バブル兄弟 ‶五輪を喰った兄〟高橋治之と〝長銀を潰した弟〟高橋治則
A nonfiction work by Nobuhiko Nishizaki tracing brothers Haruyuki and Harunori Takahashi, and the trajectory of postwar recovery, the bubble economy, and its collapse in Showa Japan.
Work Information
A nonfiction account of bubble-era Japan through the lives of brothers connected to Olympic business and the collapse of Long-Term Credit Bank.
Bubble Brothers is a nonfiction work by Nobuhiko Nishizaki, published by Bungeishunju in January 2025. It received the 56th Oya Soichi Nonfiction Award in 2025.
Book Information
- Publisher
- 文藝春秋
- Published
- 2025-01-09
- Pages
- 376 pages
- Language
- 日本語
- Size
- 13.7 x 2.7 x 19.3 cm
- ISBN-13
- 9784163919331
- ISBN-10
- 4163919333
- Price
- 2310 JPY
- Category
- 本/ビジネス・経済/実践経営・リーダーシップ/経営理論/その他
第56回大宅壮一ノンフィクション賞受賞! もう二度と日本にこんな兄弟が現れることはないだろう。 狂乱のバブルに踊り、栄光と挫折の物語を生きた2人は、時代が求めた最後のアンチヒーローだった! 質素なスポーツの祭典だったオリンピックを巨額の利益を生み出すイベントに変えた電通にあって、長年、スポーツ局に君臨した高橋治之が、2022年、ついに東京オリンピックでの収賄容疑で東京地検に逮捕された。東京拘置所へと引っ立てられる治之の姿を見て、30年近く前、同じような光景を見た気がした人も多いだろう。 1995年、東京協和信用組合破綻に関する背任容疑で東京地検特捜部に逮捕された、イ・アイ・イーインターナショナル社長の高橋治則。治之と治則は年子の兄弟なのだ。 天皇家にもつながるという名門で、花嫁修業中のお手伝いさんがいるような裕福な家庭に生まれ、慶応幼稚舎から慶応大学に進み、電通、日本航空という当時の超一流企業にコネで就職。誰もがうらやむエリートコースを進んだ2人が、なぜ、そろいもそろって塀の向こう側に落ちてしまったのか。 稀有な兄弟の人生を、抜群の取材力でたどった本書は、戦争ですべてを失った日本が、奇跡の復興によって立ち直ったものの、やがて傲慢になり、バブルの狂乱を生み出して破綻していった「昭和」という時代を見事に描き出した。 「週刊文春」令和5年12月28日号から令和6年8月1日号まで掲載され、大きな話題を呼んだ長期連載がついに単行本化された。 現在、裁判中の治之のインタビューに成功し、直接、疑問をぶつけ、肉声による反論を載せているのは、まさに王道ノンフィクションの醍醐味である。
Reviews
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カネ回りの功罪を考えさせられる
受賞したのも納得の面白さだった。 弟のエピソードは、日本のバブル期が中心。本書内で、彼が自らを「借り屋」と称する場面がある。まさにその通りで、生涯にわたって銀行や金持ちなど、他人からカネを引っ張り続けた。カネ回りのハブになる人に共通する能力なのか、とにかく他人の資金を動かすことに長けている。 その一方で、政治家の山口敏夫氏をはじめ、様々な人々からカネを無心され、それにも応え続けていた。持ちつ持たれつの関係だったのだろうが、兄の目には、そんな弟の姿が可哀想に映っていたようだ。 兄の方も相当に変わっている。電通のサラリーマンでありながら個人会社を経営し、弟の資金力まで活用しながら、電通では大きな仕事を次々と成し遂げていく。現在の感覚からするとガバナンス的には意味不明で、会社員というより、電通と長期契約を結んだ個人事業主のような働き方だったのではないかと思えてくる。 そして兄の人脈形成力は凄まじい。少なくとも本書を読む限り、東京オリンピック招致は彼抜きには語れない。安倍晋三氏から協力を求められた当初、本人は「オリンピック招致なんてやったら、後で必ず逮捕される」という趣旨のことを言って、関わりたがらなかったという。 実際、その後に起きたことを知っている読者には、かなり強烈な一節である。 兄弟の善悪を論じる以前に、これほど曖昧なガバナンスと人脈とカネで動いていた巨大イベントに、私たちは熱狂し、巨額のカネを投じてきた。その構図そのものが、本書を読んでいて一番考えさせられた。
