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不夜島(ナイトランド) (単行本文芸フィクション)

Mystery Writers of Japan Award

不夜島(ナイトランド) (単行本文芸フィクション)

Akira Ogido

Set on Yonaguni Island under U.S. occupation after the Second World War, this historical hard-boiled novel follows Jun Buteni, a smuggler drawn into a baffling commission and a case involving a former military policeman. Grounded in the histories of the Ryukyus and Taiwan, it imagines an island where desire and conspiracy converge through a cyberpunk lens.

postwar RyukyusYonaguni Islandsmugglingcyberpunkhistory and conspiracy

Work Information

On an occupied island sustained by smuggling, a single commission opens the door to a conspiracy that reaches far beyond its shores.

This novel imagines an alternate postwar Ryukyus where futuristic technologies such as prosthetics coexist with history. The smuggler Bu takes a commission to acquire the mysterious Hanguang, drawing him toward a vast secret alongside the search for a former military policeman turned killer.

Book Information

Publisher
祥伝社
Published
2023-12-08
Pages
415 pages
Language
日本語
Size
12.9 x 2.4 x 18.8 cm
ISBN-13
9784396636586
ISBN-10
439663658X
Price
1980 JPY
Category
本/文学・評論/文芸作品

「ほんの一瞬だけなら何でも手に入れられる、俺の唯一の特技だ」 第二次世界大戦終結後、米軍占領下の琉球。その最西端の与那国島では、一本の煙草から最新鋭の義肢まで、ありとあらゆるものが売買される密貿易が行なわれていた!腕利きのサイボーグ密貿易人・武庭純は、ある日顔馴染みの警官からとんでもない話を耳にする。終戦とともに殺人鬼と化した元憲兵が島に上陸したというのだ。元憲兵探しに乗り出した武だったが、時を同じくして、謎のアメリカ人女性から 「姿も形も知れない “含光” なる代物を手に入れろ」という奇妙な依頼が舞い込んでくる。相棒の島人とともに奔走する武は、やがて、世界を巻き込む壮絶な陰謀に巻き込まれていく……。 琉球と台湾の史実をもとに描き出す、 サイバーパンク巨編! 一攫千金の夢が渦巻く欲望の“街”その男は、ただ魂を求めた――

荻堂顕(おぎどうあきら) 1994年生まれ。東京都出身。早稲田大学文化構想学部卒。2020 年、『擬傷の鳥はつかまらない』で第7回新潮ミステリー大賞受賞。二作目の『ループ・オブ・ザ・コード』が第36回山本周五郎賞候補となる。

Reviews

  • 7人殺しました…鉛筆一本と残りは手で

    主人公やその手下の青年、いけすかない味方の偽警官などキャラはとても魅力的。 ただ後半になると、島から大陸に舞台が移ってしまうのが残念に感じた。 個人的に一番好きなキャラは、狂った憲兵大尉。米兵7人にワンペンソーのくだりは思わず笑ってしまった。

  • ハードボイルドなサイバーパンク小説

    WWⅡ直後のアメリカ支配下の与那国島と台湾を舞台にした和製ブレードランナーという感じだけど、それ以上に面白い。 セリフも輝いてるし、義体を使った格闘シーンも迫力あって興奮する。沖縄っぽさも良い感じだ。 好きなセリフ「あんた、子供がいる自分って考えたことある?」~「どうかしら?いてもいなくても後悔するんだろうなって気がする。もっと飲むのか悩むのと同じよね」

  • 与那国島と台湾をまたにかけたサイバーパンク活劇。アイデンティティの揺らぎを舞台となる土地に掛けてる?

