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鳥の夢の場合

Gunzo Newcomer Literary Award

鳥の夢の場合

Shunya Komada

Hatsuse and Hasumi share a house with a Java sparrow. One day, Hasumi makes a strange and unsettling request: "I died. So won't you kill me?" In prose where dreams and reality, past and present, life and death all blur together, this debut novel traces the fifty-five days leading up to Hatsuse's decision. Winner of the 68th Gunzo New Writer Award and nominated for the 173rd Akutagawa Prize.

life and deathdream and realityshared livingmemorybirdsdecision-makingdissolution of boundaries

Work Information

"I died. So won't you kill me?" She pressed her ear to his chest. And indeed, his heart had stopped.

A debut novel and finalist for the 173rd Akutagawa Prize, winner of the 68th Gunzo New Writer Award. "I died. So won't you kill me?" She pressed her ear to his chest. And indeed, his heart had stopped. Two people and one Java sparrow sharing a house. An easy, unsettling request brought by housemate Hasumi to Hatsuse. Dreams and waking, past and present, life and death. Fifty-five days while "I" stares at the river dividing here from there, and comes to a decision.

Review Summaries

  • Some praise the unique prose style and its blurring of life, death, dream, and reality, while others find the quietly paced narrative hard to follow. Generally regarded as suited to readers who enjoy atmosphere-driven literary fiction. Mixed reception.

Book Information

Publisher
講談社
Published
2025-07-16
Pages
152 pages
Language
日本語
Size
13.5 x 1.6 x 19.4 cm
ISBN-13
9784065404256
ISBN-10
4065404258
Price
1760 JPY
Category
本/文学・評論

デビュー作にして、第173回芥川賞候補作! 第68回群像新人文学賞受賞作! 「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」彼の胸に耳を当てた。するとたしかに心臓が止まっていた――。シェアハウスに住まう二人と一羽の文鳥。一つ屋根の下、同居人の蓮見から初瀬にもたらされた、気軽で不穏な頼み事。夢と現、過去と現在、生と死。あちらとこちらを隔てる川を見つめながら、「わたし」が決断するまでの五十五日。

1995年京都府生まれ。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)文芸表現学科卒業。2025年「鳥の夢の場合」で第68回群像新人文学賞を受賞しデビュー。同作が第173回芥川賞候補となる。

Reviews

  • 現実と夢の境目にご注意!生と死の概念がフワフワする不思議な文学体験

    デビュー作にして群像新人文学賞受賞、さらに芥川賞候補にもなったという話題性に惹かれて手に取りました。期待値が高かった分、少し戸惑いながら読了しましたね。 読んでみて良かったのは、とにかく文章の持つ独特な世界観です。同居人が「死んでもうたから殺してくれへん?」という不穏な頼み事をしてくるという、出だしから「なんじゃこりゃ」と引き込まれます。主人公の「わたし」の身体感覚に関わる表現が非常に面白く、目を閉じているのに見ている感覚とか、意識が曖昧になる瞬間がリアルに描かれていて、まるで自分も夢と現実の狭間にいるような気分になりました。特に、誰かの思考と「わたし」の思考が混然一体となって語られるような、一人称と三人称が入り混じる文体は、この小説ならではの強烈な差別化ポイントだと思います。 少し残念というか、注意すべき点としては、物語が淡々と進むため、正直何を読んだのかよくわからないという感覚が残ってしまうことです。他の意見を見ても、理解不能だった、という感想もあって、この余白表現主体の雰囲気系の作風は、やはり好みが分かれるだろうなと感じました。深読みすればするほど迷路にハマる感じがして、疲労感も結構ありましたね。 普段から純文学を読む方や、ロジックよりも感覚や雰囲気を重視する、ちょっと不思議な世界に浸ってみたい人におすすめしたいです。話の展開や結末をガッチリ理解したい人には向かないかもしれませんが、生と死、現実と非現実の境目が曖昧になる感覚を味わいたいなら、ぜひ挑戦してみてください。私も元気がある時に、もう一度ゆっくり読み直してみようと思っています。

