日本の文学賞

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ウェルカム トゥ パールハーバー(上) (角川文庫 に 5-4)

直木三十五賞

ウェルカム トゥ パールハーバー(上) (角川文庫 に 5-4)

西木正明

『凍れる瞳、端島の女』は西木正明による、人物の記憶や関係の揺らぎを通じて、時代や人生の陰影を描く作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。

記憶家族時代喪失

作品情報

『凍れる瞳、端島の女』は、短い題名の奥に人物、時代、土地の気配を重ねる作品です。

角川学芸出版刊行の『ウェルカムトゥパールハーバー』に収められた作品です。『凍れる瞳、端島の女』は西木正明による、人物の記憶や関係の揺らぎを通じて、時代や人生の陰影を描く作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。

書籍情報

出版社
角川学芸出版
発売日
2011-07-23
ページ数
528ページ
言語
日本語
サイズ
10.7 x 1.9 x 15 cm
ISBN-13
9784043944606
ISBN-10
4043944608
価格
1153 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

ドイツの猛攻にさらされたイギリスは、当時中立であったアメリカの参戦を画策する。最終目標は日米開戦。日本もまた米国との開戦を回避すべく文書諜報のスペシャリスト、天城康介と江崎泰平をアメリカに送り込むが…

1940年秋田県生まれ。出版社の雑誌編集を経て、作家活動に入る。88年『凍れる瞳』「端島の女」で直木賞、95年『夢幻の山旅』で新田次郎文学賞、2000年『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞を受賞。

レビュー

  • Remember Pearl Harbor? Yes, Indeedと納得。

    日本を戦争に引きずり込みたい英米中ソの思惑と情報戦略が、合議社会&村社会の日本を「計画通りに」追い詰めていく展開は緊張感が漲る。 「パールハーバーは日本がはめられただけ」という総論は知っていたが、ここまでの詳細披露とストーリ性に感動を禁じ得ない。 (1) Remember Pearl Harborとは米国人のためにある言葉でなく、日本人が自らの「わきの甘さ」を反省するための合言葉。「歴史を反省し、情報戦でも世界と互角にわたっていかないと次回は国家滅亡の危険性あり」と日本人が自らを鼓舞すべし。 (2) 宣戦布告書をタイプする在米日本大使館は「前日の送別会でたるんでいた。売国奴」という淡い認識でいたが、ここでは本人たちが「これは米国の卑怯な不意打ち。であれば、我々も不意打ちを成功させるために宣戦布告は遅らせてもOK。批難は受ける」とタイプを打つ手を遅らせた場面が印象的。 (3) 「日本人は宗教家に弱い。油断する」という理屈で、宗教家を日本との交渉開始に派遣する米国の強かさ。見事に踊らされる日本人のひとの好さ。 (4) 日本をうまく出し抜くだけなく、こういった事実やデータを開示する米国の懐の広さにも感心。残念ながら日本より役者が上手。 世界での戦い方を認識するためには「日本人必読」。

  • 太平洋戦争秘話

    20世紀は植民地をめぐる戦争とそれからの解放の世紀である。遅れた資本主義国であるドイツや日本などの「枢軸国」が植民地の分割をめぐり、先進資本主義の「連合国」に挑戦したのが第2次世界戦争であるという理解がなされている。 この本では、当時の世界情勢を背景に、イギリスとアメリカが日本との和平交渉をすすめる偽装をしつつ、実は、日本を 対米戦争に誘い込んだという立場から、欧米と日本の当事者の動きをサスペンス豊かに描いた傑作である。

  • 必読書

    日米開戦によって欧州戦線へアメリカ兵を派兵させたいルーズベルト大統領,二面作戦からシベリア派兵を欧州戦線に集中させたいソ連のスターリン,ナチス・ドイツと三国軍事同盟を結んだ日本に対抗するユダヤ人の国際シンジケート.これら3者の利害は一致:真珠湾攻撃へといざなうインテリジェンスたち….

  • 連休に読むのがいいかな。

    上下巻16章立てで、合計1100頁に及ぶ大作です。 お話しは、太平洋戦争の引き金となった日米交渉が、米 英の謀略によるものだったというものです。どこまで史実 かはわかりません(吉田裕・森茂樹『戦争の日本史 アジ ア・太平洋戦争』2007は、「アメリカ側に日本を追い詰め ようとか、ましてや挑発して先に手をださせようなどとい う意図がなかったことはほぼ明らか」としています。)が、 読んでいて冗長と感じなかったのは、それだけ迫真性が あったからでしょう。 スパイ小説ですから、登場する人々が人間的な厚みに 欠けるのは仕方ありません。確かに、その分はボリュー ムを絞り込めたかもしれません。その代わり、当時のソ 連の内情についてのこの作者らしい薀蓄は、見るべきも のがありました。例えば、第三インター(コミンテルン)が、 ソ連の諜報機関だったと喝破するあたりは、図式的では あっても、ちょっと考え込ませるものがありました。 さて、中でこんなドキッとする科白がありました。 「エザキさん、ある女にほんのちょっとかすり傷を負わさ れたくらいで、その傷をほかの女で癒そうとしてもだめよ。 なにより、それにつきあわされた女が迷惑するわ」 「ともかく戦争は、ドンパチやりはじめた時はもう、あらか たケリがついている」 作家というものは、結構シニカルなのですね。

  • 仕組まれた奇襲の事実

    あらゆる陰謀が錯綜しあの開戦へといたった。その陰謀の衝撃をあなたに、昨今つぶれたリーマンの前身クーン・レーブ商会の交渉操作、民間人を秘密裏に迎え入れるためのホプキンス研究所。真珠湾の前にはこのようなしかれたレールがあった。

  • 感動した作品。

    大いに感動しました、第二次大戦の歴史が良くわかる。

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