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皇帝たちの都ローマ: 都市に刻まれた権力者像 (中公新書 1100)

毎日出版文化賞

皇帝たちの都ローマ: 都市に刻まれた権力者像 (中公新書 1100)

青柳正規

『皇帝たちの都ローマ:都市に刻まれた権力者像』は、青柳正規による中央公論社から刊行された作品で、毎日出版文化賞で評価された。題名が示す対象を軸に、著者の関心と時代背景を読ませる一作である。

受賞作毎日出版文化日本文学

作品情報

『皇帝たちの都ローマ:都市に刻まれた権力者像』は、毎日出版文化賞で選ばれた青柳正規の作品である。

『皇帝たちの都ローマ:都市に刻まれた権力者像』は、青柳正規の仕事の中で毎日出版文化賞の対象となった作品である。1992年に中央公論社から刊行された一冊として、作品名に掲げられた主題を中心に、人物、社会、歴史、記憶などを読み解く内容を持つ。

書籍情報

出版社
中央公論新社
発売日
1992-10-01
ページ数
401ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784121011008
ISBN-10
4121011007
価格
1078 JPY
カテゴリ
本/歴史・地理/世界史/ヨーロッパ史/ヨーロッパ史一般

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レビュー

  • やっと手に入れた

    ローマという時代を皇帝とその建築物で綴った名著。復刊して欲しい。

  • 塩野七生の『ローマ人の物語』を再読すべきか悩んでいる人におすすめ

    しばらく前に『ローマ人の物語』を読み終わってしまい、 もう一度読み直してみたい気もするがさすがに全15巻はキツい、 と躊躇していた私にとって、前2世紀半ばのポエニ戦争終結前後から 後330年のコンスタンティノポリス遷都に至るローマ史の主要部分を (約400頁と分厚いが)新書1冊で「復習」できる本書は、非常に好都合であった。 本書に対してかなり低い点をつけているレビュアーもいるのは、 歴史書であり建築解説書でもあるという本書の性格上、 ほぼ5世紀にわたる歴史の流れを追う必要があるのに加えて、 数多くの建築物が次々と(しかもかなり詳しく)紹介されるため、 予備知識がないと細部がなかなか頭に残らないせいではないかと思う。 ところが、塩野氏の著作で基本的な流れやローマの都市像を押さえていると、 初めて読まされる内容というのはほとんどなく、個々の出来事に対する解釈の違いや 塩野氏の著作では語られなかった細部に集中して読み進めることができるので、 (全体に、塩野氏は先行業績に大胆に異を唱えようとする傾向が強いのに対して、 本書の著者は学者だからか、比較的オーソドックスな書き方をしているようだ。) ローマ史に対する理解をさらに多面的なものに深められるという利点があるように感じた。

  • ローマ帝国史

    毎日出版文化賞受賞作である。著者は東大教授の考古学・歴史学者なので、ローマ帝国の歴史を、首都がコンスタンティノープルに移るまでを描きつつ、都市計画や建造物についても詳しく書いてあり、確かに中途半端な書物かもしれないが、古代ローマ史の概説書として見れば、都市や建築のところは飛ばして読めばよろしい。書物というのは隅から隅まで読む必要はないのである。

  • 迷走

    カエサル皇帝になったことで帝国の首都へと変貌したローマ。帝国の首都としての威厳は代々の皇帝たちが次々と巨大建造物を建てることで強化されていった。本書では紀元330年にコンスタンティノープルに遷都されるまでのローマの歴史を、建築史と政治史の側面から語っている。 しかし、実にお粗末な著作であった。盛り込まれている建築史的知識、歴史的説明は質・量ともに素晴らしいのだが、文章構成があまりにも下手なのである。文章そのものが悪いわけではなく、論理の筋が通っていない。矛盾、繰り返し、意味の取れない部分、そういうものがあまりに多すぎる。建築史が専門なのに歴史的記述に流されてしまって、統一的ヴィジョンを描くのに失敗している。 著者の言いたいことは、首都ローマのための帝国から、帝国のための首都ローのへの変貌だと思う。それはそれで面白いが、読むのは大変な苦痛であった。

  • 安っぽい観光案内ではわからないハイレベルなローマ

    ローマに行くことになり、ガイドブックもいいのだが、他にいいものはないかと探していたら、まさにこの本に邂逅した。 分厚いので旅行前には読み終わらず、飛行機の中でなんとか読了。 本書は、遺跡を通じてローマの都に迫り、皇帝に肉薄し、さらに日本にも通底させているところがいい。 帝政か共和制か、というのは現代でもかたちを変えて重要な問題になっている。たとえば、アメリカは3年間は帝政で、残りの1年は大統領選挙用に共和制になっているのではないか。あるいは、日本は自民党と民社党との共和制になり、いまや体たらくをさらしている。もちろん、自民独裁がいいわけではない。 古代ローマを扱った本書は、現代にも通用しとても参考になる。

  • ローマ史入門篇としても。

    主に都市としてのローマの建築を扱った本だが、ローマという都市を通してみた古代ローマ史としても読めた。ローマ史のわかりやすい解説にもなっているので、初心者でも無理なく読める。とっつきとしてはこれを読んで、以後同じ著者の別の新書(『トリマルキオの饗宴』など)や研究書に移ってもいいのではないか。

  • 古代ポリス世界から中世世界へ

    この本には前書き・あとがきがないため著者の意図が伝わりにくい。したがっていろいろな読み方があるのは自然なことと思う。 古代史は個々のポリスから世界帝国への統合といった推移である、とは多くの人の捉え方である。著者はあえて一都市ローマに視野をしぼり、世界を支配したポリスローマが皮肉にもその帝国の世界性ゆえ地方の一都市に成り下がる過程を強調したのだと思う。 本の冒頭から唐突にカエサルの名を出したこと、グラックス兄弟の改革から話を始めるのはまさにそういう意味で象徴的である。 他の評価でも指摘されているとおり本書にはローマの建築に関する記述が多い。これはローマの観光案内のごとく読めそうだが、そうではあるまい。先ほどの趣旨に沿えば、異教的民主制ポリスからキリスト教的世界帝国への推移の具象化とも読めるのである。記述されている建築が全て政治的、宗教的意味合いが強く、百万の民衆が住む都市として伝わるところが少ないのだ。 読者はたまに垣間見られる政治史の記述になにか距離感といったものを感じないだろうか。ネロを自殺に追い込んだのは都市ローマであろうか、ヴェスパシアヌスを皇帝にしたのは都市ローマであろうか。五賢帝は都市ローマから生まれた名君たちであろうか。バルビヌスとプピエヌス(本書では彼らを個人名で呼んでいない。)が殺されゴルディアヌス三世が即位する際の記述はまことに象徴的である(P.371~372)。 歴史のダイナミクスを一都市に凝縮した本書はまさに西洋古代史にふさわしい傑作だろう。中公新書には新書とは思えない良書が多いが、間違いなくこの本は最も高尚な1冊であると思う。

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