日本の文学賞

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切れた鎖

川端康成文学賞

切れた鎖

田中慎弥

『蛹』は、田中慎弥による川端康成文学賞の受賞作。

謎と不穏

作品情報

『蛹』は、田中慎弥による川端康成文学賞の受賞作。

『蛹』は、田中慎弥による川端康成文学賞の受賞作。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2008-02-01
ページ数
146ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784103041320
ISBN-10
4103041323
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

海峡を目の前にする街に続く旧家・桜井家の梅代は、出戻ってきた娘美佐子と、幼稚園児の孫娘の三人で暮している。古びた屋敷の裏にある在日朝鮮人の教会に、梅代とその母はある憎悪を抱え、烈しく嫌ってきた――。注目の新鋭が圧倒的な筆致で描く芥川賞候補作。

レビュー

  • 深さ!

    深い!このひと言!

  • 初期の傑作

    全編に漂うのは最初は緩い不快感だと思ったが、今にして思えば緩慢な死臭だったとわかる。 「意の償い(『新潮』2007年4月号)」 子供を持つのが怖い、より正確には親になるのが怖い、裕福ではない家庭の夫の目視点の出産直前に至るまでのお話。両親が家事で焼け死んでいる最中に妻と初セックスをしていて表題になる。普通はそんな程度でトラウマになるとも思えないが、語り手の妄想がそれを納得させる辺りが巧み。客観と主観を混乱させる手法で書かれているので時々描写の主体がわからなくなって読み辛いが、それも味。 「蛹(『新潮』2007年8月号)」 成虫に成れなかったかぶと虫の幼虫の寓話。角だけが立派に伸びて土の上に出ている。ちゃねらーの妄想を文学的に昇華させると。こうなるかも…… 遡ればカフカの変身に辿り着くのだろうが、類例が思いつけない辺りが凄いんだろうな。 「切れた鎖(『新潮』2007年12月号)」 作家出身の山口の寂れたコンクリートの海浜の町が舞台。絡むのは没落した資産家の三代の妻(出奔など、いずれも夫に恵まれない)と在日朝鮮人のカトリック教会に住む謎の男。腹に鎖を巻いてその先をコンクリートの道に垂らしてじゃらじゃらいわせているので帯電体質かと思って笑ったのは、わたしだけか…… 女の側の描写を縦走させて最後に父の不在を垣間見させる辺りが上手い。

  • 期待外れ、「蛹」狭く窮屈な文壇の中の思考か、川端賞??

    「蛹」が川端賞だということで読んでみたが、期待外れでした。 狭く窮屈で技巧で生きる文壇の中の描写のようにしか読めませんでした。 あるいは、押し込められて土の中の生か。 井伏鱒二の明晰な「山椒魚」とは比較にならない。 表題の「切れた鎖」は、家を執拗に追求する点は読めたが、悪文で視点が定まらない、自分勝手な小説でした。三島賞??文壇は魑魅魍魎??

  • 蛹が一番良さが出ている

    彼は記者会見で一躍有名になったが、彼の欠点をあげつらうのは、読んでから、作品に関して、行うべきだ。 ややこしいのは、やはり彼の描写で、現実的でない、しっくりこない、というところは散見され、それが彼に対する外形標準の批判と重なる部分があることだ。 しかし、それは彼の作品の本質でない。しかし、どうしてもそういったことが気になるのであれば、蛹を読んでほしい。この作品にはそういった紛れがない。 共喰いは、切れた鎖を洗練させた作品。かなり完成度は高まっているが、彼の一番の本質は蛹にあると思う。

  • 繰り返し読みたくなりました。

    三編の内 蛹は良かった。田中氏の作品は入り込むには少々時間がかかる また理解するには二度は読みたい!読み進めるたびに抜け出せなく世界感がる。沢山の方々が記載されているようなので、ネタばれは白紙にします。想像絶する作品です。読むたびに 色々考えさせられました。

  • とにかく『蛹』がいいサナギ。 これ、オネ−マン賛歌です。 (ちょっとウソ。オネーマンが私にとって何となく俎上に上げやすいだけ。声援はホントはもっと広範に向いてる) カブトムシのサナギが土の中で長い間、 身動きとれず、這い出る機会を逃し続けて居るうち、 ツノだけが伸びて聳えて、ついに大木になるってお話。 外の世界を知らないカブトムシが、 森の一部になってたくさんの生き物をはぐくみます。 マツコさん? かばちゃん? いや、イッコーさんがいいかも。 暗喩を事細かに説くとイヤーナ話になるのでやめますが、 様々なことを諦めなきゃならない状況で、シンボル(ツノ・股間)に 本来の機能とは別の意味を得て、世界中の誰よりも優しくなる、という物語。 いい。 読後、出家したくなる。

  • 何度も読むといい本。

    田中慎弥さんの本です。 「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の三編がおさめられている短編集です。 いかにも純文学って感じで、一人称視点から、その心の動きをよく描いていると思います。 また、すこしキレてるっぽい感じといいますか、わだかまりのある感情を、長文でよく表現している感じがします。 また、親との桎梏というか、血縁の桎梏というか、そういうものを描いているのですが、 ただ、あまり大きな事件がおこることも、特段なく、純文学してんなぁ、というところでした。 あまり深く考えず読んだのですが、何度も読むといいのかもしれませんが、まあ、二度と読むことはないかなぁ…。

  • 最近の小説より個性のある作品

    奇妙な関係の中で描く筆力は何か刺激あります。 最近のライトノベルの作品読むならこの作品は良い本です。 ここ10年位芥川賞は駄作ばかり選ぶので読みませんでした。 この本も候補どまり。 しかし、この著者は胸ぐらつかむ筆力がありますのでぜひ一読ありです。 一読で終わりますが今後期待の作家ですね。 著者には長編小説を書いて欲しいです。

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