作品情報
白い罌粟は、金銭と破滅をめぐる奇妙な関係に巻き込まれる人物を描いた短編。
白い罌粟は立原正秋による短編集。金銭と破滅をめぐる奇妙な関係に巻き込まれる人物を描いた短編。端正な文体の奥に、欲望と自己崩壊の危うさが静かに広がる。 受賞対象としての中心は、題材を支える表現の確かさと、同時代の文学・芸術のなかで示した独自性にある。
レビュー要約
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作品の評価は、受賞歴と後年の言及を通じて、題材の強さと表現の持続力に向けられている。読み手には時代背景を踏まえて味わう作品として受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2015-05-25
- ページ数
- 416ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093522076
- ISBN-10
- 4093522073
- 価格
- 935 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
直木賞受賞作含む、立原正秋の代表的短編集 日本と朝鮮の血を引く家系に生まれた兄弟が、戦争という得体の知れないものに翻弄されながらも、自分たちの存在を確かめようと、”血”とは何かを追求した「剣ケ崎」。 金貸業者を踏み倒す事を仕事にしている奇妙な男にひかれて、その不可解な魅力と付き合っているうちに、自らも破滅してゆく中年の教師を描いた「白い罌粟」。 没落寸前の旧家・壬生家。その終焉を闇夜に輝く篝火に象徴させ、従弟との愛を”死”で締め括った人妻を描いた「薪能」。 義弟との束の間の愛に燃えた若妻を描く「流鏑馬」、麻薬窟に出入りし、女と薬に溺れる男を描く「薔薇屋敷」。 直木賞受賞作、芥川賞候補作など立原正秋の代表短編5編を納めている。
レビュー
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せいしゆう 正秋 の世界にさぁ入りましょう!
ハードカバーでないので、比較的に軽く、ページ捲り安い。 名作だけを集めた理想的編集! お若い方も男女問わす、是非お読み下さい。幅の広い作家で、作家ならではの世界に入れれば人生の歩み方も変わります。純文学としても多く残されています。日本な庭は独自の視点でかっぱする評価は鋭い審美眼を持ち合わせています。
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男性の立場
初期から中期の作品集らしい。まだ食べ物や食事に関する描写はほとんどない。主人公が女性か男性かどうかで大きく変わる扱いだの、浮気相手と嫁さんとの間で煮え切らない男性(それでも「花のいのち」のように、嫁さんに弁明にもなっていない屁理屈をごねてみせる旦那よりかはましの方だが)だの、夫との間にあまり愛情はなく純愛といえども不倫であることに違いはなく、そのことに胸を痛めるヒロイン、俗物を貶してるのか憐れんでいるのかはっきりしない作者の思考など、後の作品にも引き摺るモチーフは作者らしいが(彼自身がいつまでもぐずぐず、うじうじと粘着するタイプだったのは間違いない)、読む状況によってはうんざりしてしまうだろう。 堀川さんの表紙と巧みに隠された性描写、「流鏑馬」で誘い受けする女主人公などは斬新だが。 旦那の立場の男性への描写も散々だ。「薪能」「流鏑馬」の旦那は先ほどの煮え切らないタイプ、兄嫁との再婚が決まっている「薔薇屋敷」の主人公は違法薬物の中毒者、その兄は展開上嫁さんと弟とを不倫させるわけにはいかないから死なせられている(「冬の旅」安のタイプだ)。「剣ヶ先」の主人公の父は、主人公の母でもある妻は他の男性と再婚、弟は自殺、日本側の親戚の何人かも不条理な死で失っている。こんなのはほんの一部分だ。…何だか気の毒になってくる。「白い罌粟」だけはまだ一度も読み終えたことがないのは、そこにも原因があるのだろうか。「薪能」「薔薇屋敷」は旦那や医者の飄々とした喋り方などで、何とか読める方だが。映像化されることも少ない立原作品だが、もしこれらの作品がそうなることがあれば、旦那や医者の役はかつての「北岡弁護士」を思わせるような人(もちろんご本人でなくても、面影がそれっぽい人ならオーケー)に演じてもらいたいところだ
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立原正秋という様式美
美しい作品の凝縮された一冊ですね。しかしながら立原正秋先生という方、誤解を恐れず言えば、あまり精神的に幸福な人だったとは思えません。主人公たちの耽美的特性が、なにかとすぐ死につながってしまう展開は作劇上、少々安易ではあるまいか。そんな結末の作品が多いことは事実であり、このたった5編を集めた一冊でさえもそれは顕著です。立原先生ご自身の知るナマの人間たちが、余りに厚かましく自省的でなさ過ぎることへの、先生なりの皮肉なのかも知れない。が、登場人物にここまで"浮世離れ"させてしまう手法は、どうしても私のような凡人には偏って見えてしまう。美意識は往々、滅びと結びつき易いのは認めるにしても。しかし、それこそが立原先生ならではの様式美なのかも知れませんね。その中で、直木賞受賞作の「白い罌粟」だけが異質です。ここでは俗物が主人公で、ただの善人が魅力的な悪人に破滅させられる愚かな姿が巧妙に描かれています。先生の美意識の裏側にある、人間というものに対する攻撃性が垣間見えて、興味深かったですね。いずれにせよ、精神が鈍磨して心に襞なき令和の人々に、広く読んでほしい名作ぞろいなのは保証いたします。
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老人が電子書籍で容易に文学に親しめる
昔から小説本が好きでしたが、歳と共に小説の世界から遠ざかっていました。今回偶々本書が電子書籍化されている事を知り早速購読。文字を大きくし立原氏の美しい文体を久し振りに味わっています!
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やはり良い作品は残してほしいです
昔から「薪能」は大好きな作品です。文庫も単行本も全集もありながらつい買い求めてしまったのは作品の魅力いがいにはありません。こういった小説は今の時代だからこそ読んでみる必要があるような気がして。
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昼ドラかよ
直木賞受賞作で、本人は芥川賞でないのが不満だったようだが、毒々しい原色で彩られた昼ドラみたいな通俗小説である。立原の虚偽に満ちた生の哀れさを描いた高井有一の『立原正秋』は名作だが、立原の作品はまったく評価できない。
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有難うございました
中古とは思えぬほどきれいな状態で大変満足しています。 迅速丁寧な対応に感謝です。有難うございました。
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- 直木三十五賞 第55回(1966年) ・受賞