日本の文学賞

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未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の

日本医療小説大賞

未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の

笙野頼子

『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』は、笙野頼子による闘病記・小説で、受賞・候補記録に残る対象作です。作品名と作者名を基点に、公開書誌、賞の記録、流通情報を照合し、単行本化の有無と読者向けの位置づけを整理しました。

闘病記膠原病身体と文学

作品情報

笙野頼子の『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』は、賞の記録から刊行状況と作品の輪郭をたどれる一作です。

賞の記録に基づき、笙野頼子の『未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の』を作品単位で整理しました。紙の単行本・文庫・収録書籍として確認できた場合は ISBN と ASIN を優先し、確認できない場合は雑誌号や掲載媒体の識別子を代用していません。

レビュー要約

  • 読者の反応は、題材や形式への関心と、作者の視点をどう受け止めるかに集まる傾向があります。作品の性格上、読み味の好みは分かれますが、賞の記録からも一定の注目を集めた作品として位置づけられます。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
2014-07-31
ページ数
258ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2.2 x 19.5 cm
ISBN-13
9784062190169
ISBN-10
4062190168
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第67回野間文芸賞受賞!2013年2月、突然の高熱と激痛に襲われた作家は膠原病の一種、「混合性結合組織病」と診断される。不治、希少、専門医にも予測が難しいその病状……。劇薬の副作用、周囲からの誤解、深まる孤立感。だが長年苦しんできたこの「持病」ゆえの、生き難さは創作の源だった。それと知らないままに病と「同病二人」で生き、書き続けた半生をここに――。

しょうの・よりこ 1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒。81年「極楽」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年『タイムスリップ・コンビナート』で芥川龍之介賞、2001年に『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー賞、05年『金比羅』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。他の著書に『増殖商店街』『母の発達』『だいにっほん、おんたこめいわく史』『海底八幡宮』『笙野頼子三冠小説集』『猫ダンジョン荒神』など多数。2011年より立教大学大学院文学研究科(比較文明学)特任教授。

レビュー

  • ありがとう。

    私小説。野間文芸賞受賞作。 長く「私」の生きづらさを書いてきた著者は軽度だが難病を患っていたと診察される(インタビューによると症状の重い方に比べて軽度の著者は闘っているとは思えないから、タイトルに「未」の字がついたらしい。重度の方への配慮がうかがえる)。 それは、「私」がなぜ生きづらさを抱えていたのかが判明することであり、また「私」が小説を書く上で新しい視点を獲得することでもあった。 難病にどう対処すればいいのか、マニュアル的な要素を求めることはやめたほうがいいと思われる。 なぜなら、本書は、個人の体験を書いた純文学作品だから。 著者は経験を描写し、思考し、過去を回想し、それらを小説に直す。 小説、と言っても分かりやすいおもしろさ、形式を採用しているわけではない、著者は現代に通じ、未来に残る表現、言葉を追求している、随所にネット用語が散見されるのも、今を生きる読者に伝えたいからと推察するし、また既存の小説形式を壊したいという願望もあったのではないか。 エンタメ的なストーリー展開があるわけでもなくキャラの立った登場人物が出るわけではない、確信犯で「小説っぽさ」は回避されている。 ということは、小説っぽい小説にしか触れていない読者には、難解かもしれない、初めて食べる料理に馴染めないみたいに。 でも、心をフラットにして著者の文章に耳をかたむけてほしい、個人の幸福とはどういうことか、そんなことを考える切っ掛けになると思うのだ。 そして、作中のある場面に思わず眼が熱くなってしまった、著者は別に泣かせようとしたのではない、ただ事態を「描写した」だけだ。 しかし、描写の奥にあるもの、「私」の過去や思いを「感じた」とき、はからずも僕自分と重なり、涙腺が刺戟されたのだ。 そういう効果を持った描写を、描写の効果を生む構成を、ときに文学の力と呼ぶ。

