マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実
『マングローブ: テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』は、西岡研介による講談社ノンフィクション賞の受賞作。
作品情報
『マングローブ: テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』は、西岡研介による講談社ノンフィクション賞の受賞作。
『マングローブ: テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』は、西岡研介による講談社ノンフィクション賞の受賞作。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2007-06-19
- ページ数
- 359ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784062140041
- ISBN-10
- 4062140047
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治
平成ニッポンに残された最大・最後のタブー「JR革マル派問題」。 なぜ、世界最大 級の公共交通機関は革マル派に支配されたのか。盗聴、窃盗、内ゲバ殺人を繰り返 し、警察ですら容易に手出しできない犯罪組織の実情に迫る驚愕のノンフィクショ ン。 本著は、週刊現代誌上で06年7月から計24回に渡って連載され大反響を呼んだ「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」の原稿をベースに、最新情報を追 加取材のうえ大幅加筆したものだ。 〈まるで多足類生物のごとく、熱帯地域の河口の泥地に根を張りめぐらせる「マング ローブ」。 そのマングローブの根のように、配下の革マル派組合活動家を、JRの 隅々まで浸透させてやるーー。 革マル派秘密組織につけられたコードネームからは、 そんな目論見が透けて見えるようだ。〉(本文より) 「JR東日本に巣くう妖怪」と呼ばれた男・松崎明氏(71歳)。松崎氏はJR東労 組の絶対権力者であり、革マル派最高幹部と言われている。 信じがたいことだが、JR東日本は、人事権、経営権、設備投資権といった企業経営の根幹まで松崎氏に握ら れてしまっていた。 1994年6月、『週刊文春』がその歪な労使関係を指摘したと ころ、JR東日本は管内にあるキヨスクでの販売拒否という前代未聞の言論弾圧に乗 り出した。 以来、松崎氏を批判する報道は封じ込められた。松崎明氏とは何者なのか。 本著はその人物像を多角的な視点で活写している。本書は、日本社会が抱える矛盾の構造を描ききった傑作ノンフィクションである。
同志社大法学部卒。神戸新聞記者、『噂の真相』記者、週刊文 春記者を経て現在、『週刊現代』記者。 「則定衛東京高検検事長の女性スキャンダル」など、てがけたスクープ多数。07年、週刊現代で連載した「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」(企画賞)を 受賞。
レビュー
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西岡研介氏の労作
元「噂の真相」、西岡研介氏の労作ノンフィクションです。 週刊文春、週刊現代と発表の舞台を変えて、一冊の作品に仕上がっています。 第30回講談社ノンフィクション賞受賞作でもあります。
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びっくり。
北海道の住民としては、数々の事故の原因がわかったような気がします。 友人、知人でJRで働く人が心配になります。労働貴族って本当にいるんですね。カクマルって恐ろしいです、今の時代にこんなことが起こっていたなんて。
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それでもみんな利用するしかないわけだし。
という感じ。 決して内容が悪いわけではなくて、文春の件から事態が悪化こそすれど、決して改善されていないことを表しているのが本書。 生殺与奪の権を握られても、利用しないと自分自身の生活(仕事)が脅かされる人が大勢いるわけで、JR東には公共交通機関としての 自覚と責任を再確認してほしいと願うばかり。 個人的には、JR以後に採用された現職の取材がもっと必要に思う。JR以後で採用された人の中には課長とかの主要な職につき始めて いる人もいるはずなので、彼らが現状をどう認識しているか、どう対応しているか、私にはすでに一線を退いた人間の告発よりも、現在真っ 只中にいる人たちがどう思っているかのほうに興味がある。本書はその点がかけていたので評価は少し減点しました。 とはいえ、これからJR東に就職する人や就職したいと思っている人にはぜひとも目を通してほしい1冊です。
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真面目に怖い話し
真実です
