシー (単行本)
筑摩書房

フェイスウォッシュ・ネクロマンシー (単行本)

栗原 知子

息子の不登校に悩む四十代のパート主婦「私」は、美容品の店で洗顔料のテスターを使ったその日から、亡き祖母の霊を降ろせるようになった。掃除に打ち込む日々の傍ら、もの言わぬ祖母の気配とともに、家族の傷や記憶と向き合いながら「越冬」していく。日常の小さな苦しみをユーモアとペーソスで包み込んだ、奇想と共感の物語。