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五輪とカニばった兄。
お互い様ですわなと思ってしまいました。認識不足という傍の甘さは 後悔してもしきれません。誰かさんが生きていれば 世に出なかったかもしれないない 怖いお話でうぃた。
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金融犯罪や国家ぐるみの詐欺を歴史に刻む労作
週刊文春で連載されていた頃から読んでいたが、改めて全体を読み直した。読み手をグイグイ引き込んでいく労作。 長銀をはじめとする金融犯罪や東京五輪を巡る詐欺などを「バブル兄弟」の暗躍を通して改めて理解できた。50年後、100年後に、当時の日本で起きた国家も巻き込んだ「金融犯罪と詐欺」を俯瞰する上で優れたドキュメントとして広く引用されるであろう。 また、高橋兄弟の人間的魅力と、こうした人物の横行を許してしまいがちな日本の社会風土についても考えさせられた。 人柄を知れ
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表側の話として面白い
もっと裏がありそうだけど、面白かった
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慶応コネクションが日本を滅ぼす
幼稚舎からの三田会の本流の人たちが仲間同士で日本経済をつまみ食い、いい加減にしてほしいなと思う、ちなみにワタシは如水会です。
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コネとカネ、そして兄弟間の相互作用
兄の高橋治之は電通でスポーツビジネスにおいて大きな「成果」を残し、電通退職後に東京オリンピックでの収賄容疑で逮捕された。弟の高橋治則はリゾート開発などを手がけたイ・アイ・イーインターナショナル社長で東京協和信用組合破綻に関する背任容疑で逮捕された。本書は、この二人の兄弟に迫ったノンフィクションである。 二人に共通するのはコネとカネの相互作用で自らの力を巨大化させていったことである。コネを梃子にカネを集める。集まったカネを梃子にコネを厚くする。厚くなったコネがさらにカネを呼ぶ。この相互作用が積み重なり、さらには、兄弟間の相互作用がカネとコネの相互作用を加速させる。兄が電通で力を発揮できた背景には弟からのカネがあり、弟が活躍できた背景には兄のコネがある。 全編で、現在の基準であればコンプライアンス違反とされるようなことに溢れている。帯には、「昭和が生んだ最後のアンチヒーロー」とあって、確かに昭和の時代なら許されたことかもしれないが、本書の対象は大半が平成以降のことである。他の人があるルールのもとで争っているところで、ルール無視で兄弟が先行するのだから、それは強い。結局、二人は収賄や背任で逮捕されることになるが、それ以外にも危ない橋ばかり渡っていたのだから、遠からず同じような結末になっていたように思えた。 本書は、週刊文春での29回の連載に加筆修正を行ったものである。兄の治之や弟の治則の愛人など関係者への取材により十分な裏付けが取られており、事実の重みによって読者を引き込んでいく快作である。
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会ってみたかった二人
二人とも、どんだけ悪人なんだろうと思っていたら、読んでいくうちに、二人はただの普通の人ということがわかったかな。 兄は電通のサラリーマンで、自己の才覚と運で頭角を現し、弟はサラリーマンではパッとせずとも、企業家となって人生の花が開いた人。 二人とも慶応の学閥という縁を大いに利用して、成功の階段を上っていった。 だが、所詮、借金を重ねて広げた付け焼刃の事業、バブルが終わってみれば、幻影のように消え去っていってしまった。 五輪で私腹を肥やしたわけでも、長銀を潰したわけでもなく、二人とも、どんな悪事を働いたということでもなかったのに、結局はバブルの被害者だったのではないか。 弟は二十年前にこの世を去り、兄は現在も高齢でありながら裁判闘争をつづけており、せっかく築いた財産も無にしてしまった。
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大変面白かったです
私は兄の事件からイ・アイ・イの弟と兄弟であることを知りました。スケール的に弟の方が凄かったという印象ではあります。弟も長生きして欲しかったところです。