日本の文学賞

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パイロットフィッシュ

吉川英治文学新人賞

パイロットフィッシュ

大崎善生

かつて出会った人々と言葉を追想しながら、記憶の底に残り続けるものを描く青春小説。透明感のある文章で、恋愛と喪失、人生を支える記憶の力をすくい上げる。

記憶青春恋愛喪失

作品情報

心の水槽に残る記憶を、静かな青春小説として描く。

雑誌編集者の山崎が、過去の出会いと忘れがたい言葉をたどる。失われたものを抱えながら生きる人間の優しさを、澄んだ文体で描いた長編。

レビュー要約

  • 透明感のある文章と記憶をめぐる装置が好まれ、喪失や初恋を過度に飾らず描くところに静かな強さがあると受け止められている。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2004-03-25
ページ数
256ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784043740017
ISBN-10
4043740018
価格
726 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

優しさの限りない力を描いた永遠の青春小説。吉川英治文学新人賞受賞作。 かつての恋人から19年ぶりにかかってきた一本の電話。アダルト雑誌の編集長を務める山崎がこれまでに出会い、印象的な言葉を残して去っていった人々を追想しながら、優しさの限りない力を描いた青春小説。

●大崎 善生:1957年札幌市生まれ。「将棋世界」の編集長時代に執筆した『聖の青春』で新潮学芸賞を受賞。翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。また、初めての小説作品『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。他に『アジアンタムブルー』などがある。

レビュー

  • 歳を重ねる毎に感じ方が変わる作品

    何年経ってもとても素敵な雰囲気です。

  • くすぶり続ける情念

    本作品は多くの出会いと別れを描くが、哲学的に複雑な部分もある。 記憶に関連して、存在や認識に関して考察した形跡があり、 その上で演繹的に物語りが組み立てられている。 つまり、物語を構成する哲学的骨格が先にあって、 それに従って、出会いと別れが複雑に織りなされる様な印象を受ける。 めまぐるしく変化する時間軸のため、事実関係の把握に戸惑う部分も少しあるが、 結局、根底にあるのは、記憶に関する、著者の主張だ。 それでも、情念はくすぶり続ける。 しかし、文体に魅力があり、独特な雰囲気が醸し出されている。 人生そのものの捉え方が、少々刹那的で、それが、この作品の雰囲気に華を添える。 パイロットフィッシュは下地を作る魚だという事だ。 本作品は、後に発表される「アジアンタムブルー」の下地にもなっている。 両作品は、不可分の性格を持っている様に感じる。 少し分かりにくい部分もあるが、総じて、雰囲気は悪くない。

  • 題名、表紙絵だけで購入しましたが…

    初版当時に、表紙の色の綺麗さと、題名、パイロットフィッシュ、という何だか切なげに感じて、手に取りました。 もう15.6年経ちますが、 "人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない―。" この一文が15.6年経った今でも忘れられません。 内容は云々や、感想は別として、 決して良い思い出として一切ない人でも、巡りあいで、 甘酸っぱい記憶より、黒歴史的な巡りあいもありましたが、 それすらも、ストーリーはとんでも、その一文がふとした時に頭の引き出しから出てきます。 好き嫌い、良い悪いは別として、私の頭にインパクトを与えた本。

  • 切なすぎる人生とは

    大崎善生の小説はやはり切ない。「パイロットフィッシュ」の続編の「アジアンタムブルー」同様に、読み進めるとだんだん辛くなる。しかしまた読んでしまう。恋人との別れ、世話になった上司やバーのマスターとの死別、やはり切ない。特に、山崎が取材した風俗嬢の正体が涙を誘う。名作です。

  • いちばん好きな小説です

    友人知人にもお勧めしたりプレゼントしたりしていました。 みんな元気かなあ。 この本によればいつかまた会えるはず。

  • 記憶

    過去に自分が放った言葉から逃れられない、と聞いて なんだか怖くなりました。 居酒屋でサラリーマンをバカにしたり罵倒した言葉がのちの自分を苦しめる、的な文章がありましたが…それは自分にも当てはまって、言葉はその時思ってた以上に記憶に残り続けて、 その言葉が今は自分を苦しめる、本当そうかもしれないと思ったら、怖くなった。

  • 情景になりやすい文章で描かれている。

    あまり深く考え過ぎず読めて、いいと思います。 疲れちゃってる時でも文章が入りやすくて、簡単に日常から離れられます。

  • う~~ん

    この著者の本ははじめて読みました。 正直、主人公とヒロインの関係、どうしていきなり友人→恋人→sexとあまりにすんなり事が運び、そうもそれがしっくりこなかった。正直恋愛小説で求められるのは恋人に至るまでの紆余曲折、そしてそれからの2人の関係性についてだと思っているが、この小説はその前者が欠けていて… あっという間に、過ぎ去った、という感じかな

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