日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
国語入試問題必勝法

吉川英治文学新人賞

国語入試問題必勝法

清水義範

受験国語の読み方をめぐる可笑しさを、ミステリ的な仕掛けと風刺で描く短編。正解を導く技術そのものを物語化し、教育制度への皮肉を軽妙に効かせる。

受験風刺国語ユーモア

作品情報

受験国語の読み方をめぐる可笑しさを、ミステリ的な仕掛けと風刺で描く短編。

受験国語の読み方をめぐる可笑しさを、ミステリ的な仕掛けと風刺で描く短編。正解を導く技術そのものを物語化し、教育制度への皮肉を軽妙に効かせる。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1987-10-01
ページ数
219ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062036566
ISBN-10
4062036568
価格
2251 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第9回(1988年) 吉川英治文学新人賞受賞

レビュー

  • 最初に読むべきなのは、間違いなくこの作品だろう。

    完全にタイトルに騙された。 「国語入試問題必勝法」は受験のためのテクニック本ではない。(3回くらい読んでわかった) いつかこの本が必要なときが来ると思って、買ってから3年以上、本棚に放置していたままだった。 はやく気が付くべきだった。(買ってすぐに読むべき) それに先立つ5年くらい前、古本屋の100円コーナーで同じ著者の「虚構市立不条理中学校」と「アキレスと亀」を見つけていた。 「虚構市立不条理中学校」は、直木賞を取り損ねた分厚い長編だが、面白いので一気に読めた。自分の年齢が子供の担任の先生よりも上になった人にとってオススメ。 「アキレスと亀」は、先輩社員と新人OLの掛け合いが絶妙の短編。有名な詭弁を見事に笑いに転換している。 かなり多作の作家なので、ファンになった読者は飽きるまで他の作品を堪能できる。 とりあえず、「河馬の夢」「戦時下動物活用法」「日本語必笑講座」「ゴミの定理」の4冊を追加で注文した。 (いまのところ)どれも中古で1円なのが(ケチな自分には)うれしい。(送料はかかるけど)

  • 受験テクニック本ではありません

    これは受験本ではなく、読み物です。 受験のテクニック本かと思って買ったのですが、それは間違いでした。 ただ、読み物としてとても面白かったので、買って良かったです。 ただ、私は中古を買ったので、中の紙が茶色くて、昔の出版物らしい文字の小ささで、ちょっと読む気力が萎えました。せっかく面白い本だから新品を買っても良かったかな。

  • 面白く、かつ為になる

    清水 義範氏の書籍はウイットにとんでいて面白く、かつ為になる物が多い。 「理科~」を読んだ後だったので迷わず購入しました。 予想通りの内容で楽しめました。

  • まさに一読の価値あり

    他の短編も秀逸です。笑い転げました。車内で読むと危険です。

  • いいえ、これは入試参考書ではありません

    この手のパロディー、パスティッシュ、本歌取りとでも言うのであろうか、私にはその手の小説がいささか食傷気味ではあったのだが、この清水義範による『国語入試問題必勝法』は久しぶりに読んで、腹を抱えて久々に大笑いしたものである。あはははは。 パロディーやパスティシュの名人・清水氏による短編集。 収められている短編は以下の通り。 「猿蟹合戦とは何か」 「国語入試問題必勝法」 「時代食堂の特別料理」 「靄の中の終章」 「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」 「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」 「人間の風景」 の八篇である。内容は、 ■「猿蟹合戦とは何か」 :丸谷才一『忠臣蔵とは何か』のパロディーである。 ■「国語入試問題必勝法」 :十数年前に流行した、有坂誠人という予備校講師によって書かれた学習参考書『例の方法』のパロディーである。「例の方法」とは、本文を読まずして選択肢から正答を求めるという、極めて邪道で姑息な「テクニック」を用いた、国語入試問題の安直な説き方である。 「大、小、展、外、誤」「長短除外の法則」「正論除外の法則」「ピントが外れている文章こそ正解」などの法則に則り、あとは「機械的に」選択肢から正答を求めるというものである。 パロディーでありながら、学校教育の怠惰・弊害をも厳しく糾したものとしても、本書は楽しく読むことができる。 ■「時代食堂の特別料理」 :「特別料理」を口にすることにより、忘却の彼方にあった「失われていた時」に回帰することができるというお話。プルーストっぽいつくりではある。主人公は、マドレーヌならぬ「特別料理」を食べることで、記憶の古層の中から、活き活きとした「想ひ出」を想起することかできるのである。しっとりノスタルジー系。 ■「靄の中の終章」 :耄碌老人の話。 ■「ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮」 :お料理小説。ただ食材が「いずれの世界にもありえないのもの」なのである。それでいて「美味」と思わせてくれるのだから不思議。 ■「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」 :球界のカリスマ・長嶋茂雄を「ネタキャラ化」した作品。長島氏はすでに「王にして道化」というポジションに落ち着いている。オーソドックスなパロディー作品である。また他の野球選手たちの、「ベタ」で「いかにも言いそう/やりそうな」言動が、ステロタイプな仕方で描き出されている。荒川、野村、張本、鈴木、金田、堀内、江川、江本、小林、谷沢、広岡、松本などに、「あまりに彼ららしい」放言/呆言をさせているのである。 ■「人間の風景」 :四人の老人が、ひとり四百字詰め原稿用紙二十枚分を執筆し、「リレー小説」として四人で一冊の完結した本を作ろうという試みである。しかしその四人、それぞれが、元新聞記者であったり、元八百屋であったり、また元警察官であったり、話の内容に職業柄があらわになり、統一性のない作品が…というお話である。 といったものである。頭の疲れたときに読む精神賦活的娯楽小説。お奨め。