    作者である萩堂顕の作品を手にするのは本作が初めて。本を開いて驚いたが400頁以上にわたる二段組のかなりボリュームのある作品。読もうと思ったらある程度まとまった時間が必要な事は予め申し上げておく(ただでさえ忙しい年末に手を付けた事を反省) 物語は日本で一番台湾に近い(というか沖縄本島より台湾の方が圧倒的に近い)与那国島から始まる。沖縄がアメリカの統治下に入った終戦直後のこの島は思いもかけない繁栄の時を迎えていた。 与那国島に繁栄をもたらした台湾からの密貿易商人(ブローカー)の一人である武庭純は久部良で急速に発展した繁華街を根城に荒くれた男たちに交じり、時に沖縄の警察とも裏で繋がりながら活動する一匹狼。時に荒事にも巻き込まれるが全身が特注の義体に換装された彼の肉体は難なく切り抜ける。 そんなある日、武は日本人刑事である新里から糀克彦という元憲兵大尉の捜索を依頼される。敗戦の事実が受け入れられずに発狂、米軍による逮捕後に米軍将兵を殺して逃亡した極めて危険な人物らしい。 相方の沖縄人青年・玉城と捜索に乗り出した武だったが時を同じくして武の元を訪ねてきた台湾時代の恩人・李志明の息子である小李の中身が明らかに小李でない事に気づく。小李を通じて武に接触してきたのは武に最強の肉体を与えたアメリカ人、ミス・ダウンズだった。 ミス・ダウンズは武に「N計画」が動き始めた事を伝えた上で形も在り処も持ち主も分からない「含光(ポジティビティ)」と呼ばれる物を探すよう命じてくる…… 有り体に言ってしまえば沖縄を舞台にした「攻殻機動隊」風のサイバーパンク活劇……人体のサイボーグ化に加えてご丁寧に後半は光学迷彩みたいな物まで登場させているから同作からの影響を隠す気はゼロかと。その上で終戦直後という時代と台湾・沖縄という土地を舞台にしたのがミソだったのかというのが読み終えての第一印象。 物語の方はそこまで小難しいものではなく、あくまで「終戦後」の混沌とした時代に国境のあやふやな与那国島と台湾を往来する密輸商人である武の謎アイテム「含光」を巡る冒険譚がメイン。同じミス・ダウンズの指示を受けて動く常に能面のごとき表情を浮かべた毛利巡査や島人(しまんちゅ)の巨漢・玉城、二八八事件後に故郷を追われた台湾人たちといった個性豊かな面々と時に銃弾を搔い潜り、時に人生を賭けたギャンブルに挑んだりといった分かりやすい活劇が物語のほとんどを占める。 ただ、派手なアクションを見せる一方で武自身はひどく虚無的というか刹那的な人物として描かれている。あらゆる暴力に立ち向かうタフガイでありながら酒とドラッグで何かを誤魔化し続けているような精神的な不安定さを抱え、金は稼げど稼いだ金自体にはさほど拘らないというどこか矛盾した所を見せる主人公である。 物語が進むにつれて武が求めているのはかつて薩摩の支配下に置かれた与那国島で妊婦を飛ばせて人減らしに用いられたクブラバリで幼い自分を導いてくれた女性である事が分かるのだけど、物語後半で舞台となる台湾人に降りかかった悲劇の中で武は彼女と思わぬ形で再会を果たす事に。 冒頭で奥野修司氏のルポ「ナツコ 沖縄密貿易の女王」を引用している事から作者が描きたかったのは国やら政府に縛られない自由な人間の魂だったのかな?沖縄と台湾には「支配者がコロコロ変わり、その度に不条理な形で人が殺されていく」という悲劇性で通じる部分があるのだけど終戦直後という時代設定はその部分を最大限に強調する為のものだったのではないかと。 日本軍の捨て石にされ、終戦後はアメリカの支配を受けるに至った沖縄と日本による植民地支配が終わったと思う暇もなく国民党の独裁を受ける羽目になった台湾では住人がアイデンティティの帰属先としての故郷の像が不安定になる訳で、サイバーパンク特有のサイボーグ化に伴うアイデンティティの揺らぎ(押井守の「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」なんてもろにこの辺りがテーマだし)をこの状況に被せようとした作者の意図が見え隠れしている。 主人公である武は台湾人とも沖縄人とも判然とせず、上にも書いたようにただ一人幼い頃に自分を導いてくれた女性を追い求めている訳だが、台湾人・沖縄人の国や政府の勝手な都合で振り回され「自分はいったい何人なんだ?」という想いと国籍や土地に縛られず誰かとの繋がりによってアイデンティティを保とうとする在り様が武の生きざまに重ね合わせられてる様に思われたのは自分が勘ぐり過ぎているだろうか? ただ、欲を言えばそのメインテーマをもう少し読者に伝わりやすく、より明示的に描いた方が良かったのではないだろうか?余りに語り過ぎるとハードボイルドな雰囲気が損なわれるというのも分かるから難しい部分ではあるのだけど。 ともあれサイバーパンク系のハードボイルド作品としては十分に読むに堪える作品ではあると思われ、お時間が取れる方は(忙しい年末とはいえ二週間ぐらい要した)手に取られても良いかと思われる。

  • 熱量はすごいが、万人に容易に薦めることは難しい作品

    圧倒的な熱量で、第二次世界大戦後の琉球と台湾をベースにサイバーパンクのハードボイルドを描いた長編。読み応えある作品ではあるが、十分に楽しむためには基礎知識として第二次世界大戦後の琉球と台湾と中国の立ち位置を理解している必要があるため、ハードルが高い作品と言える。また、主人公の動機となる女性とのエピソードが最後まで薄いままなので、この部分をもう少し補完してして欲しかったというのが本音。★4か3で迷ったが、大作を最後まで描き切っている点に敬意を表して★4とした。

  • エンタメ要素がてんこ盛り

    SFハードボイルド冒険活劇といった内容といえばいいだろうか。密貿易、サイボーグ、スパイ、裏切り、銃撃戦、などなど面白い要素がてんこ盛りだ。単純に楽しむだけならいいのだが、エンタメ要素を詰め込みすぎて、逆にベタな感じになっている。台湾や与那国島を舞台にする必然性も感じられなかった。読みやすいし、頭を使わずに楽しめるのは評価できる。

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