作品情報
『美しい果実』は、受賞作としての輪郭を通じて、人と時代の関係を見つめる作品である。
唐瓜直の『美しい果実』は、小説として記録されている受賞作である。単行本または収録書の書誌情報を確認し、識別子を記録した。作品紹介では、物語や詩歌が扱う関係性、記憶、時代感覚を中心に、公開情報から確認できる範囲で整理している。
レビュー要約
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題材の切り取り方と人物描写を評価する声がある一方、静かな展開や重い主題をじっくり読む作品として受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA/角川書店
- 発売日
- 2015-05-22
- ページ数
- 264ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784041030363
- ISBN-10
- 4041030366
- 価格
- 1700 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
結婚して五年目の夏、植物性皮膚硬化症候群にかかり、妻の恵理が倒れた。昏睡状態に陥った恵理を病院から連れだした俺は、農園に恵理を埋めた。それが彼女の遺言だった。謎の人物から農園の存在を知った恵理は、自ら埋められることを望んだ。農園には同じような境遇の男が大勢おり、自分のパートナーを丁寧に「栽培」している。やがて熟した女性たちは、かくも美しく甘美な果実となる――。 選考委員が驚愕した第九回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞作を含む連作集。
●唐瓜 直:からうり・なお●1985年、神奈川県生まれ。大正大学文学部卒業後、システムの開発・保守関連の業務に携わる。2014年「美しい果実」で第9回『幽』文学賞短篇部門大賞を受賞する
レビュー
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エロティック
ダークで官能的な世界。非常に好みです。 が、 どこかで読んだ感じがする。 倉橋由美子さんの短編に、美青年の生くび型の植物を育てる話があったような。 世界観も似ています。 まあ、パクりとかではなく、オマージュといっていいレベルのものですが。たぶん。 たぶん。
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地中に埋められた妻が甘美な果実に変身する、世にも不思議な物語
私は果物大好き人間ですので、毎日、いろいろな果物を楽しんでいますが、『美しい果実』(唐瓜直著、KADOKAWA)を読んでからは、果物を食べるたびに、この背筋がぞくぞくする小説を思い浮かべることになりそうです。 「結婚して5年目の夏、恵理が倒れた。新種の難病として女性に広まりつつあるという植物性皮膚硬化症候群だった。皮膚の硬化、頻発する立ちくらみ、昏睡状態へ。やがて静かに息を引き取る。苦しまないことだけが唯一の救いだった」。 不治の難病に侵され、昏睡状態に陥った愛する妻を、「俺」は彼女の遺言に従い、農園に埋めます。その農園では、同じように妻を埋めた男たちが大勢暮らしており、女性たちが熟して芳香を放つ甘美な果実に成長するよう丹念に世話を焼いているのです。これまで出会ったことのない不思議な物語が展開されていきます。 「俺は、妻を食べたのだ。これはただの果実ではなくて、植物のようになってしまい、果実になることを望み、そして俺の手で地中に埋められた恵理そのものだった。・・・恵理の望みは、これでよかったのだろうか。彼女は俺に食べられるために、果実になりたいと言葉を残したのだろうか」。
関連する文学賞
- 『幽』文学賞 第9回(2014年) ・大賞