  • 国語教師の国語パロディ

    清水義範さんの『国語入試問題必勝法』短編パロディです。 私がはるか昭和の頃、学校の先生に勧められた本で 現代文のテストがこれで、嫌いじゃなくなりました。 で、娘に同じ本を取り寄せました。 『四択で迷ったら〇を選べ』みたいな学校あるあるをユニークな切り口で語られてます。

  • ☆パスティーシュ(剽窃)文体を駆使した、抱腹絶倒の、パロディ短編集。多読家・一読の価値あり!

    この本を、初めて読む人のために、一言、申し上げると、この本は、「パスティーシュ」と言う技法で、記述されている、と言うことです。 その、「パスティーシュ」と言う手法は、巻末の、作者・清水義範氏による、「あとがき」で、明らかにされるのだが、「モノマネで、小説を、書く」、要するに、「意識的な、文体の模倣」と言う、方法である、とは、前もって、分かっていなければ、ならない。 その事が、前もって、分かっていれば、この短編集は、抱腹絶倒、間違い無しです。 とりわけ、多読・精読・乱読を、こなした、読書の達人であれば、あるほど、雑学・教養が、有ればあるほど、「笑える」本です。 逆に、ロクスポ、本らしい読書は、していない人は、せっかく、読んでも、何のパロディであるか、サッパリ、分からず、笑えないだろう。 その意味に於いて、当書は、「読書人の、格好の、リトマス試験紙」なのです。 この短編集では、表題作である、「国語入試問題必勝法」が、出色の、出来映え。 「入試国語問題を、解く際は、先に、設問を見よ。それから、問題文を、読め。」 これは、受験体験のある人ならば、正しく、正鵠を射た、金言と分かる。T大受験で、有名な、某Z会・C科指導部ですら、某S台予備校ですら、決して、この事実を、否定は、出来ないであろう。 しかしながら、様々な文体を駆使して(パスティーシュ)、洒落のめかす辺り、作者・清水義範氏、タダのネズミでは無い。 ですから、この短編集は、まず、巻末の、作者「あとがき」を、先に見てから、初めに戻って、本編を、読む事を、お勧めします。 私は、普段は、文庫巻末の、解説は、見ないのであるが、当文庫では、高名なる、丸谷才一氏が、書いておられたので、魔がさして、目を通した。 無論、丸谷氏は、碩学であり、私は、浅学なる者であるから、「狂歌百人一首」や、ジョイスを、引き合いに出した、氏の達文には、いささか、畏敬の念を、抱かずには、おられない。 しかしながら。作者・清水義範氏の中に有る、「パロディ性」を、浮き彫りにする辺り、私の意見と、なんら、変わりは、無い。 ところで。この短編集の、巻頭短編、「猿蟹合戦とは何か」とは、丸谷才一氏の、「忠臣蔵とは何か」の、パロディである、と知った。 にも、かかわらず。敢えて、その、丸谷才一氏に、解説の執筆依頼を行った、講談社文庫・編集部には、拍手!を、送りたい。

  • 次は他所から買います

    この状態を非常に良いにして出品していることにおどろきました。カバーはよれていて本自体も湿気や曲げでたわんでいます。極め付けはネットオフのシールで剥がすと接着剤がカバー表面に残りました。古本屋として最低と言って良いと思います。

関連する文学賞