作品情報
『忍び外伝』は、忍びの世界に生きる者たちを通じて、時代の変わり目に取り残される技と宿命を描く時代小説。
忍びの世界に生きる者たちを通じて、時代の変わり目に取り残される技と宿命を描く時代小説。陰の任務、血縁、忠誠が交差し、歴史の表舞台に出ない者の生を浮かび上がらせる。
レビュー要約
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設定や語り口の個性を評価する声がある一方で、展開の癖や文体の濃さを読む人によって重く感じる場合もある。
書籍情報
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 発売日
- 2010-11-05
- ページ数
- 256ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784022508157
- ISBN-10
- 4022508159
- 価格
- 2980 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第2回朝日時代小説大賞受賞作! 選考委員満場一致、激賞の“瞬決”!! 表現力も抜群ならば、文章も秀逸――児玉清氏 思わずゾクリとする伝奇的設定――縄田一男氏 筆力・構成力は、尋常ではない――山本一力氏 伊賀の上忍・百地丹波によって一流の忍者に育てられた文吾は、己が何ゆえ忍びを目指すのか思い悩む。やがて北畠(織田)信雄率いる大軍が伊賀に迫るが――。伝奇あり、活劇ありの究極の忍者エンターテインメント! 著者は2010年10月に第9回『このミステリーがすごい!』大賞も受賞している。 【書店さんの声】 唖然、呆然、そして驚嘆! 謎と神秘にみちた、空前の歴史エンターテインメントに、 魂をわしづかみにされました。誰が読んでも面白いはず! ―――八重洲ブックセンター本店 内田俊明氏
レビュー
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非業の伊賀者達の生き様が切ない。
気に入った作家の作品を立て続けに読んでしまう凝り性は直らない。 「塞の巫女 甲州忍び秘伝」に引き続いて一気読みでした。 本作は伊賀の忍者達の非業とそれに抗うように生きた若者達の物語。 妖しい忍法に多少の性表現は山田風太郎作品に少し似てるかも・・・ 俗説の不死の実を得ようとする織田勢力の無慈悲な伊賀の大殺戮から辛くも落ち延びた、 出生が謎の主人公達の覚悟や生き様がとても良いですよ。 でもね「塞の巫女 甲州忍び秘伝」にも書いたように、幻術に落ちる場面展開が唐突で 少々戸惑うこともちらほらと・・・・ されど機巧のイブでファンになった方は、作者の名作として是非読んでみてください。
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幻想的で思わせぶりなシーンが点描される中、ポカンとなっているうちに収束・・・
朝日新聞時代小説大賞作品・・・ということで山風先生調忍法合戦を期待して手をとりました。 幻想的で思わせぶりなシーンが点描される中、主人公にも読者にもよく何だか分からないまま物語は進んでいって、唐突に衝撃の真相を果心居士が語り始め、ポカンとなっているうちに収束・・・。 個々のシーンの雰囲気は秀逸。設定は奇抜で面白いといいましょうか、設定倒れな印象で残念であります。
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★よっつになりそうでいかない
作者の独特の世界観が面白い。 自分のいる、この世界は本当に存在するのか、 という不安を、歴史小説で書こうとしているチャレンジ精神はおもしろいし、 何より、そこで忍者を選んだのも秀逸だと思う。 首長竜を読んでいたので、 ジャンルを変えただけで、 テーマは同じじゃんと思ってしまった。 それが残念。
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地味な題名だが、その実...
