その針がさすのは
A couple undergoing fertility treatment live in Nakano amid its redevelopment. After learning that the neighborhood was once linked to Manchukuo by a telegraph cable, the narrator begins to wonder whether his surgery has connected him to a history that was thought to be severed.
Work Information
A novel set in redeveloping Nakano, where an individual's body intersects with a severed history.
Against the backdrop of Nakano's redevelopment and the memory of a telegraph cable that once reached Manchukuo, the novel follows a man undergoing fertility treatment and his changing relationships with friends. As the present intertwines with prewar history, it asks how an individual can be connected to the past.
Book Information
- Publisher
- 新潮社
- Published
- 2025-11-27
- Pages
- 160 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 19.1 x 13 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784103361138
- ISBN-10
- 4103361131
- Price
- 1925 JPY
- Category
- 本/文学・評論/文芸作品
この街、満州と繫がってたって? 中野区を舞台に芥川賞作家が真骨頂を発揮! 僕が住む中野は再開発の真っ最中だ。サンプラザが閉館し、高層マンションの建設が進んでいる。そんなこの街が戦前、満州国と電信ケーブルで繫がっていたらしい。不妊治療手術を受けた僕は、断絶した歴史と接続してしまったのだろうか――。芥川賞作家の想像力が、中野区を舞台に爆発する。第2回東京中野文学賞大賞受賞作。
Reviews
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中野住民のための本?
第2回東京中野文学賞大賞受賞作。羽田氏は、中野を愛してやまないのでしょうね。芥川賞作家が賞金わずか30万円の小さな文学賞に応募し大賞を受賞するなんて、なかなかない話ですよね。中野を舞台に実在の店や駐輪場の話題が散りばめられ、中野住民ならアルアルネタで楽しめると思います。一方で、中野に縁の薄い人には 小ネタは通じないので、中野住民のために書かれた本のようにも感じてしまいますね。 中野ネタを抜きにすると、主人公とその妻、主人公の友人を中心に話が進みます。前半はなにごともなくタラタラと日常が描かれていたのが、最終盤で 大きく動き出すのですが、その結末については触れられずに完結してしまいます。変わらないように見える日常が変化したとして、その変化の帰結が意味を持つわけではなく、変化すること自体に意味があるのだという趣旨でしょうか?ラストでは、主人公自身も ささやかな犯罪行為から 世界観が変わっていくことを実感します。 都心でありながら田舎臭さが抜けず、昭和の匂いを残していた中野もサンプラザ再開発が進めば変化していくことでしょう。変わらない日常を送るように見えて変化していく人々の暮らしと、古さを残してきた中野の街が変化していく様子がシンクロするようです。
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時間と存在の地図
時間・都市・身体・記憶という四つの軸を通じて、現代人の存在の揺らぎを描いた作品。変わり続ける東京・中野の街の姿が、主人公の内面や夫婦関係の変化と呼応する。 不妊治療という極めて個人的な経験を通して、「生の生成」と「時間の歪み」が重ね合わされる。冷凍保存や採精室といった科学的装置が、時間を凍結し、生命を操作する現代の倫理的・哲学的問題を浮かび上がらせる。 リモートワークや非接触社会の中で「姿を現さないこと」が常態化する現代の実相も描き出す。静謐でありながら哲学的な余韻を残し、現代の「存在することの意味」を考えたい読者に薦めたい。 都市の喧騒の中で、自分がどの時間に生きているのかを問い直させる。現代の「存在することの意味」を考えたい読者に薦めたい。 不妊治療という個人的経験を通じ、現代社会の「再生の可能性」を描き出す。
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帯のちぎれ
帯がちぎれていて、新品だというのに 残念でした。
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羽田さんの中野文学賞作品です
芥川賞作家であれば、単行本化は比較的に簡単であろと思えるが中野文学賞を主眼としての公募であった。その冠が欲しかったというのは微笑ましいエピソードだ。たまたま式に参加して、氏の苦労話がじわっと沁みた。中島京子さんの文学賞の慧眼も多く納得できた。純文学の素地となる伝統文化をこの作品は敷衍して、圧倒的な文明観としての中野、快復を祈願する主人公の跳躍とはなにか。生まれくる子供と古び消滅する町の二分化の物語が、その細部に補完し合う郷愁を感じるのは私だけであろうか。それは都市の無意識が胎児の生命と直結してアイデンティティが形成されてゆく姿だと思える。
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楽しく読みました
前半戦は思索が深いとそんなに殊勝になれるのか。の方向性で興味深かった ンだが、思索を深めすぎると生活と乖離したロクでもないトコに行き着いちゃうから 気をつけろってな感じで 実生活と禅問答や哲学を上手くバランスするのに 所帯じみるって大事なことだ。うんうん。とひとりで納得してみた 楽しく読みました
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