  • わかりにくいことを表現する言葉

    膠原病というわかりにくい病気の症状を、あらゆる言葉を駆使して表現された1冊。 脈絡のない言葉の羅列のように見えて、言葉の波に翻弄される内に、何となくこの病気に満たされている肉体というものが体感できているような気になってくる。 多少アレルギーとか持ってる人だと、より臨場感があるだろう。 病者の思想を語ったのは折口だったような気がするが、病者でなければ見えない世界があり、それは決して健常者に戻る課程ではないし、健常者の世界から何かが欠けた世界でもない。病気とは、怒りっぽいとか、泣き上戸とか、朗らかとか、そういう人の性格のようなもので、それをひっくるめての人格である。結果として、病気があると言う条件下でしか生きられないなら、それがその人のフィールドに過ぎない。健常者と言ったところで、では走るのは速いか?ジャンプは高いか、頭脳明晰かと尋ねれば、違うと言う人はたくさんいるだろう。 ならばなぜ、病者の進むべきゴールに完璧な健常者を置こうとするのか。健常者はちゃんと知っているはずだ。そんな健常者はいない。ならば不完全な健常者でもいいではないか。だとしたらどうして病気を手放す必要があるのか。 何となくそんなことを考える。 作者にエールを送りたい。

  • 評価

    きちんとした梱包で、商品にも問題なく届きました。また機会があれば宜しくお願い致します。

  • どういうつもりで

    著者は、自分がさも珍しい難病に罹った人として、その立場のもとに他人を非難したり変な事を書いている。私の知り合いには3人、膠原病患者がいる。その人達は、私からみると本人または親が道徳に適っていない事をしていると思う。そのうちのごく近しい一人に、読後この本をあげるつもりもあって、購入した。しかし、役に立つだろうか?注文する時は、膠原病の症状や対応の仕方が載っているのかと思い、少しでも参考になればと思っていたが、読んでみると、ほぼ対立する人への誹謗中傷や暴露のような内容で唖然とした。そもそも「イミフ」などという類いの表現があちこちに使われている本を、70代の人が理解できないかもと思い、あげるのをためらっている。未闘病記とは、どういうつもりのタイトルなのか。それでも最後50ページぐらいは症状について書かれていたので、☆は2にした。

  • 安物買いの銭失い

    値段からして「こんな事もあるかな」とは思っていたが、予想通りの不良品。 「安物買いの銭失い」を絵に描いた様な商品でした。

  • ありがとうございます!

    とても、とても。よかったです。ずっとそばに、おいておきたい本。大切な人に、贈りたい本。装丁も、写真も、本の紐の色さえも。

  • 当事者ならではのことばが

    私も膠原病患者です。笙野さんも書いていますが、膠原病というのはいくつかの病気の総称です。かりに同じ結合組織病であっても、症状の出方やその人の感じる生きづらさは実にさまざまです。「同病相憐れむ」になりにくい病気です。題名の「未」に込めた庄野さんのこだわりは、とてもよくわかります。 笙野さんが感じていた、小さいころからの生きづらさ・少しほかの子たちと違うかも、という感じは、私もずっと抱いてきました。診断がついても、主治医は今の治療に専心するから「実はあなたの小さいころの~~という体験は、膠原病が原因だったかもしれませんね」などと言ってはくれません。笙野さんがことばにしてくれたおかげで、私が感じてきた違和感の意味付けができた気がしました。 また、難病患者が自分で社会で生きたいくには、いろいろ便利なツールは使わなくてはいけません。偉そうよ聞こえるかもしれないけれど、お金で解決できるならそうする、のです。自分の体を守るために。 障害者手帳がもらえるか、介護認定がおりるということがないと、実に「使えないやつ」です。「社会的弱者」です。まだ障碍者手帳や介護保険には行かない、比較的よい状態だ、ということでしょうが、いろいろな行政サービスにも乗っかることができず、様々な生活の場面で苦労します。例えば、ちょっとした外出でもタクシーを使う、暑さ寒さに弱いのでエアコンをほぼいつも使う、出前を取る、ネットスーパー利用などなど。地に足をつけて生きている人からは「贅沢だ」とか「いい加減な暮らし」などと言われてしまいます。 私も、通院でタクシーに乗るところを隣の人に見つかり、いいご身分だとご近所に言いふらされたりしました。 その人がその人なの工夫で生きているのを、社会が認めてくれるようになればいいと思います。 星が5つでないのは、私自身身につまされ、考えさせられることばかりだったので、もろ手を挙げて5つ!!という気にはなれなかったからです。

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