ぜんぶ死神が無能なせい (講談社ラノベ文庫 ひ 6-1-1)
『ぜんぶ死神が無能なせい』は広重若冲による受賞作。書誌識別子はNDL OpenSearchで『ぜんぶ死神が無能なせい』と著者名『広重若冲』を照合し、単行本または文庫のISBNを確認した。日本の紙書籍としてISBN-10とASINを相互補完した。作品情報は受賞記録に基づき、今後の詳細調査であらすじや評価情報を補強する。
作品情報
広重若冲『ぜんぶ死神が無能なせい』。
広重若冲の『ぜんぶ死神が無能なせい』について、受賞記録と書誌情報を照合した作品データ。書誌識別子はNDL OpenSearchで『ぜんぶ死神が無能なせい』と著者名『広重若冲』を照合し、単行本または文庫のISBNを確認した。日本の紙書籍としてISBN-10とASINを相互補完した。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 2016-04-28
- ページ数
- 226ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.2 x 14.8 cm
- ISBN-13
- 9784063815023
- ISBN-10
- 4063815021
- 価格
- 350 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
夜中に俺・狭間孝一の部屋をノックしたのは自称「死神」を名乗 る少女ラノ子。彼女いわくおれの余命はあと6時間。 しかも手違いぃ!? どうやら《余生会》という謎の集会に参加できれば、俺の理不尽 な死は回避できるらしいのだが、その地図も手違いで闇の中へ。 おい死神『あちゃあ』じゃない。俺を助ける気無いだろ!? さらに余生を手に入れようとする俺の前に、ライバル死神や対立 している天使まで邪魔してくれて……ああっもう時間がない! 軽快なテンポで畳みかけてくるギャグの波。キミはこのテンション についてこれるか!? 第4回ラノベチャレンジカップ佳作受賞作!
レビュー
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「余生」を賭けて横暴な妹と出掛ける大冒険。前半はテンポの良い展開に多少期待を持たされたが、後半以降の手抜きっぷりが本気で酷い
第4回ラノベチャレンジカップ「佳作」受賞作品 物語は主人公の高校生・狭間孝一が翌日に迫った試験に向けて勉強をするかすまいかという手遅れにもほどがあるレベルで懊悩した挙句、0時を回った 場面から始まる。不意に孝一の部屋のドアがノックされるが、今この家にいるのは孝一以外には妹だけだが、妹の部屋の間にある廊下にはブービートラップを 仕掛けてある以上、ノックをした相手の正体に不審を感じ、かつて同級生を血に染めたバドミントンのラケットを構えてドアを開けるが、そこに立っていたのは 見知らぬ金髪の幼女だった。呆気に取られている孝一を他所にお手洗いの場所を聞いた幼女は教えた方に姿を消すが、我に帰った孝一が後を追うと 幼女は台所でカップ焼きそばの「べヤング」を作ろうと悪戦苦闘していた。仕方無しに二人分のべヤングを用意して自室に戻った孝一だったが、幼女は 自分を「死神のラノ子」と名乗る。当然のことながら全く信用しない孝一に対し、ラノ子はポケットから巨大なデスサイズを取りだすが、勢い余ってその刃が 孝一の首を掠めてしまう。すわ、一大事と思った孝一だったが首には何の傷跡も見当たらない。人間の魂を狩り取るデスサイズが効果を及ぼさなかった 孝一を見てラノ子は孝一が「天命」が決まった人間であると見抜く。死神大王が天命を設定した魂はそれを競り落とした死神にしか狩り取れない物らしい しかも競り落とした魂はその24時間後から刈り取り可能になるとの事。まだ死にたくない孝一はラノ子に泣き付いて何とか抜け道を教えてくれと懇願する ラノ子は競り落とされても魂を狩り取られずに済む「余生」を与えてくれる「余生会」なる試験があり、それに合格すれば魂の刈り取りを免れる事が出来る らしい。孝一はラノ子の与えてくれたヒントを手掛かりに横暴極まる妹の未樹を連れて余生会にチャレンジする事になるが… なんというか…書いている途中で作者が息切れする作品というのは長いシリーズ物なんかで、特に10巻を過ぎた辺りからは顕著に見られる物だけど デビュー作の途中で作者が完全に息切れして後半を手抜き同然で「はい、一応は最後まで書き上げました」という舐めた姿勢で出版した作品と言うのは あまりお目にかかった事が無い。本作はその稀有な例である。前半はブレブレの設定ながらも(死神大王が設定した「天命」という物がありながら、死神が 競り落としたらその24時間後には刈り取られて死んでしまう、って…それ「天命」の意味無いやん!)コミカルでテンポの良いギャグや展開の早い ストーリーに押し流される様に「まあ、深く考えたら負けみたいな作品もあるから……」と苦笑しながらも許せてしまう部分があったのだが、後半は 「これ、完全に手抜きじゃね?」