日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

ノベル大賞

Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防 (集英社オレンジ文庫)

ゆきた志旗

『Bの戦場』は、絶世のブスを自称するウェディングプランナーと、毒舌のイケメン上司を中心にした恋愛コメディである。容姿をめぐる自己認識と仕事への誇りを、テンポのよい会話で描く。

ライトノベルラブコメ仕事結婚式自己肯定

作品情報

結婚式場を舞台に、外見コンプレックスと恋の駆け引きが軽快に交差する。

集英社オレンジ文庫から刊行され、シリーズ化および映画化もされた受賞作。受賞時タイトルと刊行タイトルは同一で、文庫版の識別子を採用した。

レビュー要約

  • 主人公の自虐的な語りと、仕事場での掛け合いの軽さが読みやすいと受け止められている。外見を笑いに変える設定には好みが分かれるが、ラブコメとしての勢いを評価する声が多い。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2016-12-16
ページ数
240ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784086801133
ISBN-10
4086801132
価格
594 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

物心ついた頃から“ブス"だったわたし。子供の頃に見た結婚式に憧れて、自分は無理でもせめてそれを演出する人になろうと、ウェディングプランナーになった。様々なお客様が人生の門出を祝おうとホテルを訪れる。そんなわたしが、やり手で絶世の美男子の久世課長に求婚された!?「香澄さん、ずっと探していました。あなたのような…絶世のブスを」「はぁ!?(怒)」

レビュー

  • 何度読んでも最高に幸せな気分をくれる

    シリーズの完結まで読み終えて、一生でもなかなか出会えないほど楽しい素敵な作品でした。 何度も読み返しています。 そのたびに、いったい何度クスクス笑ってしまったことでしょう。 なによりも語らずにはいられないのは、強烈な変態ヒーローの言動。この作品でなければ楽しめないセンスの塊!としか言いようがありません。 現実にこんな上司がいたらドン引きですが(笑) キャラクターとしての、不器用で完璧ではない部分が愛おしくて面白くて。 同時に、主人公と一緒に仕事の大変さとやりがいに目頭を熱くしたり、思いがけない失敗にヒヤッと背筋を凍らせたりと、物語の世界に引き込まれて一気に読まされてしまいます。 それは、主人公のカスミがとても魅力的な女性だからでしょう。 外見に激しいコンプレックスを抱えながらも、人としてプロの職業人として、尊敬しかない生き方をする彼女。 こんな人と一緒に働いてみたいなと思わされるキャラクターでした。

  • もっと醜くなるがいい

    物語を面白くするのは、人間の欲望である。それもできれば、見苦しいくらいの我欲がいい。 憎い相手を死んだ方がマシな目に遭わせてやりたいとか、処女の生き血を浴びてでも美しさを保ちたいとか、魔法をかけてでも好いた対象を振り向かせたいとか、己の劣等感の源を根絶やしにしたいとか、嫌われたくないとか生きていたいとか……心からの欲には、その人の本質が眠っている。欲望を掘り下げるほどに、キャラクターの描写は深まっていく。我欲の能動的実現に近づくほどに、ストーリーは激しさを増す。 では反対に、無欲な人間が主人公だったら? 既に欲を諦めて久しい、利他的で穏やかな人物を中心に据えたら? 作中で、捨てた欲が掘り起こされないままだったら? 優れた書き手ならば、それでも話を紡げないことはないだろう。エンジンもガソリンもない自動車を、人力他力で引かせるようなものだが。今作のように。 絶世のブスたる主人公が、意識の高いB専上司からのアタックに揺さぶられつつ、ブライダルプランナーとして新郎新婦達のために頑張る……というのが本作の大まかな内容。 とてつもなく読みやすく(1巻読破に30分とかからなかった)、適切な密度と情報量のある文章。イメージの容易な、長所も短所も愛すべき登場人物達。無理と無駄の少ない伏線使い。シリアスな描き方もできるだろう「ブス」というテーマを、コメディ多めに仕上げた発想と筆力。ブライダル分野の知識。映像化&シリーズ化も容易そうな、ビジュアル面と設計面の強さ。数々の武器の光りまくる良作だった。疲れる話を読みたくない読者はもちろん、出版社と編集者も大喜びだったのではないだろうか。 私も概ね愉快に読めた。冒頭に書いたような点を除けば。 今作の主人公は、我欲が浅い。仲間や新郎新婦のために奔走するばかりで、自分の欲を派手に出そうとしない。物語のスタート地点で、既に自分のブスさを諦めている。ブライダルプランナーという職業だって、自分がブスで結婚できないなら裏方として携わりたい、という第二希望で選んだ。 誰かのために頑張れる人間は、それはそれで美しい。応援したくなる読者もいるだろう。感情移入を誘うために、主人公の人助けを描くのは悪手ではない。 しかし私は、そういう利他的な人間が、我欲を爆発させるところを見てみたい。綺麗な心に潜んだ、醜い欲望の限りを読みたい。ブスだから、できないからと諦めた、最初の願い――彼女自身の結婚願望こそを、優れた筆で照らして欲しい。意識の高いB専上司には、主人公の真の望みを暴いて欲しい。百のブス礼賛よりも、ただ一度、「本当はあなただって結婚したいのではないか。できないからプランナーをしているのではないか。今なら夢が叶う、僕が叶えられる」と告げてみて欲しい。相手の一番の急所を突かずして、何がドラマか。第二希望の枠に閉じ込めた、牛歩のお仕事シリーズ物にしてどうする。 コミカルなキャラクターを遠巻きに眺める、疲れない話もたまにはいい。需要があるのもわかる。 けれども私は、読了後に三日は立ち直れないような話が読みたい。ガソリン満タンの車で、崖を越えて海に飛び込むような。 欲張って何が悪い。