新聞の宣伝広告に<リアルな忍者者>と有ったような気がして、興味を引かれ読了。 名前の地味さに反して、歴史の裏に暗躍した<時空を行き来する>者たちの凄まじい伝奇妖術忍者小説だった! (果心居士とくれば妖術に決まっているか...) 他のレビュアーも述べられておられるが、まさしく半村良=「妖星伝」プラス山田風太郎=「甲賀忍法帳」並びに「魔界転生」。 ここらが好き嫌いというか、「忍び外伝」(これ自体、TVゲームの題名そのままなのだが)との題名から リアルな忍者同士の戦いを想像したむきには、<話が違う>となるのかもしれない。 実際、私も終盤話が南北朝時代にまで及ぶに至っては、物語の展開に頭がついていけず、目が点になってしまっていたが、 最後には、ちょっとしたドンデン返し的な話も盛り込んであり、全体的には結構楽しめた。 (続編があるとすれば、もちろん「日本一の大泥棒」物ですよねえ...今度は秀吉と絡んだりしたら面白いでしょう。) 個人的には、伝奇小説は凄まじく破天荒な物語にすればするほど面白いと思っていて、半村良亡き後、このジャンルは空白だった様に 思うので、忍者という媒体を活用して時空物語を...という作者の本書での試みは良としたいし、さらに練りこんだ<戦国ダークファンタジー> を今後も読ませていただきたいと、思っている。 (ただ本書の問題は、本来なら3〜4巻にして、ジックリ、ジリジリと読者を怪異譚に引きずりこむべき所を、250ページに切り詰めてしまった為に、 妖術の部分だけが特出してしまった様に感ぜられる。あの妖星伝もそう言えば、終盤小人とか出てきて、何が何なのか、訳がわからなくなってしまった 記憶がありますが...)
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読むのがつらい
我慢に我慢を重ねて読んでいきましたが、とうとう力尽きて、162ページ第9節の前で、読むのをあきらめました。 全体の3分の2を読んでおもしろくないのですから、最後まで読んでもしかたがないだろう、と判断しました。 短気な私がよくも我慢したものだと思います。 忍び、というタイトルから、どろどろの妖しげな伝奇小説を期待したのですが、やたらさっぱりした雰囲気です。ときおり、これは時代小説でなくて現代小説だったかと、錯覚するくらいです。 それでも、それならそれなりにおもしろいのか、というと、固くて、資料の羅列みたいなのが多くて、やはり楽しくありません。 まるで、歴史の年表を読んでいるような感じです。 テーマなどという大仰なものを持ち出すつもりはありませんが、この作者、何をもって読者を楽しませようとしているのか、まったく掴めませんでした。 好みの問題といってしまえばそれまでですが、本の帯にある 「各選考委員、激賞!」 といううたい文句からは程遠い、というのが私の感想です。
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演劇のような。
著者は劇団にいて脚本も書かれてたので、 演劇を見ているような展開で、個人的に好みです。 山田風太郎氏の作品も好きなのですが、 雰囲気がよく似ていて、山田氏の作品が好きな方なら 楽しめると思います。 「時代小説」と看板を掲げてしまった出版社の 広告作戦に疑問は感じますが、作品はエンターテイメント として、十分魅力的です。
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本格伝奇小説の復活
飾り帯にこうあった。 伊賀の上忍・百地丹波によって一流の忍者に育てられた文吾は、何ゆえ忍びを目指すのか思い悩む。やがて北畠(織田)信雄率いる大軍が伊賀に迫る……… 「伊賀、百地」に「思い悩む忍者」とあっては、戦後、忍者ブームのはしりとなった村山知義『忍びの者』の再来かと思った。また「信雄率いる大軍が伊賀に迫る」のであれば、和田竜の第二作目、『忍びの城』の焼き直しではないかと勘ぐったりもした。 「朝日時代小説大賞受賞作」という、忍者を描いた「本格時代小説」かと思って手に取ったしだい。 あまり期待していなかったのだが冒頭の「序」でまず引き込まれた。 時は天正11年(1583)、猿沢の池のほとり、群集の中で文吾は果心居士の幻術にまんまとはめられ、とんでもない世界へ密閉される。