としか言いようが無い、完全な「やっつけ仕事」なのである 一応、物語の方は自分が翌朝の6時までの命だと知った主人公の孝一が、夜中の二時までに「余生会」の場所を探し当て、「余生会」の場所を何とか 探り当てたら今度は翌朝の6時過ぎまでに天使たちのシンボルを天使たちが地上に創り上げた橋頭保であるコンビニ「ヘブン」から探し出して持ってくる 事を要求され、生意気その物の妹・未樹や最強の姉・紗希、孝一の魂を狙う死神のパートナーの少女・皐月といった面々を巻き添えにしながら大騒動を 起こす、というのが主な流れ 上に批判的な事を書いてしまったが、少なくとも前半から中盤ぐらいに掛けては「そこそこ」程度には楽しませてくれた、これは否定できない。とぼけた 雰囲気で焼きそば「べヤング」」をこよなく愛する死神幼女・ラノ子と孝一のトボけたやり取りや、自室の間にはブービートラップを仕掛ける関係にある 妹・未樹の横暴さ(なんとこの妹、気絶し倒れ伏した兄を目覚めさせるために容赦なく頭にサッカーボールキックをお見舞いしてくるのである)、そんな妹と 仲が良いのか悪いのか、勢いで免許を取り、そのついでに(妹の貯金6万円を勝手に使いこんで)買ってしまった「スーパーカブラ」に二ケツでまたがり、 朝六時までのタイムリミット付きの大冒険に出る勢いの良さは多少の粗があっても読ませてしまうパワーがあった 中盤で天使たちが地上への進出拠点としているコンビニ「へヴン」に潜入する展開でも孝一と天使のシンボル探しを競い、デス・ヨーヨーで容赦なく襲って くる少女・皐月との対決シーンぐらいまでは割とホイホイ読ませてくれた(皐月がジャンプ派である事を知った瞬間に、雑誌コーナーに置いてあった マガジンを容赦なく顔面に叩きつけ、昏倒させる辺り手加減が無いな、さすが「講談社ラノベ文庫」だ。ダッシュエックスの作品だと逆になるのか?) ただ、そこから先、コンビニの下にあるダンジョンに潜った辺りからは完全にやっつけ感丸出し。広大なダンジョンをウロウロするあたりから前半に見られた テンポの良いギャグも鳴りを潜め始め、展開はダラダラと単調その物となっていく。そして本当にヒドいのはそこから先。ダンジョンの奥で出くわした怪物 相手に孝一と未樹が為すすべもなく逃げ回る展開が始まるので「これはどう乗り越えるのかな?」と思ったら、最強キャラを出して何の苦労も無く、一件落着 …これって、いわゆる「デウ・エクス・マキナ」的な手法では?何の伏線も無い「デウ・エクス・マキナ」なんて単なるご都合主義でしか無いのだが? その余りのご都合主義に呆れたまま、物語は終盤を迎えるのだけど、ようやくこの場面で物語の黒幕が出てくる。何故か黒幕はラノ子に化けて現れるの だけれども、孝一がその正体を見抜いた手掛かりや根拠については何一つ描写されないのである。そしてこの黒幕相手のラストバトルはまたしても 別のキャラによる「デウ・エクス・マキナ」が発動するので、結局孝一や未樹には何の活躍の場も与えられないまま物語は強引に幕を引かれてしまうのである そして、そのラストバトルの描写が過去に例が無い程に酷かった。あんまり酷かったのでちょっと書き起こしてみる けど、ラノ子はハニ子になにをしたのだろう。少なくとも、俺が見た限り、ラノ子は何もしなかった。1ミリたりとも、動かなかった筈だ。 それでも、結果から推測するに、ラノ子は『何か』したのだ。 その結果とは、こうだ。 ハニ子はラノ子に向かって駆けていた。決意表明をしようとしながら。ところが、その途中でハニ子は後方へと吹き飛んだ。「ぐぎゃああ!」と叫びながら、 水晶壁を突き抜け、彼方まで飛んでいったのだ。 歴戦の英雄を瞬殺するラノ子―こいつ、もしかして凄まじく強いんじゃ。 「ラ、ラノ子。いま、なにをしたんだ?」 俺の問いかけに、ラノ子はいくぶん誇らしげに答えるのだった。 「死神大王の仕事」 クライマックスと言うべきラストバトルの決着の瞬間の描写であるが、この場面では何が起きたのか描かれていない。それだけでも普通では無いのだが、 結局この場面で勝者となったラノ子が何をどうしたのかは何一つ描かれずに終わるのである。伏線も何もない「デウ・エクス・マキナ」の二度に渡る使用も 酷いが、この肝心の描写も「読者の皆さんの方で適当に想像してください」といわんばかりのブン投げぶり…新人作家のやるこっちゃ無いだろう? 一応、前半だけは多少読める部分があったので星1は勘弁するが、それでも限りなく星1に近い星2だと作者と版元には自覚して頂きたい。金を取って 読ませる商業作品で、ここまで後半部分がモロな手抜きになっている作品というのはちょっと見た事が無い。作品を頭からケツまで丁寧に仕上げる 気力も誠意も無いのであれば、商業出版なんかやるべきじゃないし、読者を舐めていると思われても仕方が無い。当然のことながらデビュー作でこんな 「やっつけ仕事」を見せた作者の今後には全く希望など持たないし、次作を手に取る事も無いかと思われる。貴重な読書時間をドブに捨てたいという 奇特な方意外には全くお勧めしない、読んだ事自体が物悲しくなる様な一冊であった