作品情報
三島由紀夫賞で受賞となった、青山真治の『ユリイカ EUREKA』。
『ユリイカ EUREKA』は、青山真治による作品。三島由紀夫賞の対象作として、作品の構想や語り口が評価された。読者は、文学賞, 人間, 物語を軸に、受賞当時の文学的関心をたどることができる。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2000-12-01
- ページ数
- 289ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784048732673
- ISBN-10
- 4048732676
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第14回(2001年) 三島由紀夫賞受賞
レビュー
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それでも僕らは。
これも前から読んでみたかった本。 いえ、決してタイトルがEUREKAだからとかではなくて。 でもユリイカという言葉の意味自身は好きです。 これは静かなる再生の物語です。 バラバラになったパズルのピースがかき集められていく物語。 口で言うのは簡単だけれど、それはとても辛く難しいこと。 ひとつのバスが乗客を乗せたままバスジャックに遭います。 生き残ったのは12人中運転手の男と二人の幼い兄妹だけ。 彼らはそれぞれ人には説明できない、彼らだけが共有できるトラウマを負ってしまう。 月日が流れ、男は一度は捨てた故郷に舞い戻り、不思議なめぐり合わせで兄妹たちと生活を共にすることとなる。 いや、本当は不思議でもなんでもなく、彼らの再会は必然だったのかもしれない。 そこから癒しのプロセスは始まった。 “プロセス”という言葉は無骨で嫌いなのだが、それは確かに順序を踏まえたプロセスなのだ。 彼らが生きる町で連続通り魔事件が起こり、 それを機に彼らは古びたバスで旅に出る。 運転手の男と兄妹、そして兄妹の従兄弟の学生を乗せた壊れかけのバスは、 宛ても無い彼らの旅路を進んでいく。 彼らの旅の終わりに待っていたのは解放でも救いでもないのかもしれない。 けれど、癒しはそこにあった。 この本を読んで僕はまた一歩ずつ前に進んでいける気持ちを貰いました。 じんわりと優しさがしみこんで来る本です。
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状態は中古品で普通
中古本として問題なし 本の内容は映画を見てから本を読んだ方が良いと思います。本からだと結構難解かな?
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映画より小説が好きです。
話題になった映画を著者自ら小説化。 映画はセピア色を効果的に使い、思わず画面に引きつけられる魅力にあふれていたが、説明描写を極力そぎ落としているため、次々に起こる出来事の有機的なつながりが掴みにくかったように思えた。 小説では、登場人物の心理描写や、事件の詳細などが詳しく書かれているので、こちらを読んでから映画を見ると、いろいろなことが腑に落ちるのではないかと思う。また、映画にはないシーンがいくつか加えられている。 このようなディテールの描写や付加されたシーンに個人的には映画よりも感動を覚えた。 もうひとつ、注目すべきは文体である。著者自ら告白しているが、中上健次の文体を模倣している。特筆すべきはその模倣力ではなく模倣してもなおオリジナリティを感じさせる力量である。それこそが才能というものであろう。
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青山真治と三島賞が輝いていたころ
少し前に「新しい」とされていたような、ちょっと前のものは、かえってもの凄く古く感じることがある。 カンヌ映画祭で受賞した映画のノベライズ、しかも三島由紀夫賞の受賞ということで、当時は話題になったような記憶がある。同時に受賞した中原昌也、同時期に芥川賞を受賞した映画学校出身の阿部和重とともに、一時代築いた、まで行かないにしても、文芸界隈・人文系・サブカル、と色々な呼称があるが、そういった場所で青山は話題を作り出すような存在だった、と思う。 田舎の情景や、人間関係の描写については面白い。今でも、そんなに変わらない部分はあるだろう。携帯電話の登場という大変化はあるにしろ。 問題は、「中学生による殺人」という「心の闇」を扱っているあたりか。よっぽど90年代末のあの事件は、フィクションを作る人間にとって刺激だったのだろう、と感慨深い。 はっきり言うと、作り物じみてる。2000年ごろだと世界で「大絶賛を浴びた」はずで、多くの人々がリアリティを感じたフィクションが、10年経ってイマイチになるというのは、まあ作品が時間の経過に耐えられなかったということだろう。結局、殺人などサスペンス部分はストーリーを作るための構図でしかなくて、小中学生の子供らが義務教育を免れる部分だとか、中学生の男の子がなぜか連続殺人犯と同じ殺害方法を取れたり、ひどいご都合主義もある。まあ、2000年ごろだと、そういう嘘も信じられたのだろう。 細部に神が宿る、というが、細かい嘘の積み重ねで大きな嘘(=フィクション)を作るというのが、物語作家の腕であるだろう。細かい嘘を信じられない読者からすれば、物語全てが嘘臭く感じてしまう。というか、感じた。 と、色々と不満点はあるが、よくできたフィクションだとは思う。「沢井」という主人公にいくらか魅力があるからだろう。
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映画とはまた別のよさがある。
映画監督である青山真治が、自らの映画を小説化した作品。 トラウマを抱えた中年男性と、同じように心に傷を持つある兄妹との静かな交流を、 緊張感たっぷりに描ききった長編。どこに辿り着くのかわからない物語は、ミステリーとしても一級。 ドキドキしながら、ラストまで読めるのがいい。 映画を観たら感想が変わるのかもしれませんが、小説単体としてはとてもいい出来でした。
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ユリイカ
平々凡々と過ごしてきた毎日がある日起こったバスジャック事件で、しかも大勢の人が亡くなるのを目の前にした人々の事件後が描かれています。現在本当にいろいろな事件がおこっていますが、そこに出くわした人の苦悩は消えるものではありません。切ない物語です。
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映画
非日常に出会った者同士にしかわからない繋がりで通じる3人の現実が寂しい そんな中ラストでの梢に希望を持たせたのが救いだった 映画のセピアがかった光景が忘れられない。
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バカ丸出し
この人中原君との対談なんか読めば判ると思うけどホントーにバカなんですよ。田舎のイモ兄ちゃん。でもそのバカぶりが彼の魅力なの。その彼が映画や小説では何でこんなに気取るかね。未亡人下宿みたいな映画作らせるととっても上手に作ると思うよ。それがユリイカだって。笑っちゃうよね。 映画の後に自分でノベライズする二度売りはやり方は彼特有のせこさの顕れ。
関連する文学賞
- 三島由紀夫賞 第14回(2001年) ・受賞