日本の文学賞

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悪医

日本医療小説大賞

悪医

久坂部羊

『悪医』は久坂部羊による作品で、受賞として記録されている。受賞情報と書誌情報を照合し、作品単位の紹介として読めるよう、題名から伝わる主題と受賞作としての位置づけを中心に整理した。

受賞作現代文学書誌確認

作品情報

久坂部羊『悪医』の受賞作情報と書誌状況を整理した作品紹介。

Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式ページを確認対象として、NDL OPACで『悪医』の図書書誌を確認した。日本の紙書籍の原則に従い、ISBN-10とASINは相互補完した。 作品紹介は、受賞回に記録されたタイトルと著者情報を基礎に、入手可能な書誌情報と照合してまとめた。

レビュー要約

  • 受賞作としての記録を起点に読まれる作品で、題名と著者の組み合わせから作品単位の関心が確認できる。読者反応の数値化よりも、書誌の確定性と受賞文脈を重視して整理した。

書籍情報

出版社
朝日新聞出版
発売日
2013-11-07
ページ数
304ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784022511256
ISBN-10
4022511257
価格
1300 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

現役の医師でもあり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ 「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。 がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰郞はがんが再発したあと、 外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。 「私にすれば、死ねと言われたのも同然」と、 小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。 小仲は大学病院でのセカンドオピニオンを断られ、 抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法のクリニック、そしてホスピスへ。 それぞれの場所で小仲はどんな医師と出会うのか。 一方、森川は現在の医療体制のもと、 患者同士のいさかい、診療での「えこひいき」問題など忙殺されるなか、 診療を中断した小仲のことを忘れることができず、 末期がん患者にどのように対したらよいのか思い悩む日々がつづく。 患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。 がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。 ひくにひけない命という一線を、 患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。

レビュー

  • 満足

    透明なフィルムで隙間なく丁寧に包装された状態で届きました。価格もお手頃でした。ありがとうございました。

  • 当事者になったことを考えるとゾッととする。そんな医師(病院)と患者のお話です。

    末期の癌患者へ宣告する医師。 宣告された末期患者の生への執着。 話はこれに尽きるのですが、何せ医師としての意見と患者の意見という 平行線を辿る部分にスポットをあてた作品です。 いずれこの様な現実に家族が直面する確率は、日本の癌患者率から 考えても高いとは考えられますが、医師側から考えた"悪医"と患者側 から考えた"悪医"は根本的に違うのだなと再確認させられます。 末期とはいえ最後の生への綱を握るべく、患者はなりふり構わず病院へ駆け込みます。 しかしそれを逆手に取り、医師や病院は抗がん剤治療のリスクを説明せずに使用し、 金儲け(ポイント稼ぎ)の為の再検査をします。 それでも患者としては"診てくれる"医師を患者は良い医者と考えてしまっています。 健康体であればまともなことを言っているとわかる医師の発言が、患者になると まともではなく"悪医"として位置づけられる現状に問題定義しているのだと思います。 この本を読む限り、何が正しいのか間違っているのかは本人の考え方次第。 という終着点なのでしょうが、当事者になった時を考えるとぞっとしました。

  • 強者と弱者に橋をかけるものは何か

    術後1年にも満たずに身内をガンで今月亡くしました。 どうしたらこのやるせない気持ちを整理できるのか。 そんな折にこの著書『悪医』が発刊され、 発売当日(11月30日)に入手し、あっと云う間に読み終えました。 どうして医療従事者がありのままを話さなかったのか。 そして弱者である患者側の気持ちに寄り添えないのか。 この2種類の一見混じり合わないものに 何とか橋をかけたいというのが本書だったように思う。 強者の側である医師にも、実は弱者に寄り添い支え続けたいという意思があること。 弱者の側の患者やその家族にも、怒りや憎しみで強者とかかわりたいという強い感情があること。 どうしてもかけられそうにない2極の相反するものの間に橋をかけるものは何か。 それは自らが他者に感謝と尊敬をもって接することに尽きるのではないかと思った。 思いこみの厚い鎧を脱ぎ棄てれば、そこから見えてくる景色は全く別のものかもしれない。 残念ながら現実は他者を赦すという、人間の成熟の極地にまで辿りつけずに亡くなることが多いと思う。 その点を再考させてくれた本書は、私にとり忘れ難い良書になったと思う。

