作品情報
今夜、2つのテレフォンの前。は、受賞歴にふさわしい密度で人と世界の関係を見つめる。
時本紗羽の『今夜、2つのテレフォンの前。』は、受賞対象として確認できる作品である。公開書誌や出版社情報で単行本化を確認できる場合は識別子を記録し、単独書籍として確認できない場合は雑誌・掲載媒体の識別子を流用していない。
レビュー要約
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恋のきっかけを可視化する設定と、軽やかな文庫らしい読みやすさが評価される。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2018-02-20
- ページ数
- 272ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784086801782
- ISBN-10
- 4086801787
- 価格
- 103 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ロマンス
「想史ともっと話せるようになんなきゃなぁ」 『今日の戦績は?』 「ダメダメです。たまに頷いたり反応してくれたりするんだけど、基本的にはシカト。なんでなのかなぁ……」 『しつこく話しかけてみたらいいよ』 「でも、そろそろうざいんじゃないかなぁ。嫌われるかも」 幼馴染みの想史に思いを寄せる女子高校生・志奈子は、別の高校に通うようになってから、想史は口をきいてくれなくなってしまい、胸中に不安を募らせていた。 そして志奈子は、毎晩想史とは違う大人の男――顔も知らない高校教師――と電話をしている。 愚痴や冗談を言い、そして恋愛相談をしていた。 一方、志奈子に電話をしている高校教師の直江は、昔のクラスメイトに初恋だった女性の結婚が決まったと聞き、胸中穏やかではなかった。 2人が電話をすることになったきっかけは? そしてそれぞれの片想いの行方は? 時空を超えた“片恋"物語!
レビュー
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短いけれど、爽やかでいい恋のお話
タイトルと出だしからすぐにピンときますが、未来の男性と、高校生の女の子の電話がなぜか繋がって、交流していくお話。 違う世界の男女の電話が繋がって、心の交流をしていくというと「ターン」等が浮かぶので、さほど珍しい話ではありませんが、作者さんの柔らかい文章と青春要素でいい感じです。 この作者さんはわりとダブル主人公というか、男女それぞれの視点をいれて話を作ることが多いようで、今回もそのパターンで、綺麗にオチまでつけています。 わりと短く爽やかであるので、実写映画とか向きのお話です。欠点としては綺麗に決着がついているのでシリーズとか向きでないことでしょうか。 幼なじみが好きだけど、相手にされなくて不安な女の子と、過去に素直になれずに後悔を抱えた大人な男が、時間をこえて話して、自分の恋愛に前向きになお話。 特別なことはなにもない地味なお話ですが、青春の爽やかな感じがして心地よいです。 後悔を抱えた大人と言いますが、27とかって普通に若いし、きちんとした職にもついているしで、絶望するような年齢でもなく、色々やりなおせる年。 そしてまだ未成年の頃のあれこれを引きずるような若さのある年でもあります。 だからこその電話でのやりとりして、色々変えれるかという期待のある話なんでしょう。 どんな感じで爽やかな結末になるかは読んでのお楽しみかな。
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