  • 買ってよかったー

    前から「絶世のブス」というパワーワードに惹かれてはいたのですが、なんとなく手がのびずだったのですが、映像化もするということで興味おさえきれず購入しました。 文章やかけあいのテンポのよさやキャラクター性がよく、サクサク読めます。 容姿に自信のない主人公ということで、容姿に対して色々思うところのある人間の気持ちや感情も描いていて、なるほどと感じさせてくれます。 そして、お仕事ものということで、結婚や結婚式の考えについても深く考えさせれます。ひょっとしたら、結婚式場のパンフレットとかに似たような内容書かれているかもしれませんが、単なる情報としかうけとめていないものと、物語ということで人生を描きながら伝えられるものでは情報の重みが違うので、心に染みました。 私がこれを書いている時点で5巻まで発売されています。面白くて一気読みおすすめです。

  • 真のフェミニズム小説?

    物語では主人公は大体美形だが、それを逆手にとった上で、いわゆる「お仕事小説」としての設定を盛り込んだという意味での新機軸。ただし新機軸といえども書き手が平凡ではそれほど盛り上がらず、それどころか何らかの形であり得ない「奇跡」を持ち込むしか打開策はなくなる可能性が高い。ところが本書は文章が独特の快いテンポで進むのに加えて、設定そのものでも「ブス」であることをむしろ全面に押し出す。しかもそれでいて一種の感動を与える作品になっているのだから只者ではない。ともかく第一章のラスト「そしてふたりは、いつまでもいつまでもしあわせに暮らすわけねぇだろ。」(p71)まで読んでしまうともはや填まってしまうしかない。実を言えば、一般に認知されている「フェミニズム」とは裏腹に、本書こそ真のフェミニズム小説ではないのかと思ってみたりもする。

  • 正直、不快でした。

    お仕事の話は面白いのですが、課長の言葉が不愉快です。 次の巻読む気が失せます。 課長のひどいセリフがなかったら全巻読んでいたと思います。 残念です…。

  • 綺麗な本でした

    大変綺麗な状態で届けていただきました。ありがとうございました。 本の内容ですが、とにかくコミカルで面白かったです。それに加えて時折見え隠れする、主人公の仕事に対する信念が大変かっこよく、著者本人がすごく真剣に仕事に向き合われる方なのだろうと感じました。

  • 落とし処が(要注意:ネタバレ少しあり)

    設定&キャラクター構成ともに斬新です。 登場人物が皆、生き生きとしていて入り込める。 B専の気持ちも分かるし面白い。 けど、普通の恋愛を望んでいる主人公が、 自分も好感を持てる男を振る理由が、納得いくまで説得されませんでした。 まあ、そうでないと、続編に進めないんですけどね。

  • 出だしから面白い

    絶世のブス、というパワーワードに惹かれて買いましたが、面白い。 主人公が卑屈なのですが、爽やかで前向きであまりそれを感じさせないのが素晴らしい。

関連する文学賞