荒寥とした砂漠、黒い空、夜の闇に浮かぶ日輪、青色に輝く天体、白兎が手に杵を持って木臼をついている??? まさか!!! 果心居士といえばかなり以前に司馬遼太郎『果心居士の幻術』ではじめて知った懐かしい妖術つかいである。文吾が石川文吾衛門で幼名が五郎吉となれば大盗賊石川五右衛門(『忍びの者』では信長・秀吉の暗殺を企てる)であろう。さて果心居士の術中にあって文吾は自身の生い立ちを夢みるように回顧しはじめる。回顧はいいのだが、さて文吾がいつこの幻術から逃れることができるのだろうと気になるままに、いつまでたっても冒頭の「序」シーンには戻らないのである。「一」から終章直前の「十一」まで、文吾の幼少期から天正6年、7年(1578、79)年の織田信雄(のぶかつ)の伊賀攻略、天正9年(1581)の織田信長による伊賀殲滅、そして天正10年(1582)本能寺の変など史実と文吾の関わりが語られる。 やがてこの小説の構成には全体に巧妙な仕掛けがあるのではないかと気がつくころには、読者自身が小説世界の夢幻境に誘い込まれているのだ。 石川五右衛門の前半生が語られる中でいくつかの謎が提起される。 飾り帯から引用すれば 「天正伊賀の乱の真の目的は?」 「果心居士が操る幻術の正体は?」 「そして究極の存在『忍法煙之末』とは?」 そして最終章「十二」。すべての謎が解き明かされた。果心居士の呪縛を破り、冒頭の猿沢池畔、群衆の中に戻った文吾はつかのま気を失っていただけであった。そして二人の宿命的ともいえる死闘へ移り、ラストは興福寺五重塔の空中戦である。 とにかく面白かった。 ミステリアスな面白さであるだけにあまり多くを語らないのが作法だと思う。これは本格の時代小説ではない。ただこれまで読んだいくつかの傑作や懐かしいネタを思い出させてくれたのでその周辺をなぞるにとどめたい。 『荘子・斎物篇』 にある「胡蝶の夢」。 自分が夢で蝶になったのか、蝶が夢を見て自分になったのかわからなくなったという思索的お話。 『沈既済・枕中記』にある「邯鄲の夢」 出世を望んで邯鄲にきた盧生が道士の導きで見た夢。彼は栄枯盛衰の人生50年を夢に見たが覚めてみれば注文した粥が炊き上がらない一瞬の出来事だった。これも思索的故事。 山田風太郎『柳生十兵衛死す』 能楽世阿弥と室町時代。二代の天皇をめぐる大陰謀に畢生の剣を抜く十兵衛三厳。剣の究極と能の幽玄美が融合する。いわゆる『忍法帳シリーズ』を超えて、異彩を放つ。さすが鬼才風太郎の奇想の極致である。 半村良『産霊山秘録』。 神に仕え、皇室の存続のためにある秘密結社・ヒ一族。彼らは超絶の秘術を使い闇で歴史を動かす。荒唐無稽といえばそれまでだが、圧倒される奇想天外なストーリーはこのジャンルの最高傑作にしてこのジャンルの原典といえよう。 秦の始皇帝が遣わした徐福から由来するこのストーリーの大風呂敷は大胆にして豪快である。最近このジャンルでここまでひきつけられる作品は無かった。おそらくこの作品の下地には山田風太郎『柳生十兵衛死す』、半村良『産霊山秘録』があったものと思われる………。その下地の上に玄妙な味わいを創造した、これは「本格伝奇小説」の復活である。「果心居士の幻術」ならぬ、「乾緑郎の操る幻術」に徹底的に幻惑されることを楽しむ作品である。 蛇足ながら 後に大盗賊と呼ばれる石川五右衛門が夢幻の中で回顧した大風呂敷の前半生記である………と解釈すれば読者も著者が仕掛けた幻術の呪縛から解放されるかもしれない。 続編がありうるラストになっているが、これ以上に魅力的な続編はかなり難しいだろうね
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広げた風呂敷はくしゃくしゃっとたたまれた
最初の3分の1は劇画調、次の3分の1はエロを織り交ぜたB級時代劇、 そして最後の3分の1は、「ひねったプロットを思いついた脚本家」に、 「それでね、こうなってね、ああなってね、こうなるんだ!」と、 一生懸命説明されて終わった…という感じ。 さんざん広げた風呂敷を乱暴にたたんで終わったような印象が否めない。 本作だけでなく、この作家の描く人物は、誰にも感情移入できない。 魅力あるキャラクターがいないので、途中から筋書きを追うだけになってしまい、 飛ばし読みしてしまった。
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