ウィークエンド・ドラゴン (講談社ラノベ文庫 ほ 1-1-1)
孤独な高校生が記憶喪失のドラゴンと出会い、週末ごとに異世界へ向かう冒険ファンタジー。巨大な存在との奇妙な友情を軸に、少年の孤立と成長を描く。
作品情報
昼休みの黒い球体が、少年をドラゴンのいる異世界へ連れていく。
第3回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞受賞作で、応募時タイトルは「ウィークエンド・ドラゴン 〜辞書と生贄と最悪な物語〜」。刊行時には『ウィークエンド・ドラゴン』として出版され、記憶をなくしたドラゴンと少年の週末の冒険を描く。
レビュー要約
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ドラゴンとの会話や異世界冒険の軽さが読みやすいと受け止められている。王道的な構成ながら、孤独な少年が相手を得る物語として親しみやすい。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2014-07-02
- ページ数
- 295ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784063753653
- ISBN-10
- 4063753654
- 価格
- 12 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
高校生の廣瀬一也は、いつものように一人で昼休みをすごしていたところ、近くに謎の黒い球体が浮かんでいることに気がつく。不審に思い近寄って触れた瞬間、一也は見知らぬ場所に立っていた。そしてそこに現れたのは巨大なドラゴンだった! しかもそのドラゴンは記憶をなくしているらしい。驚きながらもドラゴンをおそれず会話する一也を気に入ったドラゴン。黒い球体も、そのドラゴンの力によって生み出されたもので、自由に行き来できるらしい。孤独なドラゴンに共感した一也は、授業のない週末に話し相手をすることになるが――
レビュー
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魅力的なキャラクターと王道のストーリー展開
金色の帯と兎塚エイジさんのイラスト、それと講談社ラノベ文庫新人賞“優秀賞”の文字が目を引く今作。 イラストに惹かれ表紙買いしたところ、思うところがありましたのでレビューする次第です。 ・良かった点 まずは会話のテンポが心地よく、スラスラ読めます。 特にドラゴンと一也の、少々トボけた会話が魅力的で、口元が綻んでしまいました。 主人公と言葉が通じていないと思ったら流暢な英語で話しかけたり、巨大な容姿でやけに人間くさい仕草をしたりと面白いです。 次にキャラクター造形ですが、 芝居がかった口調で、心の機微に聡く礼儀正しい、記憶喪失のドラゴン。 ある理由でクラスで孤立しているが、捻くれたところもない、正義感を持ち合わせた高校生 惑星サラム出身の、純真な感性と優しい心を持つヒロイン と粒揃いで、心理描写も丁寧に描かれていて作中の行動原理も分かり易く、共感と好感を抱けます。 ストーリーは少々ネタバレになるのですが、 三年前から記憶喪失で、自分が何処から来た何者なのかもわからないドラゴン。 ドラゴンの黒い球体“星紋球”は15の惑星を渡り歩くことができるので、ドラゴンに関する情報収集を試みますが、 その巨大で怖ろしい風貌では困難を極めました。今まで数十人と対面しましたが、全員が悲鳴と泡を吹いて倒れるだけで話もできません。 やはり戸惑いつつもドラゴンの身の上を聞いた高校生の廣瀬一也は、その孤独なところに若干の共感を覚え、 学校が休日の週末、情報収集に協力しようとします。 地球とは異なる惑星サラム、山小屋で少女に暴行を働こうとした男たちを合気道でなぎ倒し、 少女を近くの街ギマンドまで送り届け、情報収集を行います。 その街はカベットという鳥人の魔物に襲われており、二年に一度、生贄を捧げる風習があると言います。 助けだした少女、ニルは魔物への生贄だったのです。 と、ここまで295ページ中 116ページの中盤辺りですが、中々王道なファンタジーです。 特にヒロインの少女、ニルの魅力が文章と兎塚エイジさんのイラストと相まって、大変可愛らしく描かれています。 表紙に惹かれた方は迷わずお手にとって頂ければと思います。 ・疑問点 主人公の素性と後半の新展開について、 後半の新展開については突飛な印象を受けます。内容を詰め込みすぎて後半にしわ寄せが来たような感覚です。 一つの事件が解決したと思いきや、新たな謎・展開が続々と35ページものに詰め込まれています。 シリーズ物の序章、とすると問題がないかもしれませんが、一冊のノベルとしては少々収まりが悪いです。 商店街の面々・青葉兄妹とニルの絡み、地球の文化に戸惑うニルの様子などの人物描写をもう少し描き、 ニルのストーリーで一旦幕を閉じればよかったのではと。 次は、後半の大きなネタバレになるのですが、 主人公の能力について、 絶対防御:主人公の体表面から数ミリの間で幾層の次元が揺れ動き、力や熱を無効化する能力 身体変質:次元の揺らぎの内部で主人公の身体を保護する物質を分泌する能力 “最悪な物語(ワースト・ストーリー)”:上記能力を大きく引き出すためのキーワード このキーワードはニル救出の際に使用するのですが、 正直展開の盛り上がりや驚きよりも、戸惑いが大きかったです。 能力の伏線は、 ・青葉兄妹を不良グループから助けだした時、金属バットで殴られて無傷 ・山小屋での一也の動きを“強引かつ妙な動き”と評される ・ネムを軽々と抱え、走り回る描写 と、序盤から敷いてありますが、キーワード・能力に関する思いは語られず。 確かに長々と能力の説明をされても取り残されますが、もう少し納得が行く展開が欲しかったです。 ・総評 後半は強引に詰め込み過ぎた印象がありますが、 それを差し引いてもキャラクターがとても魅力的で可愛らしいです。 続巻があるならば、是非期待したいと思います。 講談社ラノベ文庫ホームページにて、 兎塚エイジさんのイラストと、第一章までの試し読みができますので、よろしければお試しください [・・・]