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フィクションだと思いました
図書館 読み始めて思った事、これフィクション? でもページが進むにつれて、本当のことなんだと。 組織と言うのは巨大化すると必ずどこかに闇の部分が出来ると言いますが、 本書を読んでいて怖さを感じます。 また警察関係者のJRへの多数天下りも指摘しています。 また前早稲田大学総長・奥島氏のインタビューがまた凄いです。 核マル派との対決により大学自治を回復したことが語られています。 さらに亀井静香氏(元検察官僚、国会議員)のインタビューが巻末に 置かれている。 備考 その後西岡氏は烏賀陽弘道氏と共に「俺たち訴えられました!」2010を書かれている。
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驚くべきテーマの、どこかで見たストーリー
階級闘争、団結、転向、糾弾、粛清、革マル対中核、内ゲバ、米帝・CIAの陰謀。 隠れアジト、盗聴、誘拐、監禁、撲殺、偽造の鍵や警察手帳、捜査情報漏洩。 とうに滅びたと思っていたこれらの言葉が、現代の話として登場する本書をにわかに信じ難いというのが一般読者の正直な感想だろう。 しかし本書が事実無根だとして出版を差し止めされたわけではないし、本書の内容のどこまで真実なのか、読者は判断しようがないものの、実名インタビュー(巻末の早稲田の奥島元総長も含め)には説得力がある。 私たちの身近に、それもJR東日本の電車運行という多くの国民の生命を左右する場所に、非合法の闘争を繰り返す集団が地下茎のように根を張っている。そして本書によれば、彼らは安全よりも闘争を優先させる。敵対する運転士の運転を妨害し、日々の運行を妨害して経営に揺さぶりをかける。彼らの究極の目的は、JR東日本を起点に、各業界各企業に張り巡らされた革マルのネットワークが、ある日一気に共産主義革命を成し遂げることなのだろうか。しかし多くの共産主義国家と同様に、本書の革マルも不毛な派閥争いと権力を生み、権力は腐敗した。 本書の「主役」である動労のドン・革マル派幹部の松崎は卓越した政治センスとアジテートの能力を持つカリスマでありながらも、自分のために動労の「会長職」を設けたあたりから腐敗は始まり、本書によれば組合費で購入した組合員も知らない別荘を何件も持ち、高級車で移動する労働貴族に成り果てた。 「革命政権の腐敗」は、多くの共産主義国家の歴史と軌を一にするものであり、そのことを私たちは冷戦終結後に十分に学んできた。それゆえJR東日本を革マルが支配しているという驚くべきテーマでありながら、本書の読後感には違和感がない。 出版から3年が経過している。その後の裁判の進捗を含めた文庫化を期待する。
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驚きました。内容の検証も含め、もっと議論が盛り上がって欲しいものです。
通勤・通学で使ってきた身近な鉄道会社のことながら、今まで聞いたことも、周りで話題になったこともなかった話で、ただただ驚いた。要は、JR東日本の主要労組であるJR東労組とその上部団体であるJR総連が極左セクトの革マル派に支配されているということだが、それだけのフレーズではあまりに唐突で、JRと革マルが頭の中ですっとつながらない。 まず自分の今までの常識では、組合の専従役員は社員が一時的に休職して就くもので、あくまで社員代表として組合活動に従事するのが当たり前だと思っていたが、JRあるいは旧国鉄のような巨大組織ではどうもそうではないらしい。本書では、JR東労組およびJR総連の本部は「学生革マル派」出身のプロパー書記や、「首なし専従」(会社を解雇され組合専従となった職員)に牛耳られていると指摘した上で、彼らの裏の顔こそ革マル派であり、革マルの非公然活動ともつながっていることを示唆している。 また、旧国鉄時代の動労のリーダーでJR発足後はJR東労組・JR総連の事実上のトップとして君臨してきた松崎明氏について、彼が革マル派結成時(1963年)からの最高幹部であり、国鉄分割民営化の前年頃から「革マル派とは縁を切った」と転向宣言していることを嘘だと断じている。そして松崎による組合費横領疑惑を切り口として、JR東労組・JR総連が革マル派の資金源になっていることを匂わせる。 JRのように現業で成り立っている巨大な公共交通機関では労使関係が重要な経営課題であろうと思うが、JR東日本の経営陣からこの問題についてコメントがないのは残念だ。一方本書では、JR東海やJR西日本でJR総連系の組合から旧鉄労系の組合が分離し、後者が最大の組合となった経緯が簡単に触れられている。JR東海やJR西日本はいわば「革マルと手を切る」ことができたわけだが、なぜJR東日本ではそれが叶わなかったのか。そもそも革マルのようなセクトが最大労組に浸透することはどのような経営インパクトをもたらし、経営者はどう対処すべきか。興味深い問題だが、こうした経営サイドからの視点は本書のスコープを超えているためか、なかなかすっきりしない。もっと情報がほしいところである。
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恐ろしい真実!今もJRの中に子の様な体質があるのではないかという疑問符がわいてしまう。☆4つ半です!
