作品情報
地球システムの崩壊は、地球システムを軸に読者を作品世界へ引き込む。
地球惑星科学の視点から文明と環境危機を捉え、人間圏の限界を論じる文明論。 受賞歴により再注目され、現在も著者の代表的な仕事として参照される。
レビュー要約
-
題材への切り込み方と読みやすさが評価されている。一方で、扱うテーマの重さや独特の語り口に好みが分かれる読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2007-08-24
- ページ数
- 221ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784106035883
- ISBN-10
- 410603588X
- 価格
- 1210 JPY
- カテゴリ
- 本/科学・テクノロジー/地球科学・エコロジー/環境問題
Amazonで松井孝典の地球システムの崩壊 (新潮選書)。アマゾンならポイント還元本が多数。松井孝典作品ほか、お急ぎ便対象商品は当日お届けも可能。また地球システムの崩壊 (新潮選書)もアマゾン配送商品なら通常配送無料。
レビュー
-
中身はよいが、題名に問題あり
松井氏の本は、読みがいがある。氏の不変を探求する真摯な姿勢が感じられ、好感が持てる。理科系の学者ながら、宇宙論から太陽・地球・人間の歴史と縦横に論じている。すべての人にお勧めしたい。これだけ読めば、宇宙・地球論の大体の流れがわかると思う。ただ、地球システムの崩壊という題名は、内容にそぐわないし、そんなことは一言も言ってないのに、売らんかなの姿勢で、編集がつけたのではないかと思う。地球システムの崩壊より、人間圏や生物圏の崩壊の方が差し迫っているし、地球システムはちょっとぐらい人間がムチャしようが、巨大彗星の激突があろうと1万年のタイムスパンで、元に戻してしまう。とにかく、我々の一般教養としても読むべき本と思う。一言文句を言うと、人間の歴史を述べるのだったら、マルクスを咀嚼してその歴史を述べないと、階級分化の歴史も何もないことになる。
-
ドライな視点
太陽がやがて膨張して火の玉となった地球をのみこむ、、、これは昔、貸本屋で読んだ、手塚治虫かエイトマンに書かれていた内容だった。かならずその時がくると思った。その時はすべてが無になると思った。霊魂すら無くなると思った。ものすごい恐怖感を思い出した。そこには、ミームというような概念すら意味をもたない冷徹な物理的事実がある。ただし、地球外へと飛び出すことで延命はできるかもしれないが、その宇宙にすら終わりが来るとしたら、、、。
-
羊頭狗肉
なかなか面白い本ではある.著者が専門とする比較惑星学の最新の知見に独自の文明論を織り交ぜ,退屈せずに読ませる.ただ題目の「地球システムの崩壊」と,帯にある「このままでは人類に100年後はない!」と言うキャッチフレーズはいかがなものであろうか.大体読者は本の題目と,こういうキャッチフレーズで,本を購入する.しかしこの本は,著者があちこちに書き散らした雑文を一冊にくくったもので,何もこの題目に即したことが書かれているのではない.たとえば,最近問題となっている地球温暖化にしても,著者の立場は,人間がいくら二酸化炭素を出しても,地球システムが応答して炭酸ガスを減らすので,金星のような惑星にはならない,というものらしい.確かに幾ら人間が排出しようとも,二酸化炭素ガスが90気圧にもなる金星のようにはならないであろうことは素人にも分かる.問題は,地球システムの応答が始まる以前に,ただの数度の温度上昇に人類文明が耐えられるのかどうかが,現在問われているのではないだろうか.こういった現実的な問いの答えを聞きたくて,この本を購入した人はがっかりするだろう.
-
あと100年で人類は滅びるだろう
タイトル帯の「あと100年」は当時、著者が色んな場所で言っていたことらしい。だから著者の意向だと思いますよ。でも最近は言わないようにしているらしいです。本当のことを言うとみんな暗くなってしまうからだそうです。 この本の科学的な宇宙論を見るに、宇宙の長い時間において人類の歴史なんて極めて短い。「あと100年ももたない」と言われてもそれほど驚かない。生まれては消えゆく泡のように文明人類も成熟後は消えゆくシステムの中にある。本書に答えは書いてはいないが、現在いかに文明が末期にあるのかは本書の内容から類推できます。 地球システム上、消えゆく運命にある。それに抗ってはならないと思う。地球のシステムに人類が共存できるか。できないであろう。だが共存しようと努力した人間のDNAはきっといつか誕生する文明に引き継がれると思う。あと100年しかないだろうが最後の最後まで地球に、宇宙に感謝し、全てと共存しようとDNAに刻みつけながら生きることが我々の使命ではないだろうか。
-
SFより面白く、ワクワクしながら愛読
今自分が生きている地球はどんなところか、自分が知らない遠い惑星のことはどこまでわかってきたのか、太古の地球や未来の地球はなど、比較的最近明らかになってきたことは、どれもその事実関係自体にいちいち驚かされて読むほどに学ぶ楽しさが味わえる。 これまでの常識では理解できないことをきちんと整理して提示してくれているので、ワクワクしながらじっくり味わうタイプの本なのに、出版社のつけたタイトルと帯のキャッチフレーズは、現実的な答えが本の中にあるかのように錯覚させるところがあって、誤解のもとになっているんですね。
関連する文学賞
- 毎日出版文化賞 第61回(2007年) ・受賞