  • 主人公は、全く感じないところに、新奇性がある。

    芥川賞候補作品四作を初めて全部読んだ。受賞したものだけ読んでいたが、こうやって候補作品を全部読むのは、受賞者なしだったからだ。芥川賞に選ばれるには、作品の質があり、作品の完成度、独自性、新奇性、革新性などが評価されるという。まるで特許みたいだなぁと思った。結局、この四作は、作品の質が到達していなかったということだ。また、初めて芥川賞の仕組みを知った。純文学作品であること、新人作家による純文学作品が対象で、文學界、新潮、群像、スバル、文藝といった主要な文芸誌や同人誌な度で発表された作品の中から候補作が選ばれるということらしい。 四作読んで、やはり落ち着いて読めたのは、『トラジェクトリー』だった。アメリカ人が日本で自分の居場所を探すという物語で、自分の居場所を見つけるって現代的なテーマだ。日比野コレコ(著)『たえまない光の足し算』は、言葉がよくわからないし、文脈も不明で、迷路のような作品だったが、いまを象徴している。ある意味では、新奇性があったと思う。向坂くじら(著)『踊れ、愛より痛いほうへ』は、別に痛い方に行かなくてもいいなぁ。コミュニケーション不足がいちばんの問題で、現在の病巣だねと思った。 本書の『鳥の夢の場合』は、やっぱり鳥の夢はようわからんなぁという感想だった。 初瀬と蓮見は同居し、文鳥を飼っている。以前は、四人で住んでいたが、二人出たので、二人になった。 蓮見は、初瀬に「おれ、死んでしもうた。やから殺してくれへん」という。 初瀬は、朝ごはんの目玉焼きを作っていた。だから、蓮見に「ん?うん。とりあえずこれ食べようよ、朝ごはん」と対応する。あまりにも、不思議なのどかな始まりだ。 とにかく、死も軽いし、生きていることも軽い。 Baby don't worry about it. という言葉が、リフレインする。 まぶたは、閉じるのが自然なのか?それとも開いていくのが自然なのか。 まぶたを閉じると、光が遮られることで、見えなくなるが、目は見ているのだ。 まぁ。よく似た話で、息は吐いてから始まり、吸って終わるというから、赤ちゃんのまぶたは開かれたまま生まれ、そしてまぶたを閉じて死ぬんでしょうね。始まりと終わりが重要なのだ。また、こうやって、文章にすることが、文学だなんて、ちょっと浅はかにも、いじらしさも感じる。 初瀬は、死んでしもうたというから、蓮見に「あなたは今幽霊ということ?」というと、蓮見はようわからへんけど、「たぶん」と答える。それで、手を取って、脈を見たら脈は止まり、心臓も止まっていた。確かに、死んでるようだったから、「蓮見くんは一体何を、私に頼んでいるの?」というと、蓮見は色々と説明する。「仮におれの今のこの状態を生きていると例えるなら、それがどんな感覚か」と聞いたりする。めんどくさい男だ。 蓮見は、曲作りをしているが、それができないで、ゲームをやっていた。とにかく初瀬に殺してもらわないと、夢見たいな生活を送っている。飛行機で飛んだ友人が葉巻を五十本買ってきた。それを吸っていて、20本になった。バラバラの出来事が、バラバラに思い出されていた。取り止めのない不連続の思い出。 初瀬は、五輪書を読んだ。「遠きところを近く見、近きところを遠くみること兵法の専なり、平方の大事なり、工夫あるべし」といって、初瀬は蓮見の心臓を刺すことにした。武蔵は、五輪書をかくとすぐに死んだ。生と死の両方を同意することで、真剣の世界は成り立つ。武蔵は、自分を切り捨てるように死んだ。 言葉がふやけて、暑さで茹っているような、暑さの蜃気楼に言葉が溺れている。確かなものは、何もない。ボールを見失ったので、探そうとする。あるもんが見えないことに怒れてきたのだった。イカの目は、ものすごくよく見えるのに、イカの脳が対応できない。そういう鈍さが、イカなのだ。 しかし、なんと蓮見は、同居していた2ヶ月前に死んでいて、初瀬は昨日の朝方に蓮見を刺したというと警察に無理ですねと言われる。これが、文学な訳で、死体と2ヶ月近く一緒にいたということを文学的に説明するのである。初瀬は、現状認識ができないだけの人間なんですね。著者は、感じること、体験することをテーマにしているが、主人公は全く感じていないところに、不思議な新奇性がある。

  • これは鳥が見た夢?

    なんとも不思議な物語。これは鳥(文鳥?)が見た夢なのだろうか。シャアハウスで同居する蓮見が「心臓が動いていないから殺してくれ」みたいなことを言うところはショッキングでもあり、それを普通に受け止める同居人の初瀬の言動もフワフワしている感じがする。様々な対立構造が小説の中にあるような感じもするが、なんかはっきりしない。純文学らしいと言えばそれまでだが、個人的にはさらっと読んで終わってしまった。

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