「レールにひびが入る。ブレーキ故障。線路が沈下。停電。信号故障。ポイント故障。列車に置き石。発車ベルのボタンが接着剤で固定。線路にコンクリートの塊が置かれる。架線が垂れ下がる。ドアが接着剤で固定される。車庫に入る前の電車の座席に針が置かれる。」 このような列車事故や列車妨害が、JR東日本管内の首都圏で37回も起きていたといいます。 2006年。小泉内閣が郵政民営化を推し進めていた頃、わずか十数年前に、私たちが交通手段として利用しているJR東日本で、こんなことが起きていたのです。 本の題名の「マングローブ」とは、革マル派JR委員会の150人のコードネームのことで、JR東日本の労組に入り、経営にまで影響を及ぼし、人事などをコントロールしていたというのです。 さて、過激になればなるほど、国民の気持ちが離れていった学生運動の終焉とともに過激派や各活動家たちは、組合などに入り込みその活動をコントロールしようとしました。その活動は、労組が労働者の利益のために活動するということをはるかに越えていました。 中でも過激な活動で知られる革マル派が、ここまでJRの労組を乗っ取っていたということを、私はこの本で初めて知りました。 さて、この本の本筋はその革マル派の最高幹部の松崎という人物です。彼は組合費を使って沖縄やハワイに別荘を建て私物化したり、アフガニスタン支援の目的で組合から集めた募金などを過激派の支援に使っていた疑いがかけられていました。筆者は言います。 「『米帝国主義打倒!』を叫ぶ、極左セクトの最高幹部が、アメリカ五十番目の州に豪華別荘を構えていたとは、もはやブラックユーモアとしか言いようがない。」と…。 さて、この松崎に警察の手が及ぶと、革マル派は「全ては国家権力の陰謀である」という考えのもと、活動を始めます。あるJR職員の言葉が紹介されています。 「あれは私がまだJR東日本に入社して《略》間もないころでした。JR東労組が主宰した広島での『平和学習』に参加したことがあったのです。《略》そのバスに乗っていたJR東労組の“偉い人”がバスの中で演説中、『少年Aは冤罪だ。あの事件は国家権力の謀略だ』などと言いだしたのです。」 少年Aとは、神戸児童殺害事件の犯人のことです。そればかりではありません。オウム真理教による地下鉄サリン事件も、0-157による食中毒も、国家権力の謀略により起こされたというのです。 彼らは、警察の追及が及ぶと何でも国家権力の介入と言って国のせいにしました。ブッシュ帝国(および小泉政権)が、CIAを使って、これらの陰謀を起こしていると信じていて、警察の無線を傍受したり、盗聴をしたり、合い鍵を作って関係者宅に侵入したりしました。 また、他の組合の仲間と一緒に食事しただけで、会社を辞めさせられた運転手もいました。彼は、「ボーナスは組合が勝ち取ったものだ、返上しろ」などと言われ続け、精神的に参って1月休んだら今度は「働けないんなら、辞めろよ」と言われ続け、対向車線から来た電車からハイビームでパッシングされたり、信号を隠されたりしました。結局彼は、会社を辞める所まで追い込まれました。 松崎氏と革マル派との関係を週刊誌が報じようとすると、全てのキヨスクからこれらの週刊誌が締め出されました。 さて、こんな2007年発行の本をなぜ読んだのかというと、以前読んだ「読書脳」(立花隆)という本で大変面白いと紹介されていたからです。この本には、JRの組合は東と西で別れており、中が悪いなどという話も描かれていました。 最近、新幹線で初の「重大インシデント」と認定された事故が起きました。JR西日本の職員からの連絡がなかったと憮然と話すJR東海の職員の姿がテレビで放映されました。ちょうどこの本を読んでいる最中でしたので、両労組の関係の悪さを表しているのではないかと大変恐怖を覚えました。 その他にも、警察省出身で赤軍派浅間山荘事件の指揮を執り、中曽根総理時代には国鉄民営化に携わった亀井静香氏へのインタビューや、筆者のエピローグが秀逸。立花隆さんの書いている通り、大変面白い、しかし恐ろしいドキュメンタリーでした。