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後半から終盤にかけてのトチ狂った様なストーリー展開に唖然
第3回講談社ラノベ文庫新人賞「優秀賞」受賞作 物語は主人公の高校生・廣瀬一也が昼休みに一人で学校の裏にある林の木の上で読書に耽ろうとして奇妙な物体を見つける場面から始まる 黒い玉にしか見えないそれに触れた瞬間、一也は玉に取り込まれ異世界へ飛ばされる。異世界に降り立った一也の目の前には一頭の巨大な ドラゴンが現れ一也が降り立った世界が別の惑星であり、黒い玉は複数の惑星を渡り歩く為の道具「星紋球」である事を告げる。自分の姿を 見ても恐れを見せない一也にドラゴンは自分の失われた記憶を取り戻し、自分が何者であるかを知る為の手伝いをして欲しいと頼んでくるが… 街角で善良な兄妹に絡んでいた不良グループを軽く叩きのめす様な合気道の腕前を持ちながら、物騒な噂の為に学校で孤立していた少年と 記憶を失ったドラゴンが出会い、生贄として捧げられる運命を担わされた少女を救うというストーリー自体は王道的であり、それほど悪くは無い ファンタジー作品に出てくる竜そのものの姿をしながら複数の惑星を渡り歩き、自らの記憶に繋がりそうな情報を集めるという形而上的な特徴を持つ 「ドラゴン」のキャラクター造形もその語尾に「であるな」が付く王様口調と併せてなかなか独創的ではある 血の繋がりもないのに自分をかばって交通事故で両親が死んだ事から他人との付き合いが苦手になった一也とこれまで歩んできた生贄としての 過酷過ぎる人生から「幸せになるのが怖い」と感じる少女・ニルの関係が少しずつ近付いていく辺りも悪くない。ニルの心境を捨てられたペットに 例える辺りも中々巧いと感じた 物語自体はニルを化物に捧げる生贄として使い安寧を得ようとする町の代表と彼らに騙される形で化物と戦ってきた強靭な肉体を持つ村の人間の 絡んだ陰謀を一也がドラゴンの力を借りながら解決しようとする辺りまでは悪くなかった…悪くなかったんだけど… 町 の 住 人 と 戦 士 の 村 の 住 人 を 一 堂 に 会 さ せ て か ら の ト ン チ キ な 流 れ は 一 体 何 事 ? いきなり主人公が「第六制限解錠(リミッターアンロック)、キーワード「最悪な物語(ワースト・ストーリー)」とか言い始めて俺TUEEな 異能を振るい始めた瞬間から物語がどうしようもない迷走をおっ始めるのである。それまで普通に祖父母から習った合気道で戦ってきた筈の少年が トンデモ異能の持ち主と化し、奴隷として他国に売られた戦士の村の出身者を解放するべく奴隷解放運動を始めちゃうわ、それまで一度も出てこなかった 国や町を股に掛けて一也とドラゴンが神様のふりをして奴隷解放宣言をしたり、虫型の怪物を相手に戦ったり、よく分からん騎士団が出てきたと思ったら いきなり全滅しかけたり、黒いドラゴンが出てきて「強襲型に翻意あり」と言いながら襲ってきたり…ちなみにこのドタバタ劇はたったの35ページ程度に 押し込まれているのである。読んでいる側は当然の如く置いてきぼりにされて「え?何この大騒ぎ?」とポカーンとさせられる以外に無いし、この大騒ぎは 何の解決も描かれないままに突然終わってしまうのである。次巻への「引き」だとしてもあまりに粗いし素人が推敲もせずに書き殴った文章以上になって無い ニルを助けるだけの物語にしておけば新人らしい粗はあってもまだ多少は読める話になったのかも知れないが、この最後のドタバタ劇で全てが ぶっ壊れ、読むに堪えない作品と化してしまっている…いったいどうしてこうなった???編集者は明らかにおかしいこの構成に何の疑問も持たなかったのか? 中盤までは読めない事もない作品なのだけど、読み終えてみれば「何が何だか分からない」という印象だけが残った一冊。本当に何だったんだ…?
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ジャケ買いはしてはいけない
絵で購入してはいけないと学んだ作品。序盤から読者置いてけぼりでなんかいつの間にか話が進んでて、それでも我慢してやっとこさ追いついても虚無感しかない、そんな作品。
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ツバサクロニクルなんですよこれ。
第3回講談社ラノベ文庫新人賞優秀賞 主人公の語りや異世界のいろいろや、とまだまだ甘いなあと感じるところもあるけど、ドラゴンのキャラクターや、最後の主人公の正体へ迫っていく流れとかは単純にSFとしてわくわくする。異世界探訪記として楽しく続いてほしい。
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