Japanese Literary Awards

← Back to awarded works
お稲荷さまの謎解き帖

Shosetsu Suiri Newcomer Award

お稲荷さまの謎解き帖

朝水想

A linked mystery series in which an Inari deity investigates the true intent behind people’s strange wishes.

mysterylinked storiesdeitywishesgrowth

Work Information

The true meaning behind “Please let me be killed” becomes the key.

Winner of the 46th Shosetsu Suiri Newcomer Award. Published as the collection “Oinarisama no Nazotokichou,” which includes “God, Please Let Me Be Killed.”

Book Information

Publisher
双葉社
Published
2025-12-17
Pages
304 pages
Language
日本語
Size
18.8 x 12.8 x 1.7 cm
ISBN-13
9784575248388
ISBN-10
457524838X
Price
1980 JPY
Category
本/文学・評論

第46回小説推理新人賞受賞作。俺が稲荷神となって、はや三百年。「誉人」として選ばれた人間の願いを叶えるため、日々神社で人々の願いに耳を傾けている。俺は人智を超えた神の力を使えるが、人間の心の機微がさっぱりわからない。今回やってきた誉人の女は、病におかされ余命わずかにもかかわらず、「どうか私が殺されますように」と願った。遠からず命が失われるのに、一体何のために、誰に殺されたいのか――? 落ちこぼれの神様の少年が解き明かす、人間の不思議と宿命。読後、温かな幸福感に包まれる神様ミステリー!

1975年生まれ。千葉県出身。早稲田大学第一文学部卒業。 出版社勤務を経て、旅行書籍の編集、旅エッセイや旅行記の執筆などで活動中。 2024年、短編「神様、どうか私が殺されますように」が第46回小説推理新人賞を受賞。 同作を収録した『お稲荷さまの謎解き帖』にて小説家デビュー。

Reviews

  • 無垢な探偵が導く、やさしい謎解き

    謎解きものとしての面白さと、人の心に寄り添う物語性のバランスがとても心地いい一冊でした。 探偵役のキャラクターがとても無垢だからこそ、物語の中で自然に「謎を解く装置」としても「人間に共感していく存在」としても機能していて、そこが大きな魅力だと感じます。 事件を追う視点そのものがピュアなので、読者も一緒に世界を見つめ直すような感覚になります。 また、無垢ゆえに起きる他者とのすれ違いが、時に切なく、時にコミカルに描かれアクセントになっています。 この探偵がこれからどんな経験をして成長していくのかが気になり、ぜひシリーズとして続いてほしいと思わせてくれました。 他の登場人物たちもそれぞれに味があり、物語に温度を与えてくれます。 登場人物の行動や心情を通して、人の善性や優しさを感じられる場面が多く、読み終えたあとにふっと心が温まる作品でした。ミステリが好きな方はもちろん、余韻のある物語を求めている方にもおすすめです。

  • 軽く読みたい方にオススメ

    短編ながらも引き込まれる設定と文章で面白かったです。

  • 「選考委員、満場一致の受賞」に納得の快作

    稲荷神社のやわ神――稲荷神が、選ばれし誉人の願いを叶えるために奔走するお話。 ミステリー仕立てなので続きが気になり、ページをめくる手が止まらなくなる。 一話完結。一話で必ず一度は涙腺がゆるむ。個人的には最終話(第四話)が圧巻だった。 人間のことがよくわからないために、ちょっとずれててKYで、でも愚直で一生懸命な稲荷神(=イナリさん)。読了後はすっかりファンになっていた。かっぱえびせんいっぱい供えてあげたい(笑) 流れるような心地よい文章、伏線回収の見事さ、一話ごとのストーリーの完成度の高さなどから、新人賞とはいえ作者はかなりの手練れだと感じた。一方で、登場人物の口を借りて語られる作者の伝えたい「想い」の熱量から、これがデビュー作ということに納得する。 全四話だが、その一話一話に、人間として幸せに生きるために必要なことが、散りばめられている。 「大切なものは毎日の生活の中にある」というのは第一話の誉人、サヨコの言葉だが、私たちは好きなものを数えずに、「あの人が嫌い、これが嫌あれが嫌」と日々、嫌いなものばかり数えてしまっていないだろうか。 他人からバカにされたり反対されたりするのを恐れて、「好きなこと」を「好き」と言えずに自分を誤魔化し、勝手にくすぶっていないだろうか。また、「私はこれくらいの人間」と自分で自分の能力に上限をもうけておきながら、各分野で活躍している人たちをうらやんだり妬んだりしていないだろうか。たくさんの豊かなものを持っていながら、欠けているものばかりにこだわり、それを生まれ育ちや親のせいにして不幸を嘆いていないだろうか……。 稲荷神の視点になって、本当に人間って面倒だなぁ。バカバカしいことしてるんだなぁ…なんて思いながら読んでいると、「私」の人間の部分がゆるんでフッと楽になる。そんな読書体験をした。 しかしそんな愚かで面倒な人間に対する稲荷神の眼差しは、どこまでも優しい。 「あの者たちは、自分で自分を幸せにする力を持っている。だから俺たちは、人間を信じてやろうじゃないか」 最終話で稲荷神は言う。 それは長年人間として生き、人間に対する洞察力を深めてきた作者そのものの実感なのかもしれない。

  • ただただ最初から最後で面白かった!!

    満場一致も納得の面白さ。とにかく、キャラがいいし、読んでいて楽しくてしょうがない。 シリーズものになることを願います。 稲荷神の過去とかも、いつか出てくるのかな。 文句なしの星五!!

Related Literary Awards