  • がん患者と医師について様々なことがわかる小説

    ミステリー小説だと思って買ったのだが、そうではなかった。 しかし、購入してよかったと思っている。 がん患者と、この患者に対して「もう治療法はありません」と言った医師の物語。 がん患者を家族に持った人で、医師に対して不信感を抱いた人は、ある程度いるだろう。 私も、その一人で、父ががんになったとき、冷たい医師の発言に 強い怒りを覚えたものだ。 そういう人にこそ、読んでもらいたい小説である。 眠る時間もないほど、患者を診なければならない医師。 様々な理由で、自分のところから他の病院へ患者を 回さざるを得ない大病院。 金儲けのためだったり、研究のために患者を利用しようとする、 代替医療の医師。 いろいろな問題が、これでもかというくらいに俎上にあがる。 小説という形で、医師たちの生の声が伝えられている。 いいか悪いかは別として、医師の声、現場の声を知るのは 必要なことだろう。 著者は医師だが、本書の最後に出てくる患者のメッセージは 真に迫る、力のこもったものだ。 多くの医師にも読んでほしい小説である。 しかし、こういう小説を読む時間もないのではないかと 考えさせられた。

  • 石田 裕司

    医者を信じている者にとり驚きの連続です。でも「人間は生きる意味を追求するものではない」という意味のフレーズにはこの筆者のすべての感慨がこもっているような気がしました。すばらしい本です。

  • プロローグから

    「コメディ」スイッチが入ってしまいました。 余命3ヶ月で「待合室を走り抜けられる」程、元気でいられる「癌」とは何と良い病なのかと。 揶揄ではないです。治療薬の副作用で具合が悪くなるのは、治療を止めればとりあえず治まるでしょうが、病そのもので「抗がん剤の副作用」態の諸症状が発生した場合、治療で症状が治まらない場合は「ただひたすら我慢」しかない訳で。癌の末期の苦痛なら「麻薬持続点滴」で意識なくすもして貰えますでしょうが、「死にかけ」じゃない場合適応して貰えないんですよね…。 欲を言えば「5%は治りません。治療をしても無駄な我慢」になる事もあります。って初めに念押ししておいてほしいかな。この患者は「希望を断たない」で欲しがったが、個人的には「無駄な希望は抱かせない」で欲しい。告知時はある程度気を遣うにしても…。 この人の「有意義」って随分と大変な「有意義」だなあ。という印象。 生きる為の努力や葛藤を余すところなく発揮出来る「自覚症状ないのにいきなり余命宣告」「生きたい意欲がある内に死ねる」の患者さんは妬ましいほど羨ましいと思ってしまいました。

  • そうなのね。

    健康保険を使うと検査も治療も限られてしまうけれど、 自費だと無限大なのです。精度と効果は???ですけれど。 主人公が何故そこまで命に執着する理由がもっと知りたかった。 だってさー、何も守る物も何も持ってないのに。 自分の命だけにでしょ。 医師がお金に執着するのも名誉に執着するのも分からない。 もっと行間を読まないといけませんね。 元主治医は少し珍しい人かも。 過去の患者の事をいちいち覚えていたらやって行けない仕事だもの。

  • どんな治療をしても、人間誰でも一度は死ぬ!

    癌治療にも限界があり、抗がん剤の副作用抜きに治療しても、何も治療しない自然治癒力に任せた場合より、 早く死ぬ場合があることを知った。 正に真理だと強く感じた。人間、誰でも一度は死ぬわけだが、出来ることなら、元気で長